根無葛(ネナシカズラ)

ヒルガオ科ネナシカズラ属の1年草。草地や道端の薮、草地などに生える。つる性の寄生植物で寄主はあまり選ばず様々な植物に寄生する。葉緑素を持たず、根もない。種子の発芽直後は根があるが、他の草に巻きつき寄生根と呼ぶ突起のような根を挿入して養分や水を吸収すると、やがて地面に接している部分は枯れて地面から離れてしまう。そこからネナシカズラの名が付いた。葉は退化して細かな鱗片状。花期は8～11月。長さ数ミリの小さな白い花が穂状に多数集まり茎の途中につく。花冠は上部が5裂する。雄しべは短く花柱は1本。果実は蒴果。径約4㎜の卵形で、はじめ先端に花冠が残る。熟すと横に裂けて種子を出す。種子は半円形や楕円形。


よく似た亜米利加根無葛(アメリカネナシカズラ)との違いは次の通り。

ネナシカズラ
・在来種
・蔓が太くて黄褐色でふつう紫褐色の斑点がある
・花序は総状にのびて穂状となる
・5本の雄しべが花冠より短い

アメリカネナシカズラ
・帰化植物
・蔓がオレンジ色～淡黄色
・花序は穂状にならずに固まってつく
・雄しべが花冠から長く飛び出す

出典『里山の植物ハンドブック』『四季の野の花図鑑』