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フィンガーライムは、世界的に人気が高まっている柑橘系の果物です。とても珍しい植物なので、名前を聞いたことがない方も多いのではないでしょうか。
フィンガーライムは育てやすく、葉からも柑橘系のよい香りがします。観葉植物として楽しむのも、果実として栽培するのもおすすめの植物です。
今回はそんなフィンガーライムの育て方をご紹介します。
フィンガーライムとは、オーストラリア沿岸が原産の珍しい果物です。別名「森のキャビア」とも呼ばれる高級食材で、皮を割るとプチプチした美しい果実が溢れ出てきます。
オーストラリアでは古くからジャムなどにして食されてきた果物でしたが、その美しい彩りと食感に目をつけたグルメ通の間で人気に火がつき、世界的な高級食材となりました。
フレンチやイタリアンに使用されるのはもちろんですが、爽やかな味と香りが和食にも合うとされ、今では日本食のレストランでも使用されています。
フィンガーライムは野生種に近いため病害虫に強く、枝のどこを切ってもすぐ復活するので初心者にも育てやすい植物です。しかし、寒さには強くありません。
露地栽培ができるのは関西より南の温暖な地域に限られています。軽い霜に耐えられるレモンが栽培できる地域であれば、屋外栽培でも大丈夫でしょう。
一時的に氷点下になっても大丈夫ですが、「霜に当てないこと」と「冷たい風に当てないこと」の2点がとても大切です。冬は室内に入れてあげましょう。
フィンガーライムは日当たりのよい場所か、半日陰に置いてあげましょう。日照が不足すると実つきが悪くなります。真夏の強い日差しや西日に当たると痛んでしまうので、注意してください。
フィンガーライムは強風にも注意が必要です。フィンガーライムの枝には細かい棘があり、風に揺られると自分の実を自分のとげで傷つけてしまうことがあります。風が強いときは、室内に置くか、支柱や風よけをつけてあげましょう。
フィンガーライムは、弱酸性で水はけがよく肥沃な土を好みます。赤玉土3:腐葉土7で調合しましょう。
フィンガーライムは、5月〜9月に肥料をあげてください。化学肥料を施すと、肥料焼けしやすい傾向があります。成長期に入る頃、骨粉入りの油カスなどの有機肥料を控えめに施しましょう。一般的な柑橘類の30パーセント程度の肥料で問題ありません。
落果を防ぐため、花が咲いてから実が1cm以上になるまでは施肥しないようにしてください。環境が厳しければ厳しいほど、子孫を残そうとして実をつける傾向があります。
フィンガーライムは乾燥に強い品種ですが、夏場は土がカラカラに乾かないように注意してください。土の表面が乾いてきたらたっぷりと水やりをしましょう。葉に勢いがなくなれば水をたっぷりあげるようにし、夏場は一日に数回水を与えてもよいです。
また、乾燥に強い反面、過湿には弱いので水を与えすぎると根腐れを起こしやすくなります。適度に水やりをしましょう。
フィンガーライムを植えている鉢の下から根が出てきたら、ひと周り大きなポットに植え替えてあげましょう。
フィンガーライムの剪定は、樹木の高さが2m以上になってから行います。幹が完全に茶褐色になっている場合は枯れているので剪定してください。枝が多く小さな森のように成長するので、風通しがよくなるように剪定してあげましょう。
剪定時期は開花直前の3月頃がおすすめです。寒い時期に剪定すると枝が枯れてしまうリスクがあるので、暖かくなってきた時期に行います。
植えてから最初の3年は成長が遅いですが、それ以降は鈴なりに実をつけます。実が多すぎる場合は、間引くと実の大きさを調整できます。
柑橘類は、ミカンハダニやミカンサビダニ、チャホコリダニの被害が多いです。また、梅雨の時期には、イモムシやナメクジに注意が必要です。
ダニの被害に遭うと葉が黄色く変色して落葉してしまうので、葉の小さなフィンガーライムにはかなりの悪影響を与えてしまいます。殺ダニ剤やマシン油、天敵農薬を使って被害を抑えましょう。
フィンガーライムを増やし方は接ぎ木が適しており、4月〜9月に接木で増やすのがとても簡単です。穂木は先端から15cm〜20cm取ってください。台木はカラタチを使用するのがよいでしょう。
フィンガーライムは挿し木でも増やせますが、根がつくのにとても時間がかかるので、苗を購入するか接ぎ木にするのがよいでしょう。
フィンガーライムは四季成り性を持つので、春から初夏に開花し、さらに夏〜秋にも開花することがあります。収穫のタイミングは、開花してから5ヶ月後です。
フィンガーライムの果実を食べたあとの種から発芽させることができます。種の周りには発芽抑制物質がついているので、ヌメリがなくなるまでしっかり水洗いし、乾燥させて冷蔵庫で保存します。5月頃に種まきをすると、約1ヵ月で発芽します。
フィンガーライムはまるくプチプチした粒状の果肉です。粒はしっかりとしていて指でつまんでもつぶれず、歯で噛んだ時に初めて弾けます。香りや酸味は刺激が強いわけではなく、柔らかい味なので様々な料理やスイーツに使いやすい食材です。
フィンガーライムの実は優しい酸味と香りがするので、サラダや魚介、お肉にもよく合います。握り寿司の上やお刺身、魚介のマリネなどにトッピングすると、見た目も美しく料理の味を引き立ててくれます。
フィンガーライムの苗は、接ぎ木用であれば4千円程度、ある程度成長した大きな苗であれば6千円〜1万円程度です。苗は、ホームセンターやインターネットで販売されているので探してみましょう。珍しい品種なので、少し高額ですね。
フィンガーライムは、品種によって果肉の色が異なります。ピンク系、レッド系、グリーン・クリスタル系などの色がありますが、原種も含めると200以上の種類があると言われています。今回は、有名な品種を少しだけご紹介します。
薄茶色の皮に真っピンクの果肉が特徴の品種です。
緑の皮にライトグリーンの果肉が特徴の品種です。
濃い茶色の皮に赤く大きめの果肉が特徴の品種です。
薄緑の皮に黄色っぽい果肉が特徴の品種です。
赤い皮に赤い果肉が特徴の品種です。
フィンガーライムは高級レストランで使用される珍しい果物ですが、ポイントを押さえれば自宅でも比較的簡単に栽培ができます。
実った果実をサラダやデザートの上にトッピングして、プチプチとした爽やかな酸味を楽しんでみましょう。
GreenSnap編集部