西洋柊(セイヨウヒイラギ)

モチノキ科モチノキ属の常緑小高木。成長すると15mほどになることもある、通常は森林の下層低木として、あるいは生垣や庭園で見ることのほうが多い。葉の縁に棘状の鋸歯があり、若い木は鋸歯が多いが老木は少ない。花期は4～6月。香りのある小さな白い花が集まって咲く。花弁は4枚。緑色の子房の先に柱頭がある。雌雄異株だが両性花をつける雌株も多い。雌株は11～12月に赤い実をつける。クリスマスホーリーとも呼ばれ、欧米では近縁のアメリカヒイラギとともに聖なる木としてクリスマスの飾りに使われる。イギリスの多くの地域で、西洋柊を切り倒すと不幸がもたらされると信じられている。

ヒイラギは、葉の鋭い刺に触れると痛みを感じることから、古語でひりひりと痛むことをいう『ひひらく』『ひひらぐ』の関連する名前とされる。『ひひらぐ木』が変化したとも、『ひひらぐ』の連用形が名詞化したともいう。ヒイラギの漢字に柊の字を当てるのは日本のみで、『ひひらく』に柊の字を用いたことと関連するとみられる。

出典『樹木の事典600種』『150の樹木百科図鑑』