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「コアラが好む葉を持つ木」で有名なユーカリは、オーストラリアなど南半球に自生する常緑樹のひとつで、日本でも庭木として人気があります。
今回は、そんなユーカリの育て方を、鉢植えと地植えそれぞれに分けて詳しくご紹介します。
>>ユーカリ・ポポラスの育て方<<
>>ユーカリ・グニーの育て方<<
ユーカリは、南半球(なかでもオーストラリアやニュージーランドなど)に自生する、常緑広葉高木です。小さいものでも5m、大きものでは50mもの高さにまで生長することでも知られています。
「シルバーリーフ」と称される、日光の当たり方によっては銀色にも見える、濃い緑色の葉がユーカリの特徴のひとつです。
また、ユーカリとひと口にいっても、その品種の数は600種類以上あり、有名なコアラが好むユーカリは、その中でもほんの12種類のみといわれています。
ユーカリの育て方のポイントは、日当たりと風通しです。とくに風通しは大切で、室内でも育てることはできますが、空気がこもりやすいので注意しましょう。
また、乾燥を好むので、他の観葉植物よりも水やりは控えめにするとうまく育ちます。水分計などを使いながら、水やりしすぎないように管理しましょう。
鉢植えのユーカリは室内で育てることもできますが、日当たりがいい場所を好むので、1年を通して南東の方角の窓際に置くのが基本です。
また、ユーカリは暑さにも寒さにも比較的強いですが、多湿を苦手としています。そのため、梅雨時期や真夏の湿度に気をつけ、ときどきベランダに出して風に当たらせることも大切です。
鉢植えのユーカリには、春から秋の期間は、鉢の土が乾燥しきってから水やりをします。土の中の空気を入れ替えるように、鉢底から流れ出るまでたっぷり水やりをしてください。また、鉢皿に溜まった水は必ずすぐに捨てましょう。
なお、気温が25度以上になったら、必ず朝か夕方の涼しい時間に水やりするようにしてください。
冬はユーカリが休眠期に入るので、水やりは控えめにします。土が乾いてから数日後に水やりをするイメージで、枝葉がしなってから水やりする程度でも構いません。
ユーカリは肥料をあまり必要としませんが、鉢植えの場合は土の栄養分が水やりとともに流れ出てしまうので、少量を与えるようにします。
鉢植えのユーカリに肥料を与える時期は、春から秋までの生育期です。植え替えした場合は、元肥の効果が切れる1〜2ヶ月後から始めましょう。
観葉植物用の緩効性肥料を用意して、製品規定量よりもやや少なめに施してください。だいたい2ヶ月に1回の追肥が目安ですが、元気なようなら間隔をあけてもいいでしょう。
鉢植えのユーカリは1〜2年に1回の頻度で植え替えが必要です。植え替え時期は5月から真夏の暑い時期を除いて9月頃が適しています。
植え替えをするときは、観葉植物用の培養土を用意しましょう。室内用を選ぶと虫や病気が発生しにくくなります。草花用の培養土を転用する場合は、鹿沼土か軽石を1〜2割混ぜて、水はけをよくしておきます。
ユーカリは樹高がとても高くなり、品種によっては横にも広がります。地植えをする場合の注意点として、広めのスペースを確保しておくことが重要です。
また、日当たりと風通しがよくないと枯れてしまうので、建物の影になりやすい北側に植えるのは避けてください。
地植えしたユーカリは、根付いてしまえば基本的に自然に降る雨のみで十分です。植え付けた直後と、新芽が出てくるまでの数日間は、土が乾いたら水やりしましょう。
ただし、地植えの場合でも、2週間以上晴れが続いて、葉がしんなりとしおれてきたら、たっぷりと水やりをしてください。
ユーカリはほとんど肥料を必要としないので、地植えの場合は植え付け時に施した堆肥の栄養分で十分に育ちます。
そのため、基本的には追肥は不要ですが、葉の数が極端にへったり、成長スピードが遅くなっている場合は、観葉植物用の緩効性肥料や有機肥料を施してください。
ユーカリは水はけの良い土であれば、それほど土質にこだわらなくても育ってくれます。もし心配な場合は植え付けの1〜2週間前から土づくりを始めましょう。
生長速度の速いユーカリを小さく育てるには、定期的な剪定作業が必要となります。ユーカリの剪定時期は、苗木に負担のかからない3〜5月の春、もしくは9~10月の秋頃が適期です。
葉の密度が高まり、風通しが悪くなってきたなと感じたら、混み合った枝部分を切り落としてあげましょう。
ただし、剪定のしすぎも不恰好になってしまうため、よくありません。剪定したあとに、枝越しに景色が透けてみえる程度にとどめておきましょう。
ユーカリの増やし方は、「挿し木」が一般的です。
よく育っている枝(剪定のついででもOK)を選んで切り、枝の先の数枚の葉を残してすべて切り落とします。切り口を丸1日水に浸したのち、枝を新しい用土を入れた鉢に挿しましょう。
ユーカリに発生しやすい病気のひとつに、葉が点々と白くなる「うどんこ病」があります。
カビ菌が原因となる病気ですが、乾燥に強い菌のため、ユーカリに発生しやすいのが特徴です。葉に白い斑点を見つけたら薬剤を撒くなどしたあと、白い斑点がある葉はすべて切り取ってしまいましょう。
乾燥を好むユーカリには、同じく乾燥した場所によく発生するハダニが寄生しやすいです。
葉水などでハダニは予防できますが、ハダニの駆除には薬剤を使用するのが効果的です。
ユーカリが枯れる原因として多いのは、水やりが多すぎて根腐れしたり、反対に水やりが少なすぎて乾燥したりすることです。実際に育てている環境によって水やり頻度も多少変わるため、様子を見ながら水をあげましょう。
ユーカリの木の高さが100メートルにもなる、と聞くと一般家庭では育てにくいイメージがあるかもしれません。でもユーカリは鉢植えもできるユーティリティープレーヤー。手入れもそれほど必要がなく1年中緑を楽しめます。
地植えでも鉢植えでも楽しめるユーカリを、育ててみましょう!
松原真理子
GreenSnap編集部