ビカクシダにはよくカイガラムシがついたりやコバエが湧く事がありますが、アイツらは園芸用の薬を使えばすぐに駆除できます(うちではダントツ水溶剤にドボンしてます…農薬だけど)
本当に厄介なのはカイガラでもコバエでも無く、ハダニなんです
有名YouTuberさんも深刻に悩んでおられて、痛いほど気持ちがわかる…
今回はうちで蔓延した時期や原因、駆除に至るまでを記録として残したいと思います(記録するつもりが無かったので写真はあまり撮っていません)
ハダニで悩んでる方、ハダニを防ぎたい方のお役に立てれば幸いです
❶我が家のハダニ被害状況
2021年 梅雨〜夏
外管理の複数株の胞子葉にハダニを確認
調べたら水攻めが効果的との事で、強い水圧で星状毛ごとこそぎ落として撃退
侵入経路とそのタイミングは不明です
2021年 秋
初期対応では駆除しきれなかったらしく、葉水やシャワーしにくい室内管理にした直後から増え始め、冬の間に増殖(室内だと葉水って億劫で…)
見つけ次第ベニカ等の園芸用殺虫剤散布や胞子葉除去(場合によっては貯水葉もカット)を続けてましたが…
2022年 春
翌年外に出す頃には多数の株に移ってしまい、更に気候が良かったのか増殖しまくって手がつけられない状態に…
2022年 梅雨〜初夏
たくさんの株が調子を落とすのを目の当たりにするとメンタルやられます…
このままではビカクが全滅してしまう!とネットで調べまくって農薬を使う事に!
写真は2022年春頃↑
星状毛に紛れてかなりのハダニが散見できます
※拡大写真しかカメラロールに残ってなくて、引きで葉全体を撮った写真がありませんでした…すみませんm(_ _)m
さぁここからが本題です↓
かなりの長文です、ご了承くださいm(_ _)m
❷ハダニを知る
まずは相手をよく調べましょう
ネットで検索すればだいたいの事はわかります、ありがたい世の中になりました
うちにいたのは赤い色をしたカンザワハダニ(たぶん)
マイクロレンズで拡大して撮った気がするのですが、カメラロールに写真が残ってなくてこんな画像ですみません
拡大すると星状毛に紛れて赤い点が写ってますが、それがハダニです(星状毛の左側にくっついてます)
ダニという名前ですが実はクモの仲間らしく、足は8本でおしりから糸を出します
蔓延するとビカクの分岐してるところなんかに極小のクモの巣みたいなフワフワが…
フワフワ見つけたらハダニを疑ってください
果樹や観葉植物は葉裏に付きやすいとの事ですが、ビカクの場合は胞子葉の表面にいる事が多いです
錆びたような茶色の変色がスポット状・カスリ状に広がり、その部分が凹んだようになってたらハダニによる吸汁被害だと思われます(果樹や観葉植物だと白っぽくなる様ですが、ビカクの場合は茶色に錆びたような枯れたような感じになります)
疑いを持ったらスマホにマイクロレンズを付けてよーく観察してみてください
星状毛の間に赤や茶色の小さな粒、動画撮影するとワラワラと動いてる様子が確認できます
残念ですが、たぶんそれハダニです…
ビカクにつくとこんな感じです↓
①非常に小さく肉眼では見えない→発見が遅れる
②初期段階ではビカクの調子が極端に悪くなるわけではないので軽視しがち
③放置すると増殖して目に見えて調子を崩す(胞子葉に痛みが出て、新しい葉が小さく弱々しくなります)
④とても小さいクモの仲間だからか糸出して風に乗って空中に舞う→近くの株に移動→増える→ビカク弱る
⑤水には弱いが毛深いビカクは星状毛ごと刮ぎ落とさないと意味がない→予防としての葉水は有効
⑥枯れた葉でも生存生息可能らしいのでカットした葉は放置しない→ゴミ収集日まで数日ある場合は必ず袋に入れて密閉する事
⑦新たに外から来た株は疑うべし!
