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鉢や切り花で、お花屋さんやガーデンセンターで手に入る素材の中にはフルーツや、野菜もたくさんあります。
これらの素材をアレンジして、インテリアグリーンとしてコーディネートすることも可能です。
そんなアレンジのアイディアをご紹介します。
キュートなストロベリーを垂れ下がるデザインで、ロマンティックに仕上げました。赤い色を強調するために、手作りの木の器は白くペイントしました。あまりアレンジメントでは使われないストロベリーの葉をふんだんに使うことで、よりナチュラルな印象に。
[ Flower&green ] レックスベゴニア、ナデシコ“テマリソウ”、バラ“グリーンローズ”
ポイントレッスン
①ストロベリーの真っ赤な色に合わせ、花器の色を考える。色がついた花器だと実の存在が薄くなるので注意。
② まるでストロベリーがこの花器から生えているかのように、自然な形で挿していく。
ストロベリーを花器からあふれるように垂らしていく。実の配置は垂らす高さや位置が規則正しくならないように。実の色や大きさを配慮して。
たくさん種類のある柑橘類でもぱっと目を引くラグビーボールの形、そして誰もが思い起こすあのレモンの味が、作品の雰囲気を盛り上げます。さわやかで明るいレモンのカラーを効果的に使いましょう。フラワーベースにレモンを載せた一見簡単なテクニックですが、レモンに花留めとしての役割を与え、他の花を固定しています。同じデザインのフラワーベースをいくつか並べることにより、リズミカルで清々しい印象を与えます。食虫花であるサラセニアの珍しいフォルムが全体に面白さを加えています。
[ Flower&green ] サラセニア、グロリオサ“ルテア”、クレマチス
ポイントレッスン
① 空気の層が見えると作品が美しく見えないので、フラワーベースに水を入れるときの量は口いっぱいまで注ぐ。
② レモンは花材という役割以外に、花留めとして他の花材を安定させる役割。
③ いくつかのベースを並べる時には、大きさや形にばらつきの多いサラセニアを効果的に見えるように配置する。
ミニパインはトロピカルなアレンジに使いたくなる素材ですが、ここでは実の色であるベージュを生かし、やわらかなグリーンと合わせることで爽やかさを感じられるデザインに。ミニパインは他の花材に比べ、太くて存在感のあるステムを持っているため、高低差をつけることで動きを出すことができます。ただし、直線的なステムばかり目につくとハードな印象を与えるので、他の花材でうまく隠しながら作っていきましょう。
[ Flower&green ] クレマチス、ラグラス、フィリカ
ポイントレッスン
① ミニパインのステムの強さと正反対なソフトなラインを持つクレマチスをうまく生かして、遊びを見せる。
② ラグラスやフィリカなど、質感と色がソフトなグリーンを取り入れることで、足元は柔らかい印象に。
葉が落ちたツバキの枝と野趣あふれるゴーヤとクレマチスの対比で、生き生きとした植物の美しさを表現した作品です。花器の表面に枝を見せることで、作品自体が一本の木のような印象になりました。
[ Flower&green ] クレマチス、ツバキの枝
ポイントレッスン
① ゴーヤはツバキの枝にうまく差し込んで使うことで、より自然な印象に。
② クレマチスは長さがあるものを使い、花器から生い茂っているようなイメージで形作る。
鮮やかなワックスフラワーのフューシャピンクが、ヒメリンゴの赤との相乗効果により印象的なバスケットアレンジに。リズミカルな動きのヒメリンゴとリューカデンドロンが楽しげな雰囲気に華を添えます。実ものがメインだとついつい花材を増やし、華やかにしがちですが、ここはぐっと抑えて。
[ Flower&green ] ワックスフラワー、リューカデンドロン“ジュベリークラウン”、ナデシコ“テマリソウ”
ポイントレッスン
① こんもりとした形を作りながらも、単調にならないように花材は高低差をつけて。
② 唯一の花ものであるワックスフラワーは、バスケットから少し顔を出すように意識して挿すと仕上がりが華やかに。
赤と黒のコンビネーションがなんともいえないカカオの実。チョコレートの原料です。このワイルドな風貌を生かし、個性の強いグロリオサやオーニソガラムと合わせ、よりエスニックな雰囲気に。カカオはそのままではフォームに固定できないため、雰囲気が合うバンクシアの葉で土台を作り、そこに実を差し込んで使っています。
[ Flower&green ] グロリオサ、オーニソガラム、ナデシコ“テマリソウ”、バンクシアの葉
ポイントレッスン
① 合わせる花材はカカオのワイルドさが引き立つ色合わせに。
② グロリオサは葉を取り花を一輪にして、色と形を強調する。
arrangement Shinichi Nagatsuka
photo (C) Tomoyuki Sasaki, Seibundo-Shinkosha
出典元:書籍『ベリー・フルーツ・季節の実ものフラワーアレンジ講座』
季節によって植物の実の色合いや種類が変わる日本。ベリー、フルーツ、野菜などを含めた、実ものをフラワーアレンジメントに取り入れることで、季節感はもちろん、空間のひろがりや豊かな表情をフラワーアレンジメント作品に与えることができます。難しそうに感じられる植物の実の扱いですが、コツをつかみ、基本の形を理解することでぐんと身近なフラワーアレンジの素材になります。フラワーデザインの中で素材としてよく使われ始めている野菜、フルーツなどを含め、古来より生け花に使われてきた枝つきの実の使い方や、クリスマスリースなどにも使われる人気のベリー系花材など、さまざまな空間を彩る数多くの作品を、作り方など詳しい解説とともに紹介。著者が追求してきた、花材をもっと気軽に使いこなすためのより実践的なテクニックやコツを惜しみなく公開します。知っておきたい実の扱い方の基本知識や、フラワーアレンジメントに使用できる実物集も収録。すぐに使えるアイデアが満載の、充実の1冊に。誠文堂新光社刊
フローリスト編集部