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ワルナスビはかわいらしい見た目の薄紫色の花を咲かせますが、葉や茎には鋭いトゲを持ち、全草には毒を含みます。たった1cmほどの根からも再生し、ほかの植物の成長を妨げるほどワルナスビは繁殖力の強い植物です。
ワルナスビは偶然牧草に混入して明治時代の日本に持ち込まれたといわれていますが、強健な性質からワルナスビは場所を問わず繁殖できるため、日本各地のあらゆる場所でみられます。美しい見た目と群生しやすい植物ではありますが、栽培には不向きで駆除すべき植物といわれる理由を解説します。
ワルナスビはアメリカ原産の多年草で、ヨーロッパやアジアなど世界に広く分布しているナス科の植物です。草丈は30cm~80cmほどで、葉や茎には鋭いトゲをもちます。
ワルナスビは冬に休眠期を迎えますが、あたたかくなる春頃には新芽を出し驚くほどのはやさで成長していきます。6月~10月頃に次々と花を咲かせ、夏から秋にかけて花後に黄色い実をつけます。
ワルナスビという名前は植物博士の牧野富太郎氏によってつけられました。牧野富太郎氏が自宅でワルナスビを栽培したところ、全草に毒が含まれ何にも利用できないことに加えて、どんな方法でも駆除しきれなかったそうです。
葉や茎にはたくさんのトゲがあり、一度繁殖すると駆除しきれない始末の悪さから「悪茄子」という名前がつけられました。
ワルナスビの花には、白色または薄紫色のものがあります。白色の花は「シロバナワルナスビ」とも呼ばれます。花弁は5枚でおよそ直径2.5cmの小さな花を星形に咲かせます。
花の中央には小さなバナナのような黄色い雄しべがあり、さらにその中心にある先端が緑色のすっと伸びたものが雌しべです。
ワルナスビは花が咲き終わった7月~11月頃に実をつけます。つき始めはスイカのような縞模様の入った緑色をしていますが、熟すと黄色くなりミニトマトのような見た目になります。ワルナスビは全草に毒を含み、実にも毒が含まれるため食べるのは避けましょう。
ワルナスビは地下茎で繁殖するだけでなく、熟した実の中にある種がこぼれることでも繁殖します。
ワルナスビの茎や葉の裏にはたくさんの鋭いトゲが生えています。卵型の葉はゆるやかにギザギザとした形で、茎は緑色のものやナスに似て黒っぽいものもあります。
ワルナスビの全草には「ソラニン」という毒が含まれてます。 ソラニンはジャガイモの新芽に含まれる毒として知られていますが、大量に摂取しないかぎりは大きな症状を引き起こすことはないでしょう。
ただし、家畜やペットなどの動物が食べてしまうと中毒死する恐れもあるので注意が必要です。
ナス科ナス属の多くの植物は、代表品種であるナスと似た花を咲かせます。ナスの多くの品種は、濃い紫色の花をつけます。茎には短く硬めの毛が生えており、花萼にはトゲがあるため収穫の際は怪我をしないよう注意してください。
私たちの食生活に馴染み深いジャガイモですが、花を見たことがない方も多いのではないでしょうか。ワルナスビと同じナス科のためよく似た見た目の花を咲かせますが、ジャガイモの品種によってはさまざまな花色があります。
ワルナスビには茎や葉に鋭いトゲがありますが、ジャガイモにはありません。そのため、ジャガイモの収穫の際はトゲによる怪我を心配する必要はありません。
イヌホオズキはホオズキやナスに似ているにもかかわらず、全草に毒を含み利用する方法がないことから「バカナス」といわれることもあります。
花径はワルナスビよりも小さく1cmほどで、花弁がやや反り返っているのが特徴です。ワルナスビは黄色の実をつけますが、イヌホオズキは黒色の実をつけます。
ワルナスビは地下茎と種のどちらでも増えるため、強い繁殖力をもちます。1cmほどの根の断片からも再生し、ほかの植物の成長を妨げ枯らしてしまうほどの高い生命力があり、持ち込みが制限されている地域まであるほどです。
強い生命力をもつワルナスビを根絶することは非常に難しいですが、駆除するには熱湯や除草剤などで根を枯らす方法がおすすめです。またはスコップやショベルなどで根を残さず掘り起こすことで、地下茎からの繁殖を抑えられます。
ワルナスビの茎や葉には鋭いトゲが多く生えているため、手で抜く際は手袋や軍手などを必ず着用してください。
また、根を切断しすき込むように駆除すると、小さな根の断片からさらに成長してしまいます。ワルナスビの根を切断したり残したりしないよう駆除することが最も重要です。
ワルナスビには「欺瞞」「悪戯」などの花言葉がつけられています。花はジャガイモやナスに似ており、果実はトマトのようであることが「欺瞞」という花言葉の由来です。
ワルナスビは白くかわいらしい花をつけるにもかかわらず、葉や茎などに鋭く大きなトゲをつけることから「悪戯」という花言葉がつけられたといわれています。
強い繁殖力を持つワルナスビは、韓国では輸入禁止の植物に指定されています。国内でも持ち込みを制限している地域があり、その強健な性質を注視されていることが十分にうかがえます。
間違った駆除の方法によって、ワルナスビの更なる繁殖を助長しないよう十分にご注意ください。
橘