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葉物を使うことで、作品全体のボリュームアップやグラフィカルな美しさがプラスされるなど、見た目がよくなるメリットがあります。
そのうえ、花の保護や花留めとして実用的な要素を兼ね備えることもできます。ここでは実用的な葉物使いのテクニックを紹介します。
編んだ葉物は面となり、土台としても使えます。
細い葉物だけでなく、蔓状の花材を葉を落として編み込んだり、
大きな葉物の一部に編み込んで刺繍感覚で楽しむこともでき、
表現の幅が広がるテクニックのひとつです。
スチールグラスを数本まとめて束にし、先端をまとめます。
3つに分けて三つ編みの要領で編んでいきます。
1
細いスチールグラスを数本束ねてから編むことで、素材の雰囲気が変わり、
ラインのシルエットが面に近いフォルムへと変化します。
1本でも、数本を束ねて編んでも、カゴ細工のように格子状にするなど、
さまざまな編み方ができます。
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このテクニックが向いている葉物
スチールグラス、ニューサイラン、ミスカンサス、ベアグラスなど
編んだ葉物の面の色と表情の美しさをシンプルに見せた作品です。
色と質感が個性的なヒューケラに合う葉物として、ニューサイランをチョイス。
硬質で平面的なニューサイランを編むことで面として存在させています。
Flower & Green
コチョウラン“チョコレートパール”、ヒューケラ“シャンハイ”、ニューサイラン
Point!
ニューサイランは、縦2つにカットしてから水をたっぷりと張った
器の内側にひっかけるようにしながらタテヨコに編む。
「矯め」よりも、思い通りの形を作ることができるのが、
ワイヤーを使ったテクニックです。
葉の空洞にワイヤーをいれるのではなく、
葉に差し込むことがポイントになります。
ワイヤーを入れることで、簡単に思うような形を作ることができます。
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オクラレルカに#20または#22のワイヤーを切り口から葉の中心に挿し入れます。
このとき葉の間の空洞ではなく、葉に入れることが重要。
表面にワイヤーの先が出ないように注意しながら、曲げたい部分まで挿します。
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指の腹でさすりながら、形づけていきます。
鋭角にも、なだらかにも曲線を描くこともできるので、
デザインによって変化を付けましょう。
このテクニックが向いている葉物
オクラレルカ、トクサ、フトイ、スイセン、シャガなど
ワイヤーの効果で、さまざまな曲がりの変化が美しい作品です。
ラインの曲がりに変化を付けていくつかパーツを並べると、
リズム感あふれる動きが生まれます。
Flower & Green
オクラレルカ、カンガルーポー、ユーカリ、ナデシコ“テマリソウ”、バラ“モンシェリー”、トルコギキョウ“貴婦人”、エリンジウム
Point!
ワイヤーを挿した葉物は、曲線を作るだけでなく、
角を強調して形づけてもよいですが、極端に曲げると、
挿し入れたワイヤーが葉の表面を突き破るなど、
折れてしまうこともあるので注意が必要です。
photo (C) Seibundo-Shinkosha
出典元:書籍『フラワーデザインの上達法 グリーン使いのテクニックBOOK』
フラワーデザインの上達に重要な技術のひとつ、「グリーン」の使い方を紹介する一冊。フラワーアレンジメントやブーケに花だけでなく「葉」「枝」などグリーン素材を上手に加えることで、花の見え方や表情が変わってくる。グリーンをどのように扱うか、どのようなデザインで生きてくるかなどをアレンジメント作品とともに紹介する。グリーンテクニックで制作する作品の印象など、美しい写真とわかりやすい図説などを交えて解説する。誠文堂新光社刊
フローリスト編集部