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so.ra
so・raの小さな物語 ** たぬき桜 ** その 50 🌱書きかけ🌱 🐄 🏷️たぬき桜 🏷️so・raの小さな物語 🏷️健太の冒険 🏷️GS繋がりに感謝
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so.ra
so・raの小さな物語 ** たぬき桜 ** その 49 健太は高校一年生になった。 お世話になっているお茶屋さん夫妻はとても気さくな人で、我が子のように健太を可愛がってくれた。 お茶摘みや草刈り、夜はお茶の袋詰めなど健太は何でもできることを進んで手伝った。どんな仕事も手を抜かず丁寧にこなす健太は可愛がられ、仕事の覚えが早くて助かると、月に数万円のお小遣いまで貰ったのだった。 健太はそのお金で衣類や学用品、参考書を買い、残ったお金で、2ヶ月に一度の帰省時に両親へのおかずなどを買って帰った。 健太の帰りを待つ両親に、高校での生活や、日々の生活のようすを話し、母の手料理を食べる時間が健太の大きな楽しみだった。 高校の近くには立派な図書館もあり、健太にとっては天国のような環境だった。本をむさぼるように読み、勉強にも集中して取り組んだ健太の成績は、高校でも首席になった。 一方一彦は、 健太の父が撃たれた事件以来、その原因を作ったのは一彦だと、村中からの風当たりが強くなった。それでも一彦の家は兼業農家だったので、健太の家のように収入が激減することはなく、村人との付き合いは疎遠になったが、普段通りの生活が続いた。そんな中、一彦は健太たち家族の困窮ぶりを目にする度に、自分のせいだと心を痛めていた。 そして、そんな氣持ちをふりきるように、一彦は部活の野球に打ち込み、ピッチャーとしてめざましい活躍をして数年ぶりの県大会出場に貢献した。そんな一彦に、数校から高校入学を誘う申し出があり、スポーツ推薦で村から遠く離れた高校へと進学していった。 健太と一彦、それぞれの道は離れたが、心の中では互いのことを思い、元気でいるかなと案じていたが言葉を交わすこともなく、2人の一年があっという間に過ぎていった。 🌱写真は大好きなアガパンサスの花です。夏が終わり、花後につけた実も落ちて、今は茎だけがひよろっと名残を惜しむように、風に揺られています。 🐄 🏷️たぬき桜 🏷️so・raの小さな物語 🏷️健太の冒険 🏷️GS繋がりに感謝
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so.ra
so・raの小さな物語 ** たぬき桜 ** その 48 動物病院には、大きな樹の写真が、 額に入れて飾られていた。 この樹は、ラクウショウって言うんだ。湿地に植えると、幹の周りに呼吸のための呼吸根(気根)が出てくる不思議な樹だ。健太くんは、なんで湿地に植えると気根が出てくると思う? 環境にあってて、どんどん増えようとしてるから? 健太が答えると、先生は笑っていった。 ハハハ、その逆だよ。 気根はね、根っこが水びたしで呼吸が苦しくて苦しくて「呼吸するため」に出したものなんだよ。 僕らは普段植物も呼吸してるって、あまり意識してないけどね。 植物は、僕らが呼吸するための酸素を作ってくれるだけじゃなくて、自分でも幹・枝・根などの表面全体で呼吸しているんだよ。そして、ラクウショウは、湿地に生えると土の中の酸素が不足して息ができなくなるから、地上の酸素を吸うために、根の一部を地上に出して呼吸しようとするんだよ。凄いだろ。 樹は土から根っこを出したら枯れてしまう、だから絶対根っこを出せないと思ってたら、根腐れして枯れてしまう。そんな植物がほとんどなのに、土の上に根っこを出して息をしようとする発想、凄いと思わないかい?誰かに教えられた訳じゃない。