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植物を育てたり、眺めたりすることは、多くの人にとって日々の生活を彩る大切な趣味ですね。そんな園芸やガーデニングの楽しさをより深く理解し、正しい知識を身につけるために役立つのが「グリーンアドバイザー」の資格です。
資格を通じて、正しい植物の育て方から園芸に関する幅広い知識を学び、趣味から一歩先へ踏み出した「植物の専門家」としてのスキルを磨くことができます。
この記事では、グリーンアドバイザー認定試験に合格した方たちの体験記をご紹介します。
今回の体験記を通じて、グリーンアドバイザーへの道のりや、それを通じて見えてくる園芸の世界の魅力について、ぜひご覧ください。
「グリーンアドバイザー」とは、植物の基本的な知識や、正しい育て方を身につけ、園芸・ガーデニングの魅力や育てる楽しさを伝える専門家を目指せる資格試験です。
日本家庭園芸普及協会が実施するインターネット講習を受講して試験に合格すると、「グリーンアドバイザー」の称号を得ることができ、個人の趣味の領域を超えて、実際のお仕事や地域活動、園芸に関するイベントの企画・運営など、幅広い場面で知識を活かすことができます。
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植物の魅力を伝えるグリーンアドバイザーになろう!2024年度の試験概要の変更点とは
やまかなさん(山田香菜子さん):フリーアナウンサー
2023年 グリーンアドバイザー取得
2018年からyoutubeチャンネル「yamakanafarmやまかなふぁーむ」を開設し、日々園芸情報を発信。
樹木医補として樹木治療にもあたっている。
Instagram:@yamakanafarm
youtube:yamakana farm やまかなふぁーむ
豊かな自然のもと、作物や花を育てるのが当たり前の環境で育ったやまかなさん。身近だった植物や園芸を学ぶために千葉大学の園芸学部に入学しましたが、大学で学ぶ学術的な内容にはあまり惹かれず、卒業後は当時好きだったテレビ業界で、アナウンサーとしてのキャリアをスタートさせました。
後にフリーアナウンサーに転向し、最初に担当したのが夕方の情報番組のガーデニングコーナー。知識がない中、大学の恩師にも頼りながら必死になってお花や樹木の知識を視聴者に発信する中で、「一見地味な存在だと思われがちだけれど、樹木たちは意思を持ってそこに立っている」ということに気づかされ、改めて植物の魅力に引き込まれていったそう。
妊娠・出産を通した働き方の変化もきっかけとなり、YouTubeやInstagramを通して、知識のない時に自分が知りたかった園芸の知識や楽しみ方を紹介するようになったそうです。
YouTubeを始めて5年が経ち、より深く、わかりやすく情報を発信したいと考えたことが受験のきっかけのひとつでした。植物を育てる中で、「なぜここで切るの?」「どうして葉っぱが落ちるの?」といった疑問は誰もが持つものですよね。
現象に対して理論的に理由を説明できたら、普段のお手入れに対する理解も深まるはず。専門用語を交えて、植物の不思議な生態をわかりやすく伝えるためにもう一度学術的に学び直したくて、グリーンアドバイザーを受験することに決めました。
実は私自身、樹木医補という資格を持っているのですが、やはり専門的な資格はとっつきずらく難しい内容なんです。グリーンアドバイザーは「家庭園芸」という点で幅広い分野をカバーしていると感じます。理科の教科書に出てくるような基礎の基礎から教えてくれるので、ガーデニングを楽しむ上で、日頃のメンテナンスに直結する知識が得られるのが魅力でした。
子育てをしながらの受験だったので、子どもが寝静まってから、テキストに赤ペンで線を引いて、緑のシートで隠して何度も何度も復習して勉強しました。
テキストは難しすぎず、簡単すぎず、すごくわかりやすい参考書のような感じでしたね。受験のための本というよりも、日頃のガーデニングで生じる疑問を専門用語も交えながら優しく解きほぐしてくれるような参考書で、学ぶ時間がとても楽しかったです。
