そこにあったから事件


高校入学直後からバイトをしていた私は、とある関東ではあまり知られていないレアなコンビニで働いていたことがある。
店長は一応居るのだが、私より5歳くらいの年上でその辺り一帯の大地主の娘(また)Mが実質仕切っていた。
以前登場した、時空を超えた私の初恋(?)相手ゲス極のあいつ似の自称ヤンキーSの影響でタバコを吸うようになっていた私は、いつも控え室の机の上にタバコを置いていた。ある日、タバコは大嫌いと普段から豪語していたMが私の目の前で、北の国からの小説を片手に、無言で机のタバコを一本取り出し当たり前のように吹かし始めた。私のだとは気がついていなかった様子。
「あ、それ...私の、 」
Mは顔色一つ変えずに平然と言い放つ。

「そこにあったから」

うん、またしても時空に歪みが生じる。
私は二の句を失った。
もうこういう奴らの何もかもを通報したい。
時空破壊罪だ、ちなみにSも無論地主周りである。

まだ植えてないバコパことステラ。
さすがに寒くてお花は咲かないけど葉だけでもなんとなく絵になるし花期も長い多年草で根も虫にも強くて、基本私は小花はあまり好きじゃないのに久々に何故か気に入った。調べたら神経や脳細胞に効くとか。やっぱりか。元々身体に敏感な私は何となく直感で分かる様になってきたのだ。植物に罪はないが毒草やあまりに棘や趣味が悪いもんってのは健康に悪いんだ。