以下参照HP(リンク貼れないので検索するかコピペしてください)
ハダニ類の被害と生態、防除対策
https://www.syngenta.co.jp/cp/articles/20021209
ハダニ|バラの害虫|葉の表面のかすり状紋様に要注意!それが寄生の印
https://rose-festa.com/damage-caused-by-spider-mite/
ハダニの駆除方法|肉眼で見えず、殺虫剤も効かない敵を退治する実践的な手順
https://rose-festa.com/practical-steps-to-eradicate-the-spider-mite/
いろいろ検索するとウチは中期・蔓延期あたり、薬剤つかわないと駆除は無理と判断
ハダニは卵から成虫へのサイクルが早く薬剤耐性が付きやすいので、同じ薬剤の連続使用は厳禁!らしい…
2種以上(可能なら3種以上が望ましい)の殺ダニ剤のローテーションを組む事…
めんどくさっ!!!
でもそうらしいので従います、駆除したいので…
じゃあどんな薬が良いのか?
先人の経験と実績がウェブにあふれていますね、ほんとありがたい…↓参考HP
ハダニへの殺ダニ剤の無計画使用は厳禁|科学的に征する殺ダニ剤と物理的に征する天然由来の農薬
https://rose-festa.com/acaricides-and-pesticides-of-natural-materials/
❸駆除計画を立てる
同じ殺ダニ剤を連続で使えないとの事なので成分の違う殺ダニ剤を3種類揃え、1週間ごとに散布(計3回)の計画を立てました
※コロナ時期で外出や旅行の計画もなく、毎週末作業できたのですんなり行きました
使う薬は殺ダニ剤なら何でもいいと思いますが、結果から言うとビカクに満遍なく散布するのってかなり面倒でした
胞子葉の表裏・多分岐の葉先までしっかり、貯水葉の裏ももちろん…
とにかく面倒くさい!なので最終的には大きいタライに希釈水を大量に作ってドボンが楽!となりました
なので希釈倍数を薄く出来る薬剤の方が経済的です(500倍より2000倍)
※500倍と表記・指示のある薬剤を2000倍にして使うと言う事ではありません、ご注意ください
ちなみに星状毛濃いめの白系だと水を弾いて薬がハダニに届かないので、展着剤は必ず使ってください(白系じゃなくても星状毛はあるので必須)
葉面や虫の体に散布液が付きやすくなり、薬剤の効果を最大限に活かすための物です
わたしは安いのでダインを使ってますが無いより格段に効果が上がります
展着剤なしでの薬散=何もしてないのと同じ…くらいに思ってください
展着剤の希釈倍数は表記の1番濃い倍率で、希釈順は水→展着剤→薬剤の順番に溶かしてください
※詳細割愛しますがこの順番を守った方が効果が高いようです
❹いざ駆逐!
わたしが使用した殺ダニ剤と希釈倍数や使用時期です↓
1回目(2022.7.23〜24)
カネマイトフロアブル1000倍+ダイン
2回目(2022.7.30〜31)
コロマイト水和剤2000倍+ダイン
3回目(2022.8.6〜7)
サンヨール乳剤500倍(展着剤不要)
※殺ダニ剤ではありませんが効果があるようなので採用
1〜3回目は2日間に分けてベランダや室内のエリアごと・観葉植物も含めて全植物にスプレー散布しました、しんどかった…
胞子葉表裏、多分岐ビカクの葉の先端、貯水葉の裏、胞子培養株ひとつひとつ…
ドボンの方が楽じゃね?と気付くのが遅かったw
でも丁寧に散布したお陰か、1〜3回目でほぼ駆除できた模様です
この後は室内管理に移行する秋、室外に出す春のタイミングで防虫の意味で定期的に殺ダニ剤を使っています
4回目(2022.10.10)
ニッソラン水和剤2000倍+ダントツ水溶剤4000倍+ダイン
(ここでようやくタライ+ドボンに変更)
室内管理に向けてコバエ類の殺虫ついでに防ハダニ対策、念のため1〜3回目とは違う成分の殺ダニ剤を使用しました
5回目(2023.5.1)
コロマイト水和剤2000倍+ダントツ水溶剤4000倍+ダイン
屋外管理に移行するタイミングでコバエ類の殺虫ついでに防ハダニ対策(ドボン)