ギリギリの状況で、自分の常識を打ち破って自分を生かす挑戦をするんだ。 僕はね、限界を感じる度に、限界を超えろ!って、このラクウショウを見て自分に呼びかけるんだよ。そうやって、この樹に何度も励まされてきた。 先生と樹の写真を見上げながら、健太は、自分の中の常識になってる限界を超えるかぁ…と思いをめぐらせていた。 その時、マリさんがコーヒーを持って、診察室に入ってきた。 あらあら、今日は2人でシリアスな顔をして鑑賞会? 笑うマリさんに、 そうだよ。男として人生をどう生きるか、話をしてたんだよなぁ、健太くん。 先生が健太をみて笑い、いつものように診察室に笑いが広がった。 そして、コーヒーを飲み終わると、真顔になって先生が健太にたずねた。 ところで、君の進路の話なんだけど、家を借りる話はその後どうなった? 健太が、まだ全然あてがないと答えると、それならと先生が話を切り出した。 実は、知り合いで君の希望している高校の近くに住んでおられる方がいてね、優秀なんだけど、経済的な理由で進学を断念するかも知れない子がいる、どこか格安で良い物件があったら紹介してほしいと話してみたんだ。そしたら、自分の家に使わない部屋があるから、使ってもらって良いと、ありがたい申し出を貰ったんだよ。家賃はただで、食事もつけると。その代わり、家業の仕事を少し手伝って欲しいそうだ。 健太は、目を輝かせて言った。 先生!凄いや!家賃も食費もなんとかなるなんて!夢みたいだ。 あっ…でも仕事の手伝いって、何なんだろう。重労働?なのかな? 健太がおずおず尋ねると、先生は笑っていった。 お茶屋さんなんだよ。 だから、収穫期はお茶摘みなんかを、それ以外は、草むしりや、お茶の袋詰めなどを頼みたいそうだよ。 それなら、できそうだ! 健太が満面の笑みで答えると、 それは良かった!と先生も笑顔になった。 実はね、君と話をした何日かあとに、君の父さんが相談に来られたんだよ。君を高校に行かせてやりたいが、住む家の家賃を払うのが難しそうだと。それでも、もしもの時は田畑を手放してお金を作ることになっても、高校だけは行かせたい。せめて、少しでも家賃の安い物件を知っていたら教えてほしいと、それは真剣に頼まれてね。 僕も力になれればって、心当たりに当たってみたんだ。 先生の話に、健太は目頭があつくなった。 道が開ける! 高校に行けるかもしれない! その喜びと、両親や先生や部屋を貸してくれる方の思いが、ありがたくて、ありがたくて、溢れる涙を腕でぬぐうと、健太は深々と頭を下げた。 先生、ありがとうございます。 今日帰ったら父に話をします。 僕、頑張ります! よろしくお願いします。 そんな健太の肩を叩いて、 なっ!道は開けるんだよ!と 先生は嬉しそうに笑った。 健太は両親と話し合い、高校に合格したらお茶屋さんの家にお世話になる事になった。 息子が使っていた部屋だが、もう遠い所に住んでて使わないんだよ。久しぶりに賑やかになって嬉しいよ。お茶屋さんは、そう言って健太を喜んで迎えてくれた。 そうして、無事に高校に合格した健太は、奨学金をもらい、お茶屋さんの家から高校に通う高校生活が始まった。 🌿写真は新宿御苑のラクウショウです。氣根を痛めないように、木道が敷かれています。紅葉の季節はとても綺麗です。とても素敵な場所なので、機会がありましたらぜひ会いに行ってみてください😊。 🐄 🏷️たぬき桜 🏷️so・raの小さな物語 🏷️健太の冒険 🏷️GS繋がりに感謝
