醜男さんのタムシバ,田虫葉,噛柴の投稿画像

132人がいいね！

投稿の削除

この投稿を削除しますか？

2022/02/17

田虫葉／噛柴(タムシバ)

モクレン科モクレン属の落葉高木。山の斜面や尾根に生える。よく似た辛夷(コブシ)とは地域や環境ですみ分けている。関東平野にはコブシがあってタムシバはなく、東海地方の丘陵地や四国にはタムシバがあってコブシはない。葉は細身で葉先にかけて狭くなる。裏面に毛がある。花期は4～5月。葉が展開する前に開花し、芳香がある。花弁はふつう6枚、白色の萼片が3枚あり、これも小形の花弁のように見える。雄しべが赤褐色を帯びる。袋果の集合果は秋に熟すと裂け、赤い種子が白い糸状の珠柄でぶら下がる。よく似たコブシは花の下に1枚の葉がつくが、タムシバにはつかない。

葉や枝を噛むと甘味と爽やかな香りがあり、かつて山仕事の合間に噛んだので、『噛む柴(雑木のこと)』と呼ばれ、転訛したのが和名の由来。枝葉の芳香が良く、コブシにも似るのでニオイコブシの別名もある。枝葉を蒸留し芳香成分を抽出してアロマ製品などに利用する。

出典『里山の花木ハンドブック』『葉っぱで見わけ五感で楽しむ樹木図鑑』『樹木見分けのポイント図鑑』『樹木の名前』