白山吹(シロヤマブキ)

バラ科シロヤマブキ属の落葉低木。中国地方などに自生するがまれで、庭木や公園樹として植えられる。花期は4～5月。葉が山吹(ヤマブキ)によく似ていて、植え込みに使われる低木で、枝が緑色(本種は1年目の枝のみ緑色)も共通するが、ヤマブキの花が黄色なのに対して本種は白い。花色だけでなく、ヤマブキの花弁がバラ科基本の5枚なのに対し、本種は4枚。葉のつき方がヤマブキは互生、本種は対生という点が決定的な違い。果実は痩果。黒くて光沢があり、ヤマブキの果実が5個つくのに対し、本種はふつう4個つく。4つずつかたまってつくので四つ目ともいわれる。

シロヤマブキはヤマブキに似ているが、日本がまだ江戸時代だった19世紀、シーボルトとツッカリーニによりシロヤマブキ属として独立した。ヤマブキに似ていて花が白いことが名前の由来。白い花が咲くヤマブキもあり、シロバナヤマブキという。混同することのないよう注意が必要。

出典『葉っぱで見わけ五感で楽しむ樹木図鑑』『都会の木の花図鑑』『草木の種子と果実』『樹木の名前』