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テラリウムにも使われる苔は、コケリウムという言葉が生まれるほど、実は人気な植物です。ここでは、苔の育て方の基本をご紹介していきます。苔は種ではなく胞子で増える植物ですが、どうやって植え付けて増やすのでしょうか。これから苔を育ててみたい方はぜひご参照ください。
苔とは、植物1つの呼称ではなく、コケ植物に分類されるものの総称です。「コケ」とひと口にいっても、さまざまな植物が存在するのです。
苔は胞子で繁殖する植物で、苔はとても種類が多く、2万種近くあると考えられています。さまざまな場所で自生することが可能で、温暖な地域はもちろんのこと、熱帯地域や高地でも見られます。
苔というと湿度の高いところに生息しているイメージですが、日の当たる乾燥した環境を好む苔もいます。
苔の育て方は、「水やり頻度を調整すること」が大切です。
苔の種類によって、乾燥しないように育てる苔と、ある程度乾燥させて育てる苔があります。どの苔も蒸れには弱いので、水やりは早朝、もしくは夕方以降の涼しい時間帯で行うようにします。
日々、苔が蒸れていないか、変色していないか、とこまめにチェックしてあげましょう。
スナゴケやスギゴケ、ハイゴケなどは風通しが良く日光のあたる場所で管理し、しっかり乾燥してから水やりをします。これらの種類は湿度が高い状態が続くとすぐに変色してしまいます。
自然界の苔は自然に発生しますが、自宅で楽しむ場合は植える必要があります。
植え方は「張り苔法」と「移植法」の2パターンがあります。
張り苔法とは、シート上にした苔を土に押しつけて固定させる方法です。
張り苔法はシート状の苔を押しつけるだけなので、均等に植え付けられ、見た目も綺麗に仕上がります。かんたんな方法なので初心者の方におすすめです。
シート状の苔の上から目土を行うとより定着しやすくなります。目土とは、細かい土や砂を苔の上からふりかけて、苔と苔の隙間に土を入れます。土が重しになり、また土の保水力により生育が促進されます。
苔の移植法は数本にまとめた苔を土に差し込むようにして植える方法です。
植物の挿し木と同様の感覚で植えつけられます。移植法は張り苔法と比べると手間がかかりますが、移植法ならしっかりと土を植え付けられるので、苔がしっかりと定着するという特徴があります。
苔はの多くの種類が、ある程度暗い場所に自生します。
直射日光が長く当たる場所では、苔が傷みます。とわいえ、全く光が届かないところでは徒長をおこしたり十分に生育することができません。
明るめの室内、またはレースのカーテン越しなどで育てるのもいいでしょう。直射日光にあてる必要はありません。
苔の生育に必要な光量は「読書ができるくらい」の光量で十分だと言われています。リビングの蛍光灯の光や窓から自然に入ってくる程度の明るさであれば十分に育ちます。
苔はジメジメした場所に生えるイメージがある通り、多くの苔は湿度が高いところを好みます。
あえて加湿器を使用する必要はありませんが、乾燥してきている場合は水やりすることを心がけてください。
また、苔は気温25℃前後を好みます。苔は特に暑さに弱く、夏場、室内の温度が30度を超えるようであれば、エアコンが効く涼しい場所に移動させましょう。
また、5度以下になると苔の生長が悪くなるのでご注意ください。寒い屋外で育てている場合は室内に移しましょう。
苔は基本的に湿気を好みます。特に、苔を植え付けてから約2ヶ月間は、乾燥しないよう、水切れに注意しながら水やりをします。
植え付けてから2ヶ月以上経過したあとは、2〜3日に1度の頻度で、様子を見ながら水やりをします。
また、夏は苔が蒸れやすくなるので、水やりは早朝か夕方以降にしましょう。
日々、苔が乾燥していないか、蒸れていないか、変色していないか、とこまめにチェックしてあげましょう。
苔の種類、管理の仕方によって必要な水やりの頻度は変わります。スナゴケ、スギゴケ、ハイゴケなど乾燥を好む苔は風通しの良い場所で2~3日に一度の頻度で水やりをしましょう。ホソバオキナゴケ、シノブゴケ、コツボゴケなどはガラス容器の中で1日に1~2回程度の頻度で水やりをしましょう。
植え付け方法でご紹介した「張り苔法」で増やすことも可能です。育てていた苔をシート状にして、別の場所に用意した土に張り付けてください。
張り苔法の場合は目土をすることで生育を促すことができます。
苔を小さくほぐして、それを種のようにして土にまく方法です。
少量の苔でも増やすことができ、地面に苔をまくことも可能です。ただし、風で飛ばされることがあるため、保水性のよい土を入れたトレイで発芽させてから植えると良いでしょう。
まいた場所で苔がイチから成長していくので、他の増やし方よりも苔が馴染みやすく生育がよくなります。
移植法は、まず苔を小分けにすることから始めます。小分けにした苔を土に直接植えて増やす方法が移植法です。
苔を長い間室内やガラス容器内で育てていると、風通しが悪くなり、カビが発生したり、苔が傷んでしまうことがあるので気をつけてください。
カビが発生した場合は、カビが付着している苔を取り除き、少し換気をするとよいでしょう。ときどきカビが発生していないか、苔が変色していないかをチェックしましょう。
蜘蛛の巣のような白い糸上のカビが発生することがあります。カビをそのままにしておくと周りの他の苔にもカビが移ってしまいます。カビを発見した時は速やかにカビ部分の苔を取り除くようにしましょう。
苔は胞子で増える隠花植物であり、花が咲くことはありません。花から種を採取するわけではないので、苔の増やし方はほかの植物と変わって独特です。
苔の胞子は「朔(さく)」と呼ばれる袋状になった部分に格納されています。朔がはじけ、中の胞子が飛び出し、周りの土に付着することで苔は増えていきます。タマゴケなど可愛い形をした朔をつける種類もありますので、どんな朔がつくのかを想像しながら育てるのも、苔の楽しみ方のひとつです。
苔はかわいい見た目をした植物です。水に濡れてつやつやしている苔の様子はきれいにも見えますよね。苔を土に直接植えるのもおすすめですが、テラリウムにして楽しむのもインテリアとしていいですよ。
苔は乾燥や蒸れにだけ注意すれば、初心者の方にも育てやすい植物なのでぜひお迎えしてみませんか。
苔屋のAkinobu
GreenSnap編集部