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腐葉土は、野菜や植物を育てる上では欠かせない園芸資材です。簡単な作り方で自作もできるので、作り方や使い方を覚えると、より園芸や家庭菜園を楽しむためかもしれません。
今回は腐葉土の作り方や使い方、腐葉土を使う目的や効果使い方など、腐葉土全般についてご紹介します。
腐葉土とは、植物が育ちやすいように土の状態を改良してくれる「堆肥」のひとつです。広葉樹などの落ち葉を微生物が細かく分解することで腐葉土ができます。
腐葉土は赤玉土などの基本用土に混ぜて植物の培養土として使うのが一般的ですが、あくまで改良用土であって、腐葉土自体に栄養効果はありません。
腐葉土を基本用土に混ぜることで、土の中の微生物が増えて、土壌の栄養分を増やす効果があります。また、保肥性も高まるので、痩せた土を蘇らせてくれます。
落ち葉が不揃いな形・大きさに分解された腐葉土は、土の中でほどよい隙間をつくりだすので、新鮮な空気や水を適度にためて、適度に流していきます。
腐葉土は保温効果があるので、マルチング剤としても使うことができます。防暑・防寒対策にも有効ですし、雑草・泥はねの防止にもつながります。
腐葉土とよく混同されがちな培養土ですが、培養土とは「植物を育てるのに適した配合の土」のことであり、腐葉土は培養土を配合するときによく使われる堆肥のひとつです。
腐葉土と培養土はまったく意味合いが異なるので、別物と分けて考えるようにしましょう。
1㎡にこんもりと山盛りになるように落ち葉を集めて、バケツ1杯ほどのたっぷりの水と、発酵促進剤となる米ぬかを1〜2つかみふりかけます。
全ての落ち葉が均等にしっとりと濡れるまで、よく混ぜましょう。
先ほどの落ち葉を厚手のビニール袋(40Lサイズ)にギュウギュウにつめます。ビニールは透明でもいいですが、黒い方がより太陽の光を吸収して早くできあがります。
落ち葉をつめたら、ビニール袋の両端を3cmほどを三角形にカットしましょう。適度な酸素が入ることで発酵がよく進みます。
ビニール袋の口はゆるめに縛り、直射の当たらない日当たりのいい場所におきましょう。ビニール袋の上からときどき揉み込んだり、乾いていたら水をそそいでください。
2〜3ヶ月ほど同じように管理し、小枝を折って切断面が黒っぽければ完成です。夏場は比較的速く、冬場は比較的時間がかかります。
腐葉土は落ち葉からつくりますが、どの樹木の葉でもつくれるわけではありません。腐葉土に向いている葉と、不向きな葉があるので、下記を参考にしてみてください。
適した葉 | クヌギ、ナラ、ケヤキ、ポプラなどの広葉樹 |
不向きな葉 | サクラ、カキ、イチョウ、モチ、クスの広葉樹、スギ、マツ、ヒノキ、カヤ、コニファーなどの針葉樹 |
腐葉土は、赤玉土などの基本用土や、畑などの土に混ぜることによって、土壌の性質改良ができます。そのため、花壇やプランター栽培の培養土にはもちろん、家庭菜園の土作りや観葉植物の土としてもよくつかわれています。
プランターの場合、配合は赤玉土6〜7:腐葉土4〜3が基本です。水やりの頻度が高い場合は、基本用土5:腐葉土5、水やりの頻度が低い場合は基本用土6:腐葉土2:バーミキュライト2などがおすすめです。
畑や庭土をたがやすときは、庭土1㎡あたり2kgの腐葉土が目安です。めんどうであれば、掘り起こした庭土の3〜4割程度の分量をすきこんでおくといいです。
腐葉土をマルチング材として使う場合は、植物の株元に、深さ5〜10cmほどに腐葉土を盛ってください。このとき土と混ぜることはせず、マルチング剤としての役割を終えたら、土の状態をみつつすき込むといいでしょう。
良質な培養土にはチッソなどの肥料分がバランスよく含まれています。あまりにも価格が安い培養土の場合は栄養価が低い・ほんものの土が含まれていないなどの場合もありますので注意しましょう。
品質のいい腐葉土は、土っぽい匂い、キノコ系の匂い、香ばしい匂いがします。石灰窒素で強制発酵させた粗悪品は酸っぱい香りがします。また、握ってみて軽くほぐれるような手触りのものや、葉の形が少しだけ残っているものを選ぶといいでしょう。
また、市販品であれば信頼できるメーカーや実績のある生産者の腐葉土を購入することも大切です。販売者情報が明記されている製品を選ぶようにしましょう。
腐葉土づくりの途中や、買ってきた腐葉土に白っぽいふわふわとしたカビのようなものが発生しますが、これは糸状菌(カビ)のであり、放線菌で好気性の有用菌です。糸状菌の一部は腐葉土の分解には欠かせないので、発生したからといって品質に問題があるというわけではありません。
人やペットにも無害ではありますが、直接触るとまれにカビることがあるので注意しましょう。
腐葉土の代わりに使える堆肥はいくつかありますが、腐葉土とは異なる効果や特徴を持つので、下記を参考にしてみてください。
どの用土にも言えることですが、腐葉土がもつような保水性・排水性・保肥性を改善する効果は、永久には持続しません。
とくにバーク堆肥よりも土壌の中で分解されやすいので、効果は比較的早く失われていきます。
そのため、鉢植えやプランターであれば1〜2年に1回の植え替えで、新鮮な腐葉土が配合された土に入れ替えたり、地植えであれば定期的に土にすきこむことで、土壌改善効果を持続させます。
観葉植物の培養土によく使われている腐葉土ですが、室内で育てていても虫がわいてしまう原因のひとつが土、とりわけ腐葉土の性質にあります。
腐葉土には豊富な有機物がふくまれているため、その有機物を好むコバエなどの虫が発生し、卵をうみつけてしまうのです。
腐葉土から虫がわいてしまうのを防ぎたい場合は、表土2〜4cmを有機質を含まない用土(赤玉土や鹿沼土)で覆ってあげるといいでしょう。
腐葉土は、冬になるとよく公園や至る所でみかける落ち葉でつくれます。購入するとだいたい1袋20Lで約700〜1,000円ほどにもなるので、大量に使うときは自分でつくれたら経済的にも、環境的にもいいですね。
腐葉土の作り方・使い方をおさえて、より素敵なグリーンライフを楽しんでみてください。
七尾びび
GreenSnap編集部