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サザンカはツバキ科の花の一種で、品種ごとに10〜4月にかけて花を咲かせます。休眠期に入る植物が少なくない寒い季節に、彩りを添えてくれる数少ない花、といえるでしょう。今回はそんなサザンカの剪定方法をみていきます。
そもそもなぜ、サザンカには剪定が必要なのでしょうか。
サザンカの生長は、ほかの樹木にくらべてゆっくりであるため、急激に枝が伸びて樹形や樹全体のバランスを崩すことはあまりないのです。それでもサザンカは、剪定が必須といわれています。
サザンカに剪定が必要な理由は、枝が密生しやすいから。サザンカに限らずどの樹木にもいえることですが、枝が密生すると風通しや日当りが悪くなったり、枝どうしが風に吹かれて触れ合うことで傷つけあってしまったりする原因になるのです。
サザンカの剪定をするときは、柄の長い刈り込みバサミがあるとやりやすいでしょう。剪定バサミでは高い場所の枝を整えることが難しくなります。
また、サザンカを植えている地面が平らで硬く、安定しているなら、四脚の脚立もあるといいでしょう。
サザンカの剪定時期は、花が終わったあとの2〜4月頃です。品種によって花の終わりの時期は異なるので注意しましょう。ただし4月に入ると害虫の動きが活発になります。できれば4月に入る前にサザンカの剪定は終わらせましょう。
逆に、サザンカの花が咲く前の時期には、剪定はしてはいけません。特に花芽が付く時期に剪定してしまうと、花のつきが悪くなりますので注意しましょう。
サザンカの剪定方法はいくつかありますが、今回は「透かし剪定」の仕方についてご紹介します。
透かし剪定とは、密生している枝や伸びすぎた枝を選んで切り落とし、樹木全体で枝と葉のバランスを整える剪定方法です。透かし剪定をすることで、樹形のボリュームを抑えることができます。
透かし剪定を施すことで、枝と枝の間に風が通る空間をつくることができ、風通しがよくなります。また枝ひとつひとつに十分な養分を行きわたらせる効果もあり、樹木全体の生育環境が大幅に改善できるのです。
透かし剪定は、樹木の下から上方向に向かって剪定していきます。下から上方向に向かって剪定を進めることで樹木全体のバランスがとりやすくなり、自然な形に仕上がります。枝を切るときは手前から切るのではなく、幹に近い奥の枝から切りましょう。
日の当たり方によって枝の生長に差が出ているときは、込み合っているところを重点的に剪定し、樹形を整えます。
先端から幹方向(内側)に向かって生えていたり、地面方向(下方向)に生えていたり、あるいは真上に向かって生えていたりする枝は剪定するべき枝です。根元から切り落としましょう。
4月に入り気温が上がってくると、サザンカの枝は込み合い、葉が重なったところにチャドクガなどの害虫が卵を産む可能性が高くなります。
チャドクガについては毒針を持っているため、剪定作業をする際には特に注意が必要です。ただし、チャドクガの幼虫は葉の裏側に潜んでいることが多いため、目視では発見しずらいもの。剪定をする際は、必ず軍手などをはめて行ってください。
なお、チャドクガの幼虫および成虫を発見したら、殺虫剤をかけるか枝ごと切り落とし、2重にしたポリ袋へ入れ処分してください。
サザンカの剪定で失敗しないためのポイントは、剪定時期を見極めることにあります。
サザンカは寒い時期に花を咲かせてくれる貴重な植物のひとつです。次の年も引き続き花を楽しむために、花を減らさない剪定をしたいもの。花を減らさない剪定のポイントは、剪定の時期を間違えないことに尽きます。
樹木のバイオリズムは人間がコントロールできるものではありません。人間が樹木のバイオリズムに合わせて手入れをする必要があります。
サザンカについては、寒すぎる時期の剪定はよくないので、気温が低く乾燥している日本の気候では、寒すぎる時期の剪定は切り口が傷む原因となります。花が終わったからといって、急いで剪定をしないように注意しましょう。
サザンカは生垣にもなる身近な樹木です。庭に植えれば冬に鮮やかな彩りを添えてくれるでしょう。生長するにしたがってそこそこに高さが出る樹木のため、時にはプロの手を借りて剪定する方法もあります。脚立などを使って剪定できる間はぜひ、自分の手でサザンカの剪定にチャレンジしてみませんか?
GreenSnap編集部