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山草の一覧

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ピラカンサ バラ科トキワサンザシ属の常緑低木。ピラカンサはトキワサンザシの仲間の総称で、日本では主にトキワサンザシ、ヒマラヤトキワサンザシ(別名 カザンデマリ)、タチバナモドキの3種類がピラカンサと呼ばれている。雑種も多く、識別するのが難しいケースもある。いずれも一年中細い枝に艶やかな濃緑色の小さな葉をつける。花期は5〜6月。木に雪が降り積もったように白い花が枝を埋める。秋から冬にかけて枝がたわむほど果実が実る。果実は偏球形の偽果(ナシ状果)。美味しそうに見えるが毒があり、まとめて食べれば鳥も毒にあたる。3種類とも耐寒性、耐暑性に優れ剪定にも耐える。 名前は属名の音読み。属名はpyro(炎)+acantha(刺)の合成語。果実の熟した鮮やかな果色を炎にたとえ、枝に刺があることを表す。 3種類の違いは次の通り。 常磐山査子(トキワサンザシ) ・西アジア原産で明治時代中期に渡来した ・赤い果実は扁平で小さめ ・葉は靴べら形 ヒマラヤ常磐山査子(別名 花山手鞠カザンデマリ) ・ヒマラヤ原産 ・赤い果実は3種類の中で最も大きい ・葉は細長い 橘擬(タチバナモドキ) ・中国原産 ・果実は黄橙色 ・果実の色と形がミカン科のタチバナに似るのが名の由来 出典『樹木の事典600種』『葉っぱで見わけ五感で楽しむ樹木図鑑』『樹木 見分けのポイント図鑑』『草木の種子と果実』
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信濃柿(シナノガキ) カキノキ科カキノキ属の落葉高木。中国原産。古く中国から渡来した。昔は柿渋を採る用途で人里周辺によく植えられた。長野県をはじめ各地で栽培され、流失したものが山地などに自生する。葉は互生。葉裏は粉白色で、ふつう無毛。葉柄は1〜3㎝。花期は6月。雌雄異株で、雌花はサーモンピンクで少数咲き、雄花は赤みが強く多数咲き。果実は液果。径1〜2㎝で、秋に黄色くなっても未熟で渋く、冬に霜にあたるとぶどう色に染まり甘く熟れて食べられる。よく似た在来種のリュウキュウマメガキも暖地に自生し、昔は柿渋の原料とされた。 シナノガキは主に柿渋を採ることを目的に栽培されてきた。木工品の盛んな『信濃』は柿渋の産地だったことからシナノガキの名がついた。小柿(コガキ)や豆柿(マメガキ)、ブドウガキの別名もある。 里山には沢山の柿が植えられている。昔は食べるためだけではなく、柿渋を採るためにも柿は身近に植えられた。実の小さなマメガキや、西日本に自生するリュウキュウマメガキの実も同じ用途に使われた。柿の渋はタンニン物質である。未熟な柿を食べると渋み、つまり舌がしびれて麻痺するような感覚を味わう。タンニンは大量に摂ると体に有害に働く。たんぱく質を変性させる作用があるので、舌や食道に直接作用するだけでなく、同時に食べたものに含まれているたんぱく質を変性させて消化しにくくしてしまうため、食事をとっても栄養にならず、やせ細ってしまうことになる。植物がつくりだした動物への対抗手段なのである。柿の渋は、人々の生活には欠かせないものだった。カキやマメガキの未熟な実を臼でつくと、どろどろの液体になる。これを発酵・熟成させたのが柿渋である。防水効果が高く防腐効果もある優秀な塗料であり、昔は木造舟や漁網や和傘をこれで防水し、補強剤としてうちわや家具にも塗った。たんぱく質を変性させる作用を利用して、獣皮の皮なめしにも使われた。柿は用途の広い木だったのだ。 出典『里山の花木 ハンドブック』『秋の樹木図鑑』『樹木の名前』
