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こんにちは!OZEKI です。インテリアグリーンに、枝ものや実ものを入れるとセンスアップ!
シリーズでお届けしてきていますが季節に合わせて、実践してみてください。
今回は、情熱の赤で彩るアレンジをご紹介します。
赤はアレンジの中でも花合わせ、素材合わせが難しい部類だともいわれます。うまく合わせて、インテリアのアクセントにしてみてはいかがでしょうか。
出回り時期や特性、取り扱い等、知るともっと実ものが好きになる実用的なものを紹介します。
サンキライと同じサルトリイバラ科のつる性の植物です。瑞々しい透明感のある小さな丸い実はグリーンから徐々に赤くなっていきますハート形の葉と鋭いトゲがあるので、取り扱いには注意しましょう。イタリア産の輸入品がほとんどで、葉はあまりよい状態ではないことが多く、実だけを使うことがほとんど。ブーケやアレンジメントに使いやすい実ものです。
西洋ウメモドキの園芸種です。日本にもともとあるウメモドキに比べ、実がひと回り大きいうえに、びっしりとついてます。本来は落葉樹ですが、切枝として出荷する時には葉がついているため、手で葉を取ってから出荷されています。大きなディスプレーや生け込みにおすすめの素材です。
ココアやチョコレートの原料であるカカオです。幹からぶら下がり、形は品種によって長楕円形、卵形、三角形などさまざまです。皮の色も写真のように赤いものから、黄色、グリーンと異なります。この実の中にある種がいわゆるカカオ豆と呼ばれる物です。実は大きいので、アレンジメントに入れるときはしっかりと固定し、安定させましょう。
バラ科の植物ですが、花木というより草本性であるため、イチゴ自体を野菜ということもあります。日本では、明治時代から栽培が本格的になりました。フラワーデザインに用いる場合には、実だけ使うときは青果店やスーパーで売っている物を。葉や茎も使いたいときは、鉢物をカットして使いましょう。イチゴの葉は水も揚がりやすいうえに、挿しやすい素材です。竹串などで挿して使うことは、実が柔らかいためお勧めできません。
つる性の実もので、枝にトゲがあり、小さな実が10個以上放射状に付いているのが特徴です。初夏から国産のグリーンの実が葉が付いたつるで出荷され、秋には中国産の赤い実が主流となっています。もともとは伊豆諸島を始めとする国内の山野に自生していましたが、乱獲で現在は減少しています。赤い実はそのままドライになるので、つるを利用したリースなどにも。
春に黄色い花をつける枝物として知られ、いけばなの花材としても使われています。秋には楕円形の赤い実をつけて、この実が真っ赤なことから「アキサンゴ」と呼ばれることもあります。枝は矯めが効きやすい素材なので、実がついた枝を大きく飾るのも面白いです。
食用でもおなじみのトウガラシの一種です。実の形が鷹の爪に似ていることが名前の由来です。食用には乾燥させたものが多く使われていますが、花市場では葉をとった状態で出荷されています。光沢があり、乾燥させても色あせないことが人気のひとつです。どんな作品にも使いやすいうえに、扱いやすい素材です。
南米原産のナス科の植物です。1500年代にヨーロッパに持ち込まれて、後に全世界に広まりました。品種数が非常に多く、形、色、大きさなどバリエーションに富んでいるため、デザインに取り入れやすい素材です。プチトマトなどは吊るすのもおすすめです。どの品種も使うことができますが、フラワーデザインではできるだけ、完熟しておらず柔らかくない実を選びましょう。加熱用の品種は皮が硬くおすすめです。
リンゴの小さいものが総じてヒメリンゴと呼ばれています。そのためヒメリンゴという品種はありませんが、ほとんどが“紅玉”から交配された“アルプス乙女”もしくは“姫小町”という品種です。ただ、花市場では特に区別されていません。竹串を刺して簡単に使える素材です。また、リンゴ類は皮を布なので磨くとつやが出てきれいになるので、ひと手間かけることをおすすめします。
房スグリはスグリ科の植物で、カクテルなどで知られるカシス(黒スグリ)などの仲間になります。食用としての流通も多く、青果市場ではパックに入れられた状態で出荷されています。花市場では葉がついた枝のまま出荷され、6月の上旬まではグリーンの状態で、それ以降は赤い実をつけた状態での出荷がなされています。主な生産地は長野県。
リューカデンドロンの中でも実が小さく、スプレー状に分かれている小ぶりの品種。使いやすい色と大きさのため、定番になっている人気の品種です。乾燥させることも容易なので、リースなどにも使いやすい素材です。
食用として定番のリンゴです。本来は秋から年内までの出荷ですが、貯蔵技術の向上でほぼ周年で出回っています。ヒメリンゴ、青リンゴ同様、皮がきれいで日持ちもよいので、使いやすいフルーツです。近頃は品種も増えています。ヒメリンゴ同様、皮を磨くと光沢が出ます。
photo (C) Tomoyuki Sasaki, Seibundo-Shinkosha
arrangement:Shinichi Nagatsuka
出展:書籍『ベリー・フルーツ・季節の実ものフラワーアレンジ講座』
ベリー・フルーツ・季節の実ものフラワーアレンジ講座
誠文堂新光社 刊
ISBN: 978-4-416-71228-3
季節によって植物の実の色合いや種類が変わる日本。ベリー、フルーツ、野菜などを含めた、実ものをフラワーアレンジメントに取り入れることで、季節感はもちろん、空間のひろがりや豊かな表情をフラワーアレンジメント作品に与えることができます。難しそうに感じられる植物の実の扱いですが、コツをつかみ、基本の形を理解することでぐんと身近なフラワーアレンジの素材になります。
フローリスト編集部