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so・raの小さな物語 ** たぬき桜 ** その 47 その夜、健太は、学校でのこと、獣医の先生と話したことを両親に伝え、進学をどうするか悩んでいると伝えた。 父は、静かに腕組みをして聞いていたが、奨学金を借りれば学費は何とかなるやも知れんが…高校はここから通える距離ではないからな、と言うと、しばらく考えていた。 それでお前は、どうしたい? 父の言葉に、健太は思った。 本当は 進学したい! 獣医になりたい! そう答えたら、両親は無理をしてでも、高校に行くお金を工面してくれるかもしれない。 でも…それで良いんだろうか? 両親が辛い思いをして支えてくれてる姿を想像するだけで、健太の心は沈んだ。そんな中で…自分だけ夢を追いかけて幸せだろうか?食べるものも慎ましくして、朝から晩まで働く両親の姿を心に浮かべながら、健太の思いは揺れた。 父さん、本音を言えば、高校にすごく行きたい。行ってたくさん勉強して、いつか獣医になる夢に少しでも近づきたい。でも、その為に父さんや母さんに、これ以上頑張らせて大変な思いをさせたくないとも思うんだ。 父さんや母さんが、経済的に無理だって結論したら、僕は中学を出て働こうと思う。そしてお金が貯まったら高校へ行く。高校へ行きながらバイトするからも知れないし、高校を出てから働くかもしれないけど、お金を貯めて大学に行く。何年もかかるかもしれないけど、諦めなければ夢は少しずつ近づいて、きっと実現できるって、今日獣医の先生と話して、今さらだけど氣がついたんだ。何も挑戦してないうちから未来に怖じ気づいて、勝手に絶望しちゃダメだって。回り道の人生は、苦しくて辛い事が多いかも知れないけど、回り道をすることで、たくさん氣づくことがあったり、心が強くなることもあるかもしれないって、それがいつか役立つかも知れないって思うんだ。僕の人生を作るのは僕だ。やってみる価値はあるって思うんだ。 健太が考えながら、ポツリポツリと話す言葉を静かに聞いていた父が、頷くと言った。 わしが知らん間に、お前はしっかり考えられるようになったんだな。 そう言って、父は健太の顔を見た。 お前が獣医になりたいと思うようになって、真剣に勉強に取り組んでいることも知っている。わしらにもっと経済力があったら、お前を悩ませることもなかったと思うと、すまないと思う。だが、わしらとしても、高校ぐらいは行かせてやりたい。 問題は高校に通う住まいを何とかすることだ。安く借りられる方法がないか、知り合いに当たってみよう。 期待させてがっかりさせるかもしれんが、わしらもやれるだけの事をやってみよう。 そう言うと母の方に目をやった。 母も頷いて、諦めなければきっと道は開くと信じて、みんなで頑張ってみましょうと2人に笑顔を向けた。 ありがとう! 父さん、母さん 両親に笑顔を向けながら、健太は両親の愛を感じて胸が熱くなった。 きっと僕の道を見つける! 健太は心で何度も繰り返した。 🌱 写真は新宿御苑の庭園で去年の11月に撮ったものです。加工なしの偶然撮れた不思議な一枚です😊 アオサギをこんなに至近距離で見たのも初めてで…光の中でじっと佇むアオサギの姿が、とても神々しかったです💖 🏷️たぬき桜 🏷️so・raの小さな物語 🏷️健太の冒険 🏷️GS繋がりに感謝
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so・raの小さな物語 ** たぬき桜 ** その 46 健太の話を聞き終わると、先生が静かに言った。 それは、健太くんが、もう夢を諦めるという宣言なのかい?挑戦を受けて立つ前に、環境が悪いからと早々に諦めたいと思ってるのかい? と先生が尋ねた。 明るく見える道と暗く見える道、君はまだどちらにだって進むことができる。たとえ高校に行かないとしても、社会に早く出て社会人として経験を積むことになれば、それはそれで学ぶことは多いと思う。でもそれは、夢を諦めることとは別だよ。 自分の最大の理解者は、いつも自分自身だ。その自分を信じる氣持ち、信じて立ち向かって行こうと思う氣持ち。それが、本当の自信じゃないのかね。こんなに課題が多くて絶対に無理!もう諦めるしかない!そう思う時、自分の力量を越えなくては進めないと思う時、人生に試されているんだよ。そして、逃げていれば、大人になっても形を変えてその挑戦は繰り返すんだ。