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石蕗(ツワブキ) キク科ツワブキ属の多年草。海辺の植物で海沿いの崖や岩場に自生するほか、公園、庭園にも植えられる。栽培の歴史は古く江戸時代から人気があった。花の少ない晩秋から初冬にかけて花を咲かせるため今なお根強い人気を誇る。日陰でもよく育つので庭に植えられることも多く、葉に斑が入ったものなど園芸品種も多い。根生葉は長さ10~30㎝の柄があり、葉身は腎心形で厚くて光沢がある。若葉は握り拳のようにまるまり、灰褐色の軟毛をかぶっている。花期は10~12月。葉の間から太い花茎を伸ばし、黄色の頭花を散房状につける。頭花は周りに雌性の舌状花が1列に並び、中心部に両性の筒状花が多数集まる。痩果は長さ5~6.5㎜。冠毛は淡褐色で、長さは痩果と同じかやや長い。 春先の葉が開く前の葉柄は佃煮にして食べられる。乾燥させた根茎を煎じて飲むと健胃、下痢止めに効く。魚中毒のときは生の葉の絞り汁を飲用する。葉にはヘキセナール、タンニン、葉緑素を含む。これには抗菌作用があり、皮膚の炎症を鎮め、傷を快復させる作用がある。カラスは腐った魚を食べたあとにツワブキを突付くという。 名前は、葉に艶があって蕗に似ているため『ツヤブキ』となり、転訛してツワブキになった。 出典『野に咲く花』『散歩の草花図鑑』『薬草の呟き』
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コスモス キク科コスモス属の一年草。メキシコ原産で世界中で観賞用に栽培される。日本には江戸時代末期に渡来したとされ、1842年にオランダ人により渡来した、あるいは1862年に文久遣欧使節が持ち帰ったともいわれる。休耕田や道路沿いに景観作物としても広く使われており、しばしば野生化しているが、害が出るほどの定着や拡大は知られない。全体無毛。茎は直立してよく分岐し、高さ2mに達する。葉は2~3回羽状に細裂し、裂片は線状、柄があって対生する。花期は6~11月。茎の頂が分岐してその先に直径7㎝ほどの頭状花を多数つける。舌状花は先端3裂して大きく10枚前後、白色~淡紅紫色、筒状花は黄色。果実は痩果。線形で長さ1㎝ほど。 秋の花として親しまれ、公園や観光地などで一面のコスモス畑が見られる場所も多い。本来、コスモスは夜の時間が一定以上長くなると咲く短日植物のため、以前は10〜11月の開花が普通だったが、近年は品種改良により6月頃から開花する『センセーション』など早咲き品種が主流。花色は一般に紅色、ピンク色、白色。花色が黄色となる画期的な栽培品種『イエローガーデン』は、1980年代に玉川大学で育成された。複色花として、『あかつき』や『ピコティー』などが知られる。舌状花の花冠が筒状になる『シーシェル』や八重咲き品種、草丈40㎝程度の矮性品種『ソナタ』など、多様な栽培品種が育成されている。 チョコレートを思わせる芳香がある『チョコレートコスモス』の野生種は1970年代に絶滅しており、1902年から、イギリスの王立キュー植物園で保存されていた1個体をもとに栽培が始まった。挿し木などで栄養繁殖され、日本には大正時代初期に導入されている。 『キバナコスモス』はメキシコから中央アメリカ原産で、花色は黄色および橙黄色。 属名 Cosmosは、ギリシャ語 kosmos(飾り、美しい)により、花が美しいことに由来する。和名の秋桜(アキザクラ)は、サクラに似た花を秋に開花させることに由来し、秋の季語として知られる。 出典『日本帰化植物写真図鑑』『帰化&外来植物見分け方マニュアル 950種』『色と形で見わけ 散歩を楽しむ花図鑑』『花の事典 970種』『ボタニカルアートで楽しむ花の博物図鑑』