暑い夏の時期に勉強していたこともあり、植物が夏バテする原理について書かれた部分が印象に残っています。真夏は植物の体内から水分がどんどん蒸散していくので、植物は水分量が減ると気孔を閉じ水を出さないようにします。しかし、気孔を閉じれば葉っぱの温度は上がりっぱなしで、太陽の光が当たり続けるとバテてしまう。
蒸散や気孔の開閉、光合成など、当たり前の話なのに、そうだよね!と思わずハッとさせられる学びが多くありました。こうした植物の原理を理解することで、今後のお手入れのアイデアにつながるような学びが得られました。
YouTubeチャンネル「yamakana farm やまかなふぁーむ」で配信中のやまかなさん
例えば、一言で葉っぱと言っても、葉身と葉柄では指す部分が異なります。葉身を指して「この部分を切ってください」と説明すれば、初心者の方でも迷わずに作業ができるでしょう。また、葉柄の付け根から切ってもらうよう伝えれば、的確な剪定ができます。
このように、専門用語を使い分けることで、YouTubeでの解説もよりわかりやすくなったと感じています。理論的な裏付けを持って説明ができるようになったことが、一番の変化ですね。
グリーンアドバイザーは、植物を育てる楽しさを知って、もっと上手に育てたい!と思い始める中級者さんに特におすすめしたいですね。中級者になってくると、日頃の知識だけでは行き詰まりを感じるようになると思います。知識を身につけて、植物と会話ができるようになれば、さらに植物を上手く育てられる突破口になるように感じます。
また、お仕事で植物に関わる方にもぜひおすすめしたいですね。私自身がよくホームセンターに通いますが、育てる土地の気候に合わせたお手入れの時期などの細かい情報が得られると安心して購入できるもの。正しい知識を広げることで、ガーデニングを楽しむ方の人口も増えるのではないでしょうか。ぜひ楽しんで勉強してくださいね。
及川仁太さん:小学6年生(12歳)
2023年 グリーンアドバイザー取得
仁太さんが植物に興味を持ち始めたのは、小学1年生の頃から。小さな頃から昆虫や生き物が好きだった仁太さんは、次第に身の回りの野草や雑草にも興味を持ち始め、植物の世界にのめりこんでいったそう。
グリーンアドバイザーの資格に挑戦した理由は、お母さんの提案がきっかけでした。年齢制限が撤廃されたことを知り、チャレンジすることを決意しました。
大事だなと思った部分にテキストに線を引いて、今までの自分の経験と知識を結びつけながら進めていきました。
植物の育て方だけじゃなくて、植物の体の仕組みや、園芸に使う道具まで、今まで知らなかった知識を幅広く知ることができて新しい発見がたくさんありました。
文章だけじゃなくて図で分かりやすく解説してくれる部分が多かったり、動画では大事なポイントをゆっくりハキハキ話してくれたのが印象に残っています。特に、肥料についての法律があることを知らなかったので、こんなことまで勉強できるんだなと思いました。
大人向けの試験なので、まだ習っていない漢字が出てきて難しかった部分もあったけれど、テキストには動画の解説がついていたので小学生でもわかりやすかったです。
試験に合格してからは、グリーンアドバイザーを受験するまで触れてこなかった植物の分類について調べたり、肥料の法律にも目を向けるようになれたのが楽しいです。
資格を活かして、園芸で困っている人のお悩み相談に乗れたらいいなと思っています。家ではクレマチスやバラ、クリスマスローズ、オダマキ、キャットテールなどの多年草をたくさん育てているのですが、今特にハマっているのが砂漠のバラといわれる「アデニウム」です。
今の将来の夢は、アデニウムの品種改良をしたり、育種家になること。将来植物の仕事をするために、グリーンアドバイザーで学んだ知識を生かしていきたいなと思います。
僕のように植物が好きな人にとって、グリーンアドバイザーは園芸やガーデニングだけではない植物の色々な知識を知ることができる機会になると思います。ぜひ一度挑戦してみてください!