健太くんは、試される前に逃げ出してしまうのかい? 先生の言葉に、健太はハッとした。 試される前に逃げ出す。そうか、まだ挑戦してもいない。 それに…先生が言うように、自分が夢を諦めたくないと強く思っていることに、健太は改めて氣づいた。 先生、… やっぱり諦めたくない。 そして、まだ何も挑戦していない。 父さんや母さんとも相談して、どうしたらうまく行くか、話し合ってみます。 健太は、顔を上げて、先生の顔を見た。もしも、やるだけやり尽くして高校に行くのが無理だってわかったら、その時は未来に繋がるもっと良い道を探したい! 先生は健太の肩を叩いて言った。 やっと、君らしい言葉が出てきたな。 何か困難があって、人生にくじけそうになった時、一つだけ覚えておくといい。 自分が不幸だと思うことを受け入れると、不幸が終わることになるんだ。それは、不幸を受け入れたからだ。 今は、この言葉がピンと来ないかもしれないが、いつかわかる時が来る。その氣持ちを忘れなければ、きっと自分の進む道がみえてくる。 不幸を受け入れる 自分の進む道か 健太は、帰宅の道すがら、中卒で働いたら?高卒で働いたら?その先にどうやったら獣医への道をめざせるか?と自分の未来を想像してみるのだった。 🐄 🏷️たぬき桜 🏷️so・raの小さな物語 🏷️健太の冒険 🏷️GS繋がりに感謝
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so・raの小さな物語 ** たぬき桜 ** その 45 先生、俺悔しいよ! 父さんも母さんも、朝から晩まで、ほんとに働きづくめに働いている。それなのに、生活は苦しくなるばかりなんだ。仕事を続けるにも生活するにもお金が出ていくばかり。世の中はほんとに不公平だ。 あんなに可愛がっていた一郎も花子も…もういないし。この先、俺が高校や大学に行くお金なんか、あるはずがない。 先生、俺、本当に獣医になりたいって思ってたんだ。 でも でも… もう、諦めようと思う。 諦めて、中学を出たら町で何でも良いから仕事探して働こうと思うんだ。 膝の上で拳を握った健太の眼からは、涙が溢れそうだった。 きむら動物病院は、健太の中学校から遠くない所にあった。夏休みの見学以来、放課後に立ち寄る健太を先生は可愛がってくれ『また、おいで』と氣さくに接してくれていた。時々は、勉強の相談にものってもらい、獣医の先生は今や健太にとって大切な存在になっていた。 夏が終わり、秋が深まっても、健太たち家族への村人の対応は冷たく、バイト先もなくなった健太は、やるせない氣持ちを振りきるように、がむしゃらに勉強に集中し、成績は学年トップになっていた。そして、冬になり野菜の収穫がさらに少なくなると、一層家計は厳しくなっているのが健太にもわかるほどだった そんなある日、健太のクラスでは担任の先生と今後の進路について話合いがあった。 君は成績優秀だから、特待生で奨学金が受けられるだろう。だけど…学費はそれで何とかなるかもしれないが、君の希望を生かす高校は、ずっと離れた町にあるから、そこに住んで通うとなると住居費や生活費も考えなくてはいけないだろう。高校生だから、バイト先もあるだろうけど…厳しい事になりそうだね。親戚とか、在学中だけお世話になれる家とかあると良いんだけど…。ご家族とよく話し合ってみてね。 健太の家庭の事情を知る担任の先生は、奨学金や近隣のアパートの家賃まで調べて、親身に話をしてくれたのだった。 そうかぁ。 学費だけじゃなくて、アパートも借りるようになるのか…。健太は唇を噛み締めた。 そうだ、獣医の先生に、何か道がないか相談してみよう。その日の帰り、健太は動物病院に立ち寄った。 🌱 🌱今日のお花 彼岸花 花言葉 独立 情熱 アガパンサスもヒガンバナ科だったんですね。 今日は、涼しかったですね。