「なんか、ワシら、ちっとも変化せんなー」



「花も全然咲きそうな素振りもないしな」



「咲かないハゲは、ただのハゲやなー」



「そういえば、ハゲで思い出したけど、

うちのハゲたおっさんがついに、

嫁さんに愛想つかされたらしいで」



「マヂか！！　どうしたんや？」



「なんかな、昨日、

ハゲの嫁さんが急に

今度の３連休の真ん中の日、

一人で東京に行くって言い出したんな。」



「なにそれ

めっちゃおもろそうな展開やん！」



「せやろー。

サボフレームのサボたちもみんな、

壁にくっついて耳ダンボよ。



ハゲは、

嫁に突然そんな事言われたもんだから、

飲んどったピルクル、

気管に入って死ぬほどむせとるしw」




「40過ぎおっさんのピルクルよだれは

絵的に放送禁止やろーww」




「でな、ハゲがオロオロしながら、

蚊鳴くみたいなか細い声で

「東京、何しに行くの」って聞いたら、
　
　嫁が、マッツに会いに行くって答えんねん　」



「え？　あの女装家の？」



「それはミッツ・マングローブ


ミッツちゃう、マッツ。


マッツ・ミケルセンっていう映画俳優や


嫁さん、昔から好きらしいんやけど、

なんかやっこさん、ちょうど来日しててな。

一緒に写真撮れるイベントがあるから

17000円もするチケット買うたんやって」



「ハゲに向かって公然とウキワ宣告！！

ハゲ、終わったな」



「もうな、

　涙目で、

「お、おぅ。気をつけてね」

っていうのが精一杯


あとで嫁が寝た後、

顔写真印刷して、

目と鼻に画鋲刺しとったで (￣∀￣) 」



「小学生か！！


炎上するからやめとけって」



「また、
　
　あのハゲ、

余計なことあれこれ考えて、

　ただでさえ薄い頭、

さらにハゲ散らかすんとちゃいますのん？」



「つるっ禿げになったら、

さすがにかわいそうやから、

ワシらの仲間入れてやるかー」