黄菖蒲(キショウブ)

アヤメ科アヤメ属の多年草。ヨーロッパから西アジアにかけての原産で、明治時代末期に花卉として導入され、日本産の花菖蒲(ハナショウブ)にはない純黄色の花が好まれ、また、強健なことから全国各地で栽培され、湖・川岸などで逸出、野生化している帰化植物。地下に横走する太い根茎をのばし、長さ1.5mほどの濃緑色、無毛で線形の葉を多数そう生する。花期は5～6月。葉とほぼ同高花茎を出し、よく分岐して先端に数個の黄色の花をつける。花は直径約8㎝、外花被片は大きく開出し、内花被片は小さくて直立する。花期は5～6月。花後に三角柱形の果実。咲いた花全部が結実するのではないかと思えるほど、沢山の果実がなる。果実は三角状の楕円形で中に種がぎっしりとつまっている。熟すと3つに裂ける。

黄色いアヤメに似た花が咲くので『黄』がつく。『ショウブ』の名前は、平安時代に神事に菖蒲(アヤメ)が使われていたことに由来する。

出典『日本帰化植物写真図鑑』『春の野草』『野草の名前』