エアコン要らず、助かりますね💖このまま秋になるのかなぁ😅 庭に植えた茗荷がやっと🌱を出しそうで、楽しみです(*^^*) 昨日は、洗濯機を一人で移動しました (一人で持ち上げて見たら、できるかもって思って、そうだ!私の体重より軽い洗濯機だもの、できるハズって 😅 成せばなる!為さねば成らぬ! やり遂げました(⌒0⌒)/🤣🪅💪 ) その後、後始末のお掃除をやり遂げたご褒美😁に…今日は疲れた体を癒しに♨️温泉に行ってきました💖 いろんな種類の露天風呂をまわって、よもぎサウナで汗だくになって、あったまった体に秋風が氣持ち良かったです。温泉のあと食事したお庭に、今日のお花の彼岸花が綺麗に咲いていたので、お写真に撮ってきました。♨️温泉三昧のあといただいた、新そばはとても美味しくて、たまには自分にご褒美も良いですね🥰 お食事のあとは、夏の名残の風鈴が素敵に並んだ縁側で、くつろいできました。時折吹く風にチリンチリンとなる風鈴の音色を聞きながら過ごす時間、久しぶりの素敵な時間🍁癒しの1日になりました(⌒‐⌒) 🐄 🏷️たぬき桜 🏷️so・raの小さな物語 🏷️健太の冒険 🏷️GS繋がりに感謝
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so・raの小さな物語 ** たぬき桜 ** その 45 コスモスが 今年も咲いている あの花を見ていると 遠いあの日を思い出すんだ 一郎が嫌がって 足を踏ん張る 顔を左右に降って抵抗する その手綱をぐいぐい引っ張って 背中とお尻をぐいぐい押して 車の荷台に二人がかりでのせた 花子は 悲しい眼をして 父さんの手をなめた そして、人間のように 住んでいた牛舎を振り返り 父のかおを見た 手綱を引かれると 頭を降って嫌がった それでも父がどうどうと 声をかけて花子をなだめる よしよしと背中を撫でて 少しずつ少しずつ 引かれて押されて 花子も車へ登っていった 悲しくて 悲しくて 胸が張り裂けそうだった 父さんはどう どう と 声をかけ続けた まるで すまん お別れだ そう言ってるような 悲しい声で 牛を押していた 荷台が閉じられ 父さんが帽子を取って よろしくお願いしますと 深々とお辞儀をした 静かに車が走り出した モウ~ モウ~っと 一郎がなく 花子がなく その声に たまらなくて 健太は車を追いかけた 溢れる涙に前が見えなくて 木の根につまづいて転んだ健太は 手をついたまま叫んだ 一郎 花子 ごめんよ ごめんよ ありがとう 泣き続ける健太の肩に 父が手をかけた その指先が震えていた あぁ 親父も泣いている 健太は ちくしょう!ちくしょう! と地面についた拳を握りしめた しばらくして健太が泣き止むと 父が立ち上がった。 あの子達が住んでいた部屋を、綺麗にしてやろう。手伝ってくれるか? 父の言葉に、健太も立ち上がり 父のあとに続いた。 本当は、一郎は、健太の高校の学費の足しにと、考えていたのよ。もしも、一郎を手放しても、花子は牛乳を売ってしばらく家計の足しにとも考えていたのよ。 健太は、数年後、当時の両親の思いを母から聞いた。父が撃たれた事件以来、村人が牛乳を買ってくれることもなくなり、週に一度市場に牛乳を出すだけでは採算が取れないと、何度も何度も相談して決めたのだったと。けれど、牛は競りで買い叩かれ、売って得たお金は思いの外少なくて、様々な支払い後に残ったのはわずかなお金だけだった。 「それでもね、一郎と花子がいたからあの厳しい時を乗り越えられた。助けてくれたのよ」と話す母は涙ぐんでいた。 🌱 🌱 今日のお花がオミナエシだったので、日曜日に行った昭和記念公園のお茶室前庭のオミナエシを投稿しました。お抹茶と一緒にいただいたお菓子はコスモスでした。可愛いお菓子に手をつけるのを躊躇いながら…美味しかったです😋 三枚目 一面のキバナコスモス(レモンブライト)は咲き始めで、これからますます見頃です。 