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醜男さんの菩提樹,ボダイジュ,雑草の投稿画像

2024/06/18
菩提樹(ボダイジュ)

アオイ科シナノキ属の落葉高木。中国原産で寺院などに植えられる。葉は先が鋭く尖り縁に鋸歯があり、裏面に灰白色の毛が密生する。基部がやや左右非対称になるのが特徴。花期は5~6月。香りの良い淡黄色の花が長い柄の先に10〜20個ぶら下がって咲く。花弁は5枚で直径1㎝。果実は堅果。球形で表面にも毛があり秋に熟す。丸い果実の中に硬い種子が1個入る。葉に果実がつくように見えるが、葉ではなくヘラ状の総苞で、中途まで果序の柄と癒合している。総苞は1〜3個の果実をぶら下げたまま風に飛ばされ、ヘリコプターのようにくるくる回って落下する。

ボダイジュの『ボダイ』はサンスクリット語で悟りを得たことを意味する『bodhi(ブーディ)』に漢字を当てはめたもの。仏教では、釈迦は熱帯の木であるクワ科インドボダイジュの下で瞑想していて悟りを得たとされる。インドから中国に仏教が入った時、中国には同じ樹木がなかったため、葉の形が似ている本種で代用した。それが日本に伝わり、日本でも寺に植えられるようになった。18世紀に記された『大和本草』によると、宋に留学した栄西が天台山のボダイジュを持ち帰り、香椎宮に1190年に植えたという。

釈迦ゆかりの木としてよく寺院に植えられるが、仏教三霊樹の菩提樹とは別種。また、種子から数珠を作るのに使われるのはホルトノキ科のジュズボダイジュ、シューベルトの歌曲『菩提樹』に登場するのはセイヨウボダイジュで、いずれも別種である。同属でよく似た科木(シナノキ)は山野に生え、公園や街路樹としてよく植えられ、蜜源植物にもされる。長野県には古くからシナノキが多く、信濃という言い方はシナノキを産する野の意味ともいわれる。

出典『樹木の事典 600種』『葉っぱで見わけ五感で楽しむ樹木図鑑』『身近な草木の実とタネ ハンドブック』『樹木の名前』

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