珍しくBusu母が小さな私をオズの魔法使いのミュージカルに連れて行ってくれた。もしかすると、それが私を洗脳することに全力を尽くしていた彼女の人生最大の失敗だったのかもしれない。バブル絶頂で油断したのだろう。
私はその時、人生で初めて物語というものに対して鼻血が出そうになるくらい強烈に熱狂した。内気だった私が終演後、フロントで観客に見送りをしていたキャストのドロシーにサインまでもらいに行った記憶が残っている。
成人後、本家のジュディガーランドのビデオも買ったが当時と印象はそこまで変わらなかった。日本人が演じても捻じ曲げられないくらい、脚本に完成度がある。
不思議の国のアリスに対するアンチとして緻密に作ったのだと思われるが、ラスボスのインチキ詐欺科学者ozは小津(安二郎)ではとの噂。しかし、真相に迫るほどこの島ではラスボスがozなのか黒魔女なのか分からなくなる。
私は現状既にこの島には、レベルの差はあれど99%ネトウヨの黒魔女(Busu)しかいないのだと結論している。上位男性陣はかなり前からこの件にはどうにもお手上げし話題にする事すら止め深い傷となり諦観の境地にいる。しかしイスラム教のように明確にルール化された強制力があるわけでもない。
どう考えたらいいのか分からない。
逃げる選択肢もない日本人女である私は、約束された滅びが来る日を上位男性陣のようにじっと待っていれば良いのか。彼らの深い憎しみ、諦めや鬱をひしひしと感じて悲しくなる。私は違う、とずっと証明したいと思ってきた。
だが、仮にどこか遠くへ逃げたとしても、人間とは老い、死の前には必ず精神は郷土に帰るものだ、きっと彼らは早くからその事実に向き合っているのだと思う。
Busuにはなりたくないが、諦観も出来ない私にはずっと居場所がない。しかし、様々な事情でそんな人々は世界には無数に存在する。今食べられているだけで十分に幸せだ。
この島の事情が極めてレアケースだ、というだけの話である。
...
自分の考えの終着が見えない。

1/27/21