とある雪に閉ざされたペンションにて
社員旅行中の従業員たち


恵比寿部長「そろそろ飯らしいけど、
白馬(しろうま)はどうした？」

光堂「なんか体調がすぐれないって、
着いてすぐ部屋に閉じこもっちゃって」

部長「なんだ、だらしないな。
じゃあ、光堂
おまえ、ちょっと呼んできてくれ」

光堂「了解っす」


・・・数分後、ペンション中に響き渡る悲鳴


光堂「うわぁぁぁあ、大変です部長」

恵比寿部長「どうした？ 何があった？」

光堂「し、白馬が、し、死んでます！！」


湧き上がる悲鳴

その他社員「えええ～　誰が殺ったんだ！！」

部長「なんだって！！　白馬が首を切られて死んでるだって！！」


・・・



光堂「あれ？ 部長。
白馬が首を切られてるとか言ってないのに、
なんで知ってるんですか？」


一同「・・・」


部長「しまったぁ。バレてしまったかぁ。

そうだ、俺が白馬を殺ったんだ。

白馬のやつ、
いつも俺のこと見下ろすように立ちやがって、
高い身長で俺のこと威圧してくるんだ。

　　 ずっと我慢してたのに、バスの中で、
「恵比寿部長なんて、手足も出ない万年チビ」
なんて言われて
ついカッとなっちまって、手が出てしまい、

　　 二人で揉み合ってるうちに、
たまたま手に持ってた剪定ばさみで
首を切り落としてしまったんだよ」


光堂「部長、動機とかそういうのはまぁ、
どうでもいいんですけど、
　　　出落ちはダメっすよ、出落ちは。

　　　探偵役が、「身体は子供」とか
「じっちゃんの名にかけて」
　　　とかの決めセリフすら言えなくって、
すっかり拗ねちゃったじゃないすか。

　　　とりあえず、これじゃあ、締り悪いんで、
　　　死体発見のところから、やり直し

はい、戻って戻って」


部長「お、おう」


白馬 城(しろうま じょう) 首切り殺人事件

( END )