昼顔(ヒルガオ)

ヒルガオ科ヒルガオ属のつる性多年草。日当たりの良い野原や道端などに生える。地中に白色の地下茎をのばして殖える。葉は互生し、長さ5〜10㎝のほこ形〜矢じり形で、基部は斜め後方に張り出すが、裂けない。花期は6～8月。葉腋から長い花柄を出し、淡紅色の花を1個つける。花柄に翼はない。花冠は直径約5㎝の漏斗形。萼は卵形の大きな苞に包まれている。ふつう結実しない。種子生産に頼らず、地下活動で繁栄を手にした。農薬を撒くと消えたように見せかけつつ、別の場所から茎を立ち上げる。

朝顔の花は7〜8月の場合、午前4時半頃に開花し、昼前にしぼんでしまう。朝だけは花はしっかりしているので『朝顔』の名前がある。朝顔に対して『夕顔』というのがある。夕顔はウリ科でカンピョウの原料である。カボチャの花に似た白い花を夕方に咲かせて翌朝しぼむ。『夜顔』というのがヒルガオ科にある。夜顔はシロバナユウガオともいう。朝顔形の白い花を夕方に咲かせ、翌朝しぼむ。これら朝と夜に咲く花とは異なり、昼間咲くのが本種である。午前10時頃に開花して、夕方にしぼむ。昼間はしっかり咲くので『昼顔』の名前がある。

出典『野に咲く花』『帰化＆外来植物見分け方マニュアル 950種』『野草の名前 夏』