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夏の時期に白色の花をたくさん咲かせるクサギは、観賞用として庭木や鉢植えなどで育てられます。秋には青紫色の実を付けて冬には落葉するので、一年を通して楽しめる植物です。
ここでは、クサギの特徴や食べ方、そして育て方などについて詳しく紹介していきます!クサギをこれから育ててみたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
クサギはシソ科(クマツヅラ科)クサギ属に分類され、中国や日本などアジアに分布する落葉小高木です。漢字では「臭木」と書き、クサギの枝を折ったり葉を摘むと悪臭を放つことから名付けられたといわれています。
クサギの匂いの感じ方は個人差がありますが、カメムシの匂いに例えられることが多いです。国内では全国の山野に自生し、暑さや寒さ、そして乾燥した環境にも強い植物です。
クサギの樹高は2~6m程度、葉の大きさは約8~15cmで、葉の縁はギザギザしていて冬の時期になると落葉します。
クサギは、7~8月頃にかけて白色の小花を数多く咲かせます。両性花ですが自家受粉しない構造になっているので、アゲハチョウなどが蜜を吸うことによって受粉の手助けをしてくれています。
クサギは秋になると青紫色の光沢がある実がなり、実の周りには赤いガクが付くことも特徴の一つです。色鮮やかな実は鳥が見つけやすいためだと考えられていて、ヤマガラやムクドリなどの鳥がクサギの実を食べてフンを落とすことで別の場所に種が撒かれていきます。
クサギの葉には特有な匂いがありますが、現在でも一部の地域では郷土料理や茶葉などで使用されています。特有な匂いはクサギの葉を茹でることでなくなるのでほんのりした苦みがアクセントになり、炒め物や天ぷら、みそ汁の具などにしておいしく食べられます。
クサギの葉を食べる地域は限られていて、とくに岡山県ではクサギ菜飯が代表的な郷土料理です。
クサギの葉や根の部分は古くから薬用として使われ、リウマチや下痢などに効果があるとされています。また、高血圧の予防や利尿作用などもあり、体内をすっきりさせる効果がある植物です。
その他、クサギの実の部分は昔から染料として使われ、クサギの実を収穫して煮詰めることで綺麗な藍色の染料が作れます。
クサギは自然に樹形が整うので手間がかからず、初心者でも育てやすい植物です。クサギは日なたの環境を好みますが、株元が日陰になるような半日陰の場所でも育ちます。
地植えの場合は根付いた後は水やりする必要はありませんが、鉢植えでは土の表面が乾いたらたっぷり水やりしましょう。ただし、水やりし過ぎると根腐れなどの原因ななるため、水やりの量には注意してください。
クサギはあまり土を選びませんが、庭木として育てる場合は空気を多く含み水はけがよい土がおすすめです。鉢植えのクサギは市販の培養土でも十分育ちますが、赤玉土や川砂などをミックスすることで水はけがよくなります。
クサギは生長が早く樹形の形は整っていますが、そのままにしておくとどんどん伸びていきます。そのため、樹高が2mほどになれば剪定の目安と考えて最適な方法で剪定しましょう。
クサギは寒さに強い植物ですが、寒冷地では地植えよりも鉢植えで栽培することをおすすめします。寒い地域で育てると寒さが原因で根が枯れてしまうことがあり、最終的には株全体が枯れてしまいます。そのため、鉢植えで育てる際は、寒い冬の時期は室内に移動させて管理しましょう。
クサギには、「運命」「治療」という花言葉があります。
クサギ属の学名は「Clerodendrum」であり、運命という意味があることから運命という花言葉が付けられました。
また、治療という花言葉は、クサギの花や葉の部分は昔から薬用として使用されていたことが由来とされています。
クサギは花の観賞も楽しめますが、葉は食べることができて根の部分は薬として使うことができます。さらに、実は染料としても使えるのでさまざまな役割がありますね。
クサギは一部の地域で郷土料理などで食べられていますが、クサギの葉の食べ方はインターネットなどで調べればたくさんあるのでご自分でも作れます!
クサギの葉や根には栄養が豊富で健康にもよいので、機会があればご自分でクサギを料理してみるとよいかもしれません。クサギの実を使った染物も難しくないので、ご興味があればクサギ染めにも挑戦してみてはいかがでしょうか。

GreenSnap編集部