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石見川(イシミカワ) タデ科イヌタデ属のつる性一年草。道端や田の畦、河原などに生える。茎は長さ1〜2mに伸び、下向きの鋭い刺でほかの草や木に絡みつく。葉は互生し、長さ2〜4㎝の三角形で、葉柄は葉身の基部近くに楯状につく。托葉鞘は鞘状の部分は短く、上部は葉状に広がって円形になる。花期は7~10月。茎の先や葉腋に短い総状花序を出し、淡緑色の小さな花が多くかたまってつく。花序の基部には丸い葉状の苞があってよく目立つ。花冠の裂片に見える肉厚の萼片はほとんど開かない。径は3〜4㎜で5裂する。萼は多肉質になって痩果を包み、直径約3㎜の球状になる。色は緑白色から紅紫色、青紫色へと変化する。痩果は黒色で光沢がある。 名前の由来にはいくつかの説がある。 ①現在の大阪府河内長野市の近くに石見川村があった。江戸時代中期の『倭訓栞』によると、薬草『杠板帰』としての本種は、石見川村のものが良質だったので、イシミカワと呼ぶようになった。 ②江戸時代中期の『和漢三才図絵』によると、イシミカワのつる葉は、骨折の場合に膠の如く骨を接ぐ。骨を石の如くつけるので『石膠』。石膠が『いしみかわ』に訛った。 ③石のようにかたい果実に皮があることから。 出典『野に咲く花』『野草の名前 秋』『里山のつる性植物』
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雀瓜(スズメウリ) ウリ科スズメウリ属のつる性一年草。原野や水辺などに生える。葉は長さ3〜6㎝、幅4〜8㎝の三角状卵心形で、しばしば浅く3裂する。葉と向かいあって巻きひげがつき、この巻きひげで他の草などに絡みつく。花期は8~9月。雌雄同株。雄花、雌花ともに葉腋に単生するが、枝先ではときに雄花が総状につくこともある。花のすぐ下に丸い緑色の玉があるのが雌花。雄花は雄しべだけ、雌花は雌しべだけしかない。果実は液果。球形または卵形。細い果柄にぶら下がり、灰白色に熟す。種子は楕円形で平たく、両面に楕円形の浅いくぼみがある。果実に種子は16〜20個。秋になるとつるが垂れ下がり、地中にもぐって肥大した塊根をつくって越冬する。この特性はカラスウリやアマチャヅルにも見られる。 果実がカラスウリに比べて小さいことが名前の由来。果実をスズメの卵に見立てたという説もある。昔の人は、植物の名前をつける時、よく知っている動物の名前を借りてつけた。特に、大きさの大小を表すことが大切な時は、名前だけで大きさが想像できる動物を選んだ。それが、スズメウリに対するカラスウリである。スズメとカラスは果実や草姿の大きさを示す名前であった。 出典『野に咲く花』『夏の野草』『四季の野の花図鑑』『草木の種子と果実』『野草の名前 秋冬』
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柿(カキ) カキノキ科カキノキ属の落葉高木。東アジア原産。奈良時代に中国から渡来したと考えられ、古くから果樹として栽培される。葉は光沢がある卵形で、秋に紅葉する。角斑落葉病や円星落葉病の斑点模様がよく入る。花期は5~6月。新枝の葉腋に花がつく。花は淡黄色で先は4裂し外側べ反り返る。雌雄異花。雌花は1個ずつつき、雌しべは1本、退化した雄しべが8本。雄花は雌花の半分くらいの大きさで、雄しべだけが16本ある。雌花の萼は緑色で大きく目立つが、雄花の萼は小さくて目立たない。果実は液果。秋に赤く熟す。種子の周りがゼリー状なのは、哺乳動物の歯や大型の鳥の嘴をすり抜けるための工夫。 柿は大別して野生種の『山柿』と『栽培品種』に分けられる。栽培品種は1000種類以上あり、『甘柿』『渋柿』に分けられる。柿には渋みがある。これは果肉に含まれる可溶性タンニンによるもので、甘柿と渋柿の両者とも、幼果期の果実はこれを含んでいるため渋みがある。 『甘柿』は樹上の果実が成熟する過程で、可溶性タンニンが不溶性タンニンへと変化し、成熟期には渋みを感じなくなる品種群である。また、果肉に生じる『ごま』はタンニンが不溶性になったあと酸化したものである。この甘柿には、成熟すると常に甘みを呈する品種群(完全甘柿)と、種子の有無と多少が可溶性タンニンの不溶化に影響する品種群(不完全甘柿)とがある。後者は、果実が完全に甘柿になるには数個以上の種子が必要である。甘柿の代表品種は富有、太秋、次郎など。 