四枚目 みんなのお手植え♡オレンジのコスモスは、みんなのお手植えだそうです♪素敵な企画ですね。 五枚目 コキアも色づき始め、ピンクとグリーンのグラデーションが、柔らかな雲の絨毯のようでとても綺麗でした。キバナコスモスもコキアも、これからが見頃だそうです🤗 今日のお花 🌿 オミナエシ 昭和記念公園 お茶室前に素敵に飾られていたオミナエシです💖 オミナエシは、秋の七草の一つ オミナエシ属の多年生植物。 別名 敗醤(はいしょう)とも呼ばれ、健康に役立つ植物です💮 🌱10月頃に地上部の茎葉を切り除いて根を掘り、天日乾燥させたものは生薬となり、敗醤根(はいじょうこん)と呼ばれます。 消炎、排膿、浄血作用があり、婦人病に。1日量10グラムの敗醤根を、水500 ccでとろ火で半量になるまで煎じ、3回に分服する。 🌱花のみを集めたものは、黄屈花(おうくつか)。 これらは生薬として単味で利用されることが多く、あまり漢方薬(漢方方剤)としては使われない(漢方薬としてはヨク苡仁、附子と共に調合したヨク苡附子敗醤散が知られる)。 🐄 🏷️たぬき桜 🏷️so・raの小さな物語 🏷️健太の冒険 🏷️GS繋がりに感謝
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so・raの小さな物語 ** たぬき桜 ** その 25 花子の産んだ子牛はすくすく育った。朝起きると、顔を洗うのもそこそこにまっすぐ子牛のもとにかけていく健太を、 「まるで恋人に会いに行くみたいだな。いっそ牛小屋の隣にお前の部屋を作るか?」と父がからかった。 子牛が産まれてから家族の笑顔も増えていた。花子の産後の回復も順調で、健太は暇さえあれば牛小屋に入り浸って過ごしていた。たぬ吉の事件以来、笑顔が少なくなった健太を心配していた両親は、その嬉々としたようすが何よりも嬉しかった。 梅雨が開け、蝉が賑やかに鳴き始めた夏休み間際のある日、健太たち6年生は、卒業文集に載せる「将来の夢」についての作文と、自由研究の宿題が出された。 えー!自由研究だって~。 うざ~、だる~。 不満を口にする子供たちに、 適当にやってる研究はやり直しですよ!と先生から釘を刺された。 やり直しかよ!そんなの聞いたことないぞー! 先生に抗議するたび、どんどんハードルが上がっていくので、ついに、子供たちは共同研究をしようとか、良い本がある真似すれば良いよ!と知恵を出しあい始めた。 そんな声を聞きながら、健太は自由研究かぁ、楽しみだな。と一人にやにやとしていた。 夏休みに入ってから、いつもあちこちと野山を飛び回っていた健太が、机に向かって何かを調べているかと思うと、深いため息をつくようになっていった。そんな健太の変化を両親は心配しながら見守っていた。 ある日、健太は母から玉ねぎの皮むきを頼まれた。いつもは皮むきをしながら母といろんな話をする、2人にとって楽しい時間だった。でも、その日は健太が何かを考えてるようすで、口も開かず黙ったままだった。そして、ついに大きなため息をついた健太に、母が手を止めて訪ねた。 今日は無口だし、ため息なんて珍しいわね。一郎が産まれてから楽しそうにしていたのに、どうしたの?このところ何か調べたりもしてるようだけど…何か悩んでることでもあるの?良かったら話してみない? 母の言葉に、ハッとして顔をあげた健太は、少し考えるように躊躇していたが、ゆっくり口を開いた。 母さんにはお見通しだね。 実は、夏休みの宿題に自由研究をしてくるように言われたんだ。 それで、いつか獣医になりたいと思っていたから、よし!と思って、一郎の成長や獣医の仕事について調べようと思ったんだ。楽しそうだし、簡単だって思ってたんだけど…。 一郎の観察は楽しいし、順調なんだ。でも…獣医の仕事は調べても、決まりきったことばかりしか書いてなくて、挫折しちゃってるんだ。もっと、何て言うか生きた情報が欲しいなって。僕が一郎が生まれた時に助けてくれた獣医さんに感動したみたいな何かを書きたくて。 