※補足 使用回数について
殺ダニ剤は使用回数1〜2回の物が多いです→これは野菜等の作付けから収穫までの使用回数の事で、観葉植物に対しては年間使用回数なのか詳しくは不明です(わたしは回/年という認識です、気になる方は各メーカーへお問い合わせ願います)
次回6回目(2023.秋予定)
コロマイト(使用回数1〜2回以内?/観葉植物の項目がないので判断できず)
ニッソラン(使用回数2回以内/観葉植物)
サンヨール(使用回数8回以内/観葉植物)
※補足を参考にすると直前5月に使用済みのコロマイト(しかも使用回数が曖昧)以外の2種のどちらか、もしくは別の農薬にするかもしれません
使用後に詳細をUPしますね
❺その後…
頑張った甲斐あって3回目の散布後〜2023年9月現在まで丸1年以上ハダニ被害はありません
3回目までの散布で完全駆除できたのか、4・5回目の予防のお陰なのかは正直わかりません
しかし外部から飛来したり新入り植物についてたりする可能性があるので、引き続き年2回の殺ダニ剤の使用は続けたいと思います
ざっと書きましたが、こんな感じです
株数が少なければ駆除は比較的楽だと思いますが、多いと本当に厄介です
日に日に弱っていくビカク見てるとメンタルやられます、ほんと辛い…
とにかく放置しないで年間を通してしっかり計画立てて、耐性ハダニを作らないよう短期決戦で全滅させる事が重要だと思います
以下注意点羅列しておきます
殺ダニ剤を検討している方は必ず読んでください
※同じ殺ダニ剤の連続使用は絶対にしない
※いつ何を使ったか必ず記録しておく
※各薬剤には決まった希釈倍数、使用方法があるのでしっかり説明書きを読んでから使用する事 ← 読まない人、希釈倍数適当な人、ほんと多い…何かあっても知らんよマジで
※殺ダニ剤は使用回数1〜2回の物が多いです→観葉植物に対しては年間使用回数なのか詳しくは不明です(わたしは回/年という認識です、気になる方は各メーカーへお問い合わせ願います)
※本ページでは複数の薬剤を混用していますが推奨はされていません、混用する場合は注意書きをよく確認してからにしてください(あくまで自己責任で、薬害・枯れた・手が荒れた・気分が悪くなった等の責任は負えません)
※画像の薬水は泡立っていますが、ドボンする場合は出来るだけ泡立たないように希釈してください、溶け切らない顆粒が泡に残っていると泡ごと葉について薬害が出ます
※そもそも農薬は葉面散布用の物がほとんどです、ドボンする事で根やコンポスト内にどれだけの影響があるかはわかりません(今のところ我が家のビカク・植物に薬害は出ていません、あくまで自己責任でお願いします)
※同じく農薬全般に言える事ですが真夏の高温時に薬害が出やすいです、今回は7〜8月の散布でしたがたまたま薬害が出なかっただけな気がします(使用時期にはご注意ください)
※劇物指定の農薬もありますので、使い切れずに余った薬剤はどうするのか…(絶対に排水口や河川に流してはいけません)計画は念入りに…
※わたしは余った薬剤水はゴミ等を濾過し、殺菌剤を追加してアガベや多肉塊根植物に散布、作ったその日に使い切っています
※農薬は屋外やビニルハウスなど風通しの良いところで使用するのが大前提です、締め切った室内での使用は絶対にしないでください
よくわからなければ店員さんに質問したり製造元に問い合わせを!
初期段階であれば水攻めや自然由来の農薬を使えばある程度は駆除できると思いますが、今回のわたしの様に沢山の植物がある状態で蔓延してしまうと一般的な殺ダニ剤に頼らない完全駆除は本当に難しいと思います
ハダニの繁殖状況や各自の環境で対策は変わってきます
殺ダニ剤を使用する場合はしっかりと観察・状況把握をし、使用計画を十分に練ってからにして下さいね
あくまで駆除の一例として参考になれば幸いですm(_ _)m
我が家では定期的に古屋さんの「イモコロ」を使っているんですが、蔓延してしまったら薬剤でないとダメなんですね😱
何も問題なさそうな普段から、保険の意味も込めて定期的に使うのが良いのかもしれませんね。