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フィンガーライムは世界的に人気が高まっている柑橘系の果物で、とても珍しい植物なので、名前を聞いたことがない方も多いのではないでしょうか。
フィンガーライムは育てやすく葉からも柑橘系のよい香りがし、果実として栽培しながら観葉植物として楽しむのものもおすすめです。今回はそんなフィンガーライムの育て方をご紹介します。
フィンガーライムとは、オーストラリア沿岸が原産の珍しい果物です。別名「森のキャビア」とも呼ばれる高級食材で、皮を割るとプチプチした美しい果実が溢れ出てきます。
オーストラリアでは古くからジャムなどにして食されてきた果物でしたが、その美しい彩りと食感に目をつけたグルメ通の間で人気に火がつき、世界的な高級食材となりました。フレンチやイタリアンはもちろん、爽やかな味と香りが和食にも合うとされ、今では和食レストランでも使用されています。
フィンガーライムの植え付けは、3〜4月または6月が適しています。幅1m、深さ50cmほどの植え穴を掘って、根鉢を崩さないように植え付けてください。
フィンガーライムは野生種に近いため比較的病害虫に強く、枝のどこを切ってもすぐ復活するので初心者にも育てやすい植物です。
しかし、寒さには強くありません。基本的に鉢植えで育てて冬は室内に入れてあげましょう。露地栽培ができるのは関東以西の温暖な地域に限られています。
軽い霜に耐えられるレモンが栽培できる地域であれば、屋外栽培でも大丈夫ですが、一時的に氷点下になっても「霜に当てないこと」と「冷たい風に当てないこと」の2点がとても大切です。
フィンガーライムは日当たりのよい場所か、半日陰に置いてあげましょう。日照が不足すると実つきが悪くなります。真夏の強い日差しや西日に当たると痛んでしまうので、注意してください。
また、フィンガーライムは強風にも注意が必要です。フィンガーライムの枝には細かい棘があり、風に揺られると自分の実を自分のとげで傷つけてしまうことがあります。風が強いときは、室内に置くか、支柱や風よけをつけてあげましょう。
フィンガーライムは、弱酸性で水はけがよく肥沃な土を好みます。赤玉土6:腐葉土3:川砂1の配合土がおすすめです。
フィンガーライムは適度な湿度を好みます。鉢植えの場合は、土の表面が乾いてきたらたっぷりと水やりをしましょう。水切れに注意し、夏は一日に2回水やりをしてもよいです。
地植えの場合は、葉が垂れていればたっぷり水やりしましょう。
フィンガーライムの植え替えは3〜9月が適期です。鉢底から根が出てきたら、ひと回り大きい鉢に植え替えましょう。
柑橘類は、ミカンハダニやミカンサビダニ、チャホコリダニの被害が多いです。また、梅雨の時期には、イモムシやナメクジに注意が必要です。
ダニの被害に遭うと葉が黄色く変色して落葉してしまうので、葉の小さなフィンガーライムにはかなりの悪影響を与えてしまいます。殺ダニ剤やマシン油、天敵農薬を使って被害を抑えましょう。
フィンガーライムは、5〜9月に骨粉入りの油かすを与えてください。化学肥料を与えると肥料焼けしやすいので避け、油かすの場合も一般的な柑橘類の30%ほどの量を施します。
落果を防ぐため、花が咲いてから実が1cm以上になるまでは施肥しないようにしてください。環境がある程度厳しい方が、子孫を残そうとして実をつける傾向があります。
フィンガーライムの剪定時期は開花直前の3月が適しており、樹木の高さが2m以上になってから行います。
幹が完全に茶褐色になっている場合は枯れているので剪定してください。また、枝が多く小さな森のように成長するので、風通しがよくなるように剪定してあげましょう。
このほか、植えてから3年ほどまでは成長が遅いですが、そのあとはたくさんに実をつけます。実が多すぎる場合は、摘果することで実を大きく育てることができます。
フィンガーライムの収穫時期は10〜3月頃です。
四季成り性を持つので、春〜初夏と夏〜秋に開花します。開花してから5ヶ月後に果実が収穫できます。完熟すると果皮が少し柔らかくなってツヤが出ます。
フィンガーライムは接木で増やすのが一般的です。フィンガーライムは挿し木でも増やせますが、根がつくのにとても時間がかかります。
フィンガーライムの接木は、4〜9月が適しています。穂木は先端から15〜20cmの長さ切り取って、カラタチを台木として使用しましょう。
このほか、フィンガーライムの果実を食べたあとの種から発芽させることができます。種の周りのヌメリがなくなるまでしっかり水洗いし、乾燥させて冷蔵庫で保存します。5頃に種まきをして、約1ヵ月で発芽します。
フィンガーライムの実がなるまで、苗木を植え付けてから3〜6年ほどかかります。
フィンガーライムは、品種によって果肉の色が異なります。ピンク系、レッド系、グリーン・クリスタル系などの色があり、200種類以上あるといわれています。
薄茶色の皮に真っピンクの果肉が特徴の品種です。
緑の皮にライトグリーンの果肉が特徴の品種です。
濃い茶色の皮に赤く大きめの果肉が特徴の品種です。
薄緑の皮に黄色っぽい果肉が特徴の品種です。
赤い皮に赤い果肉が特徴の品種です。
フィンガーライムは高級食材として人気のある珍しい果物ですが、受粉の必要がなく、剪定もかんたんなのでポイントを押さえれば自宅でも比較的簡単に栽培ができます。
フィンガーライムの粒状の果肉はとてもしっかりとしていて、弾けたときにさわやかな香りと柔らかい酸味が広がって、様々な料理やスイーツのアクセントにぴったりです。ぜひ自宅でフィンガーライムを育てて、収穫して楽しんでみましょう。

GreenSnap編集部