休日に100円均一DAISOで何気なく買って、ずっとそのままにしていたネームプレートを使って植物達の名前を書いて刺す！

平凡な休日。平凡な日常。



中古ＤＶＤやゲームソフト、さらにＣＤにマンガ、フィギュアまでを格安に揃えた中古専門ショップ『リバティ』という店がある。

比較的 家から近いこの店は、売場スペースが広く 品揃えも豊富。深夜１時まで営業し、まさに私にとって宝の山と言って良いだろう。


しかし！私は、家の近所にあるこの店で、アンビリバボーな事件に巻き込まれる事になるのだった！！


私はTSUTAYAでDVD一本借りて、その足で『リバティ』に向かった！

もちろん、何か欲しい訳では無く、
ただ何となく寄りたかっただけだったんだ。



Σしかし！！！！


この『何となく寄りたかった』が、私を未曾有の恐怖に叩き落とす事になる！！！



ワクワクしながら店内へ入る、

午後１１時４０分…


その瞬間だった！！！！


ピローン！ピローン！ピローン！！！


Σ！！！！！！！！！！！！！！！！！


強烈な警報音が店内に鳴り響き！入口に設置してある防犯装置のサイレンが赤く点滅する！！！

一斉に店内の従業員はおろか、客までの視線が入口に立つ私に突き刺さった！


Σちょっと待て！！

俺はまだ来たばかりだ！！

何もやっちゃいねぇ！！！


というサッカー選手バリの無言のアピールをしていると！！



『すみません………』


という！笑顔爆発！スマイル０円の店員が登場する！


『もしかしたらお客様、レンタルDVDとか御持ちですか？』と聞いてきた！


そうか！！！！確かに俺は！！！！！！



Σ確かに俺はレンタルしている！！！！


笑顔で『しています』と！！

『これが鳴ったのはレンタルDVDを持っていたからです』と訴えるかのごとく！！

多少周りに聞こえるように応えた！


『それでは、お帰りの際に御返ししますので、こちらで預からせて頂きます』

と店員が にこやか に対応する。



『ああ、分かりました。』


私はカバンを探りながら、レンタルしたDVDを出そうとした刹那！

その手は凍り付き動きを止めた！！



くそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ！


おのれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ！


何故！俺は！！！


何故！！


『レズれ５』 と言う露骨な題名をレンタルしてしまったんだぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！


！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！

よりによって、このジャンル！熟女や女子高生なら一般層に需要はあるし、ＡＶでもメジャーとして確立！


確かにコーナーは存在している！！


存在はしているが！！！！

このジャンルだけ少し違う！！

決してNo.1にはならない！！！


そう！！


もっともっと特別なオンリーワン！！！！


！！！！！！！！！！！！！！！！！！！


手を止めたまま、『やっぱり今日は良いです』と笑顔で帰るべきか…。

いや！！！逆に『こいつエロいの借りていて出せないんだ』と店員に思われるに違いない！！！


攻撃は最大の防御なり！！！！

それにDVDは白いビニールに入っている！

これなら大丈夫！強気で出すしかなかろう！


そう覚悟した私は店員に袋のまま突き出した。


店員は にこやかに【ブツ】を受け取り、

『それではココに ご記入お願いします』

と用紙を差し出した。




日付……




自分の名前……




作品名………




電話番号……









Σ作品名！！！！！！！！！！！！！！！



おお、神よ・・・

もしも私に呪文を唱える力があるのなら今すぐ唱えたい！！



『メガンテ！！』と！！



仕方なく日付と名前と電話番号だけ書いて提出する。



店員は受け取り 一通り見た後に、おもむろに渡したDVDのビニールをとろうとした！！



いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！


ドンストッ！！


ドンストップ！ミュウゥゥゥジック！！！


ビニールから取り出された【ブツ】を確認し、店員は作品名をササッと書き足した！



『それでは帰りに声をかけて下さい』


と氷の微笑で語る店員！！！！




すみません！！！！！！！！！！！！！

いっそ！この場で僕を殺して下さい！！！



今すぐ店から飛び出して！盗んだバイクで走り出したい衝動にかられるも、預けた手前 帰るに帰れない状況。


仕方なく数分 店内を回り


『やっぱ、欲しい物ないや』的な！！

そんなリアクションをして帰ろうと秘密のDVDを預けたカウンターに戻る。



しかし！！！


しかし！神は、私に更なる試練を御与えになる！



！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！


店員が女性に代わっている！！！



ドゥドゥドゥドゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ！

（↑注意：ベートーベン）


レジの彼女が再びに彼に変わる瞬間を見逃すものか！！と、チェックし回り続けること約一時間！！！


後ろめたさと恥ずかしさから、パッケージと背表紙の説明書きから選び出した一本のPSPのソフトを購入！！


（↑のちに強烈なクソゲーだと判明する）



ようやく変わった彼に、

『あっ、先程DVDを預かって貰ったんですが……』

と紳士的に対応する。しかし！！！


しかし！！それに反して私の耳だけは、異常に赤く 太陽のように燃えていた！！！






こうして今日も、大人のプライドは守られたのだった！！！





終わり