唐楓(トウカエデ)

ムクロジ科カエデ属の落葉高木。中国原産。江戸時代の享保年間に徳川幕府への寄贈品として渡来した。乾燥や大気汚染などに強く丈夫で、生長が早く、葉が赤や黄色に紅葉し美しいので街路樹に多く使われる。街路樹本数はイチョウ、サクラ、ケヤキ、ハナミズキに次いで第5位。3つに裂ける葉は単純な形で、三行脈が目立って覚えやすいが、切れ込みの深さや縁には変異がある。花期は4～5月。枝先に淡黄色の小さな花をつける。1つの花序に雄花と両性花が混じって咲く。果実期は6月。翼果は無毛。果翼は鋭角に開く。翼の幅はやや広い。

中国から渡来したカエデなので、中国を意味する唐を重ねてトウカエデの名がついた。葉がほぼ三角形であることから、中国名は『三角楓』という。植物分類上ではカエデとモミジは区別していないが、盆栽界では区別されていて、イロハモミジなど葉が5つ以上に裂けている掌状のものをモミジと呼び、3裂のものをカエデと呼ぶ。

出典『葉っぱで見わけ五感で楽しむ樹木図鑑』『草木の種子と果実』『都会の木の花図鑑』