赤芽柏(アカメガシワ)

トウダイクサ科アカメガシワ属の落葉高木。山野の明るい雑木林や河原などに生える。伐採地や崩壊地にいち早く育つパイオニア植物。出てくるのが早いだけでなく生長も早いが、衰えるのも早く、寿命が短い傾向がある。葉は互生し、倒卵形または浅く3裂して長い葉柄がある。葉の基部に1対の蜜腺がある。花期は6～7月。雌雄異株。雄花も雌花も花弁がない花を枝先に穂状に咲かせる。雄花は多数の雄しべがつき、香りが強い。雌花は3つの柱頭が目立つ。果実は蒴果。刺状の突起がある三角状扁球形で径8㎜ほど。果序に多数つく。秋に褐色に熟すと3〜4つに裂けて種子を出す。種子は赤色の染料に使われる。

名前の『アカメ』は、春の新芽の鮮やかな赤い色のこと。『カシワ』は食物を盛る葉という意味があり、かつて柏と同じように食物を載せる皿に利用したことに由来する。今日でも神仏の供え物に用いる地方もある。

出典『樹木の事典600種』『葉っぱで見わけ五感で楽しむ樹木図鑑』『里山の植物 ハンドブック』『薬草の呟き』