七北田公園都市緑化ホールは、宮城県仙台市内にある緑とふれあえる公園緑地です。今回は、施設内の温室をインタビューで使用させていただきました。
施設名 | 七北田公園都市緑化ホール |
公式HP | www.sendai-park.or.jp/web/office/nanakita/index.html |
園芸好きの両親のもと、小さい頃からたくさんのお花に囲まれて育ったyukkyさん。自身も子育てに励むようになり、お子さんの幼児クラブでの寄せ植え体験をきっかけにガーデニングに夢中になっていったそう。子どもが少し大きくなったことを機に、さらに専門的な知識を身につけたいと考えて、グリーンアドバイザーの資格取得に挑戦することを決意しました。
yukkyさん
Instagram:@gardener_yukky.3
2023年 グリーンアドバイザー取得
小さい頃から植物に囲まれて育ち、子育てをきっかけに自身もガーデニングの楽しさに目覚めました。子育てと植物を育てることはとてもよく似ていて楽しいと思ったんです。ガーデンストーリーが運営する植物好きのオンラインコミュニティ『ガーデンストーリークラブ※』に参加したことをきっかけに、将来的に植物に対する仕事がしたいと思うようになりました。色々な資格があるけれど、グリーンアドバイザーなら、オンライン動画とテキストで家事や育児の合間をぬって勉強できる。それに、植物の基本的な部分から学び直せるのが魅力でした。
※「ガーデンストーリークラブ」は、ガーデニング・植物情報を発信するウェブマガジン「ガーデンストーリー」が運営する、全国の花ファン・庭ファンが集う会員制度です。
試験日から逆算して、家事と育児の合間をぬって勉強を進めていきました。専用のノートを準備して大切なポイントをメモしたり、テキストから図をコピーして貼り付けたり、試験に出るところは付箋をつけたりして、自分だけのノートを作っていきました。
専門的な知識だけではなく、日本の園芸が持つ文化的な側面も学べたのがとても楽しかったです。特に印象に残っているのは、日本の園芸の歴史について解説されていたところですね。
昔の人たちも、現代を生きる私たちも、花を愛でる気持ちは同じなんだなと思ったら、親近感が湧いてきて。「幕末日本探訪記」という、英国生まれのプラントハンターが日本の文化や社会を観察した体験記が紹介されていたのですが、実際に購入して楽しく読みました。
ガーデニングを始めたばかりの頃はインターネット上の情報や書店で見つけた園芸書を頼りにしていましたが、思うようにいかないことが多く、失敗を通して学ぶことの方が多かったかもしれません。例えば、ホームセンターで土や肥料を選ぶときも、どのような時期や植物の状態に合わせて選べばいいのかがわからず、試行錯誤を繰り返す日々でした。
グリーンアドバイザーの資格取得に向けたテキストは、植物の基礎知識編と資料編の2冊に分かれていて、基礎から順を追って体系的に学べたので、土の配合など、今まで困っていたことへの理解が深まりました。
将来的には、植物に関わる仕事を本業にしたいですね。現在は、InstagramなどのSNSを活用して、植物の魅力を発信しているのですが、この活動を通じてより多くの方に植物やガーデニングの楽しさを伝えていきたいと思っています。
また、引き続き、自宅に作っている小さな庭で実験を重ね、将来的には植物、生き物たち、そして人にとっても心地のよい庭を作れるように精進していきたいと思います。
グリーンアドバイザーを受けることで植物についての理解が深まり、上手に育った時の喜びにつながります。資格を取るというよりも、植物を理解するための第一歩として楽しんで受験してみてください。
試験は満遍なく出題されるので、どこが出てもいいようにしっかり資料を読み込んでくださいね!
今回は、グリーンアドバイザーに挑戦した2名の方にインタビューを行いました。受験をきっかけに、さらに植物との暮らしを活き活きと楽しまれているのが印象的でしたね。
今年度のグリーンアドバイザー試験は、2024年4月1日から受験への応募が開始されます。昨年から開始されたCBT方式により、日本全国にある最寄りのテストセンターで受験が可能です。詳しくは詳細記事をご確認くださいね!
詳しくはこちら 》
グリーンアドバイザー認定試験に新方式導入!全国47都道府県・300ヶ所以上にて、コンピューター上で受験が可能に
GreenSnap編集部