『渋柿』は成熟しても可溶性タンニンを含むため、そのままでは食べられない。食用とするためには人為的な処理によって可溶性タンニンを不溶性に変えねばならない。その方法がアルコール脱渋法(酒精による渋抜き法)や炭酸ガス脱渋法である。種子がなくても果実が発育する平核無(ひらたねなし)と愛宕を除き、他の品種では種子ができなければ果実が発育しないので受粉が必要となる。渋柿の代表品種は平核無、愛宕、蜂屋など。 柿のタンニンはたんぱく質と結びつく力が強いため、日本酒をつくる際の清澄剤(澱引き)として利用される。また、未熟な果実は柿タンニンを豊富に含み、柿渋と呼ばれる液体の原料になる。柿渋には防腐作用があり、染料や塗料として利用される。昔は木造舟や漁網や和傘をこれで防水し、補強材としてうちわや家具などにも塗った。たんぱく質を変性させる作用を利用して、獣皮の皮なめしにも使われた。柿の皮を生ゴミに入れておくとにおいを消すという。柿の実は昔から酒の酔いを醒ますという。 名前の由来は諸説ある。秋になると橙赤色の大きな果実を多数つけ、紅葉する。この『赤き実』『赤き葉』が由来とする説。朝鮮語『kam』がKat→Kalk→Kakiと変化した説。果実がカガヤクからカキに省略変化した説。材がかたいのでカタ木→カキに変化した説。果実をとる時に枝が欠けやすいので、カケル木→カキに変化した説など多数ある。 出典『食材図典』『葉っぱで見わけ五感で楽しむ樹木図鑑』『里山の花木 ハンドブック』『薬草の呟き』『樹木の名前』
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秋明菊(シュウメイギク) キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草。人里近くの林縁に生え、庭にも植えられる。古い時代に中国から入ってきた栽培品が野生化したと考えられる。高さは50~80㎝。根生葉は3出複葉で長い柄がある。小葉は3~5裂し、不揃いの鋸歯がある。茎葉は2~3個が輪生し、上部のものは小さく、ほとんど無柄。花期は9~10月。花は直径約5㎝で、花弁はない。萼片は約30個あり、外側のものは厚くて淡緑色を帯び、内側のものは紅紫色または白色の花弁状。花は変化が大きく、一重で萼片が5枚程度のものもよく見られる。結実することは稀で、地下匐枝を出して殖える。 全草に毒成分のプロトアネモニンを含む。花を傷つけたときに出る汁に含まれており、局所刺激作用があって、発赤、発疱、化膿などの皮膚炎を起こす。この花に触れるときは手袋を使ったほうが良い。田舎では家畜が食べてしまい、胃腸障害などの中毒症状が多発しているため、ウシゴロシの別名もある。 スコットランド出身の植物学者で、プラントハンターのロバート・フォーチュン(1812〜80)により、1844年(明治年)に上海からイギリスに導入された。1847年にはタイワンシュウメイギクとの交雑育種が始まり、多くの栽培品種が作出された。現在、シュウメイギクの名前で流通している栽培品種は雑種起源のものである。 鎌倉~室町時代初期に中国から渡来したと推定される。中国へ渡航した修行僧が出身寺院への土産として持参した。寺院に届けられたシュウメイギクは美しく、日本にはないので『黄泉の国』の秋咲きキクの意味の『秋冥菊』とつけた。その後、『冥』が『明』になった。別名の貴船菊(キブネギク)は、かつて京都の貴船に野生化したものが多かったことによる。名前に菊とあるがキク科ではなく一輪草(イチリンソウ)の仲間。英名はジャパニーズ・アネモネ。属名 Anemoneは、ギリシャ語のanemos(風)に由来し、風が吹いた時に花が開くと信じられていたことに由来する。 出典『野に咲く花』『薬草の呟き』『帰化&外来植物見分け方マニュアル 950種』『ボタニカルアートで楽しむ花の博物図鑑』『野草の名前』
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