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バーク堆肥の使い方|特徴や効果は?マルチングに使える?デメリットもあるの?

自然界では、その場にある落ち葉や動物などの排泄物から、有機物を循環させていますが、花壇や畑では、それらを堆肥という資材で補う必要があります。

今回は堆肥のなかでも、とくに土壌改善効果の高いバーク堆肥の特徴や効果、使い方について、ご紹介いたします。

バーク堆肥とは?

バーク堆肥とは、樹木の皮に鶏糞や油かすなどを加えて発酵させ、堆肥化させた堆肥のひとつです。

園芸資材のなかでは、「園芸資材>改良用土>植物用土>堆肥>植物質堆肥」といったカテゴリに属しています。

基本的には庭土や赤玉土などの基本用土に混ぜて、培養土にして使います。

バーク堆肥の成分の特徴や効果とは?

高い土壌改善効果

バーク堆肥は、堆肥のなかでも腐葉土とほぼ変わらない、高い土壌改善効果を持ちます。原料である樹皮に含まれる植物繊維は、土に細かな空間が生み、ふかふかな土かつ透水性・保水性・排水性のバランスのとれた土へと変えていきます。

牛糞や鶏糞などの家畜糞堆肥にも土壌改善効果は見られますが、植物質堆肥であるバーク肥料や腐葉土のほうが、高い効果を発揮します。

軽微な肥料効果

バーク堆肥には、軽微な肥料効果も期待できます。基本的にバーク(樹皮)自体には栄養が含まれませんが、堆肥として発酵させるために混ぜる、鶏糞や油かすなどの栄養分が微量に含まれます。そのため、軽微ながらも肥料効果が期待できるのです。

なお、鶏糞や油かすの配合具合にもよりますが、基本的にバーク堆肥に含まれる成分は、窒素が0.8〜3%、リン酸が0.2〜2%、カリが0.3〜1%です。腐葉土と比べると、窒素とリン酸を2〜3倍多く含有しています。

断熱・保温効果

バーク堆肥は、バーク堆肥はその植物繊維の間に、豊富な空気を含んでいるので、断熱・保温効果がある、マルチング剤としても使うことができます。防暑・防寒対策にも有効ですし、雑草・泥はねの防止にもつながります。

保肥力の向上

保肥力の指標となるのはCEC(塩基交換容量=土が養分を蓄えられる容量)ですが、バーク堆肥は腐葉土よりもCECが高いので、腐葉土よりも優れた保肥力向上効果が期待できます。

バーク堆肥とバークチップの違い

バーク堆肥と混同されがちな園芸資材に、バークチップというものがあります。バーク肥料が樹皮を発酵させた堆肥であり、土壌改善効果があるのに対し、バークチップは樹皮を粗く砕いただけのマルチング材です。原料が同じなだけで、その役割や効果は全く異なるので、注意しましょう。

バーク堆肥の使い方:園芸や菜園の土作りに

野菜畑の土づくりでのバーク堆肥の使い方

施用量の目安

家庭菜園などの野菜畑の土づくりに、バーク肥料を使うときは、含まれる栄養分に注意するといいでしょう。配合にもよりますが、下記の施用量を目安に施しましょう。

  • バーク堆肥(ほとんど栄養のないもの):1㎡あたり2kg〜5kg
  • バーク堆肥+鶏糞:1㎡あたり一般的な土質なら0.5〜1kg、砂質なら0.3〜0.5kg
  • バーク堆肥+牛糞:1㎡あたり一般的な土質なら2〜3kg、砂質なら1〜1.5kg

バーク堆肥を使うときの手順

バーク堆肥に限らず、堆肥を使って土づくりをする場合、作付けの2週間前から始めてください。まず、苦土石灰などで酸度調整を行い、その1週間後に前述の施用量を目安に、バーク堆肥と、化成肥料もしくは有機肥料を均等にまいて、よくすき込んでおきます。そこからさらに1週間、土をなじませてから作付けをします。

花壇の草花用の土づくりでのバーク堆肥の使い方

施用量の目安

花壇などに、草花用の土づくりとしてバーク堆肥を使う場合、一年草と多年草によって施用量が変わるので注意しましょう。バーク堆肥の栄養配合にもよりますが、ほとんど栄養がないもので下記の目安を参考に施すといいでしょう。

  • 一年草:1㎡あたり1〜2kg(品種改良された園芸品種は2kgのほうがよい)
  • 多年草:1㎡あたり2〜4kg(大輪の品種ほど多めの方が良い)
    ※ただし、窒素を与えすぎるとうまく花がつかないので、注意してください。

バーク堆肥を使うときの手順

バーク堆肥に限らず、堆肥を使って草花用の土づくりをするときは、必ず種まきや植え付けの2〜3週間前に施すようにしましょう。堆肥を与えた直後は、土の中の温度が上昇し、場合によってはガスが発生して植物に悪影響を及ぼすので、注意してください。

コンテナ栽培の土づくりでのバーク堆肥の使い方

施用量の目安

コンテナ栽培では、限られたスペースで植物を育てるため、畑や花壇の土以上に通気性と水はけの良さが求められます。バーク堆肥を使ったコンテナ栽培の用土配合は下記を目安にするといいでしょう。

基本用土(畑や庭の土、もしくは赤玉土など)6:バーク堆肥3:バーミキュライト(もしくはパーライト)1

バーク堆肥を使うときの手順

バーク肥料は基本用土とよくなじませるために植え付けや種まきの1ヶ月以上前から進めましょう。上記の用土配合をよく混ぜ合わせ、陽の当たらない風通しの良いところで保管しておきます。

なお、バーク堆肥や腐葉土などの堆肥の効果は、1年ほどしか持続しません。植え替えの際には土づくりをし直してやるといいでしょう。

バーク堆肥の使い方:マルチング材として

バーク堆肥でマルチングするときの使い方は、植物の株周りの土上に、5cmほどの厚みで多めにまくといいでしょう。厚みを持たせることで、断熱保温効果が高まり、霜にも負けませんし、余計な日光を遮断するので雑草防止にも繋がります。

バーク堆肥のデメリットや注意点とは?

バーク堆肥のデメリットをあげるとすれば、腐葉土などの堆肥と比べると、少々高価なことにあります。

また、使用するときの注意点として、十分に腐熟しているものを選ぶことが大事です。未完熟のものだと施してから発酵するので、病原性菌が発生しやすく、ガスにより根を傷めたりします。

その他、腐葉土よりも炭素率が高く、チッソ飢餓を起こしやすいという特徴もあります。これは炭素を餌にして増殖した微生物がチッソ分を取り込むことによって、植物にチッソ分が回らなくなる状態のことです。

バーク堆肥はどこで販売されている?価格相場は?

バーク堆肥はホームセンターやネット通販などで購入することができ、その価格相場は40L(約20kg)で500〜4000円です。品質の精度によって大きく価格が変わりますが、ある程度信頼できるところから購入しましょう。開けてみたら未完熟であったり粗悪品だった、ということも少なくないので注意してください。

バーク堆肥を使ってガーデニングや家庭菜園を楽しもう!

バーク堆肥は腐葉土より比較的高価ではありますが、高い土壌改善効果や、保肥力の向上などの面で、優れた堆肥です。うまくバーク肥料を使って、より快適なガーデニングや家庭菜園を楽しんでください。

 

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