それに、実際に獣医になるにはどんな勉強したら良いかとか、どんな道があるかとかも知りたいんだ。そこで、止まっちゃって…。 そう言うとまた健太はため息をついた。 まあ、自由研究を。獣医さんのお仕事は素晴らしいけど…実際の仕事の事を調べるのは難しいわねぇ。 そう言うと母さんはしばらく考えているようすだったか、やがて顔をあげると優しく微笑んで言った。 獣医になるのも、そのお仕事も、考えてる何倍も大変な事かも知れないわね。だけど、知りたいと思った時、自分の目でみて確かめたり考えることは大切よね。 えっ!母さん! 何か心当たりがあるの? 健太が目をキラキラさせて母に訪ねた。 そうねぇ、何か方法があるか、お父さんにも聞いてみるわね。 やったぁ! 健太が飛び上がってガッツポーズを取るのを母は笑って見上げながら、 さぁ!あと一息!皮むきを頑張りましょう。そう言って皮むきを再開した。健太は、さっきとは打って変わって満面の笑みで、腕まくりをして皮むきを再開した。 賑やかな蝉の声 百日紅をふきすぎる風に 庭先の風鈴がチリンと鳴った。 🏷️たぬき桜 🏷️健太の冒険 🏷️so・raの小さな物語 🏷️GS繋がりに感謝♡ 🌿写真は、6月に訪れた北鎌倉の源平山公園の山道に咲いていた山百合です。とても綺麗でした。 ところで、皆さんは、🧅玉ねぎを長持ちさせる工夫をご存知ですか? 農家は、玉ねぎを畑から収穫後にビニールハウスなどに干して乾燥させてから出荷します。そのまま、ある程度乾いたものを保存すると、時々茶色の外皮の内側に黒かびがついている玉ねぎあり、これをそのままで保存すると、そこから腐り始めてしまうんです。そこで、一手間でも、乾いた外側の皮をむいて、タオルで玉ねぎをふいてから、もう一度乾燥させて、外側に茶色の皮ができたら取り込むんです。黒かびのところもふいてしまうから、腐ることもなく玉ねぎは長持ちします🤗。 お店て買われた玉ねぎも同じです。長持ちするので、良かったらお試しください。 🌿
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できるか できないかではなく 今 やるか やらないか 扉は その一歩から開く 自分を信じる心に たくさんの力を秘めて 眠っている種 その芽ぶきを 繋がった大地で 世界中が待っている 蕾を開き 花が空にのびていく 夏が来る 🌿上野 不忍池 タチアオイの花が咲き始めました。 🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱 so・raの小さな物語 ** たぬき桜 ** その 24 強くなった陽射しに、田畑の緑が濃くなって、みんなTシャツ姿になっていた。 健太が学校から帰ると、牛小屋に獣医さんと父の姿があった。 もしかして! 健太が駆け寄ってみると、真っ黒な牛の赤ちゃんが生まれていた。 生まれたんだね! やったぁ! 喜ぶ健太に、父が笑顔で話しかけた。 難産だったんだよ。 それで獣医さんに来てもらった。 無事に生まれてよかった。 健太の家の雌牛花子は、真っ黒な体に長いまつげ、健太がそばに行くと顔を近づけてくる。健太にとって家族のような存在だった。 花子の脇に座り込んでいた獣医さんも、立ち上がって健太を見た。 お帰り!健太くん。 弟ぶんが生まれたよ! 良かったなぁ。 難産だったけど、花子は本当に頑張ったよ。お産は人も動物も、命がけだからねぇ。おそらくこれが花子の最後の子供になるだろう。 大事に世話してあげてね。 健太は、牛の赤ちゃんな近づいて、そっと背中を撫でた。 すごいね! 生きてるって奇跡だ! そしていのちを助ける獣医さんって やっぱりかっこいいな。 先生、ありがとう! そう言うと、健太は深々と頭を下げた。 ねぇ、父さん。 この子、一郎って名前をつけても良い?僕の好きな野球選手とおんなじ名前。 父と獣医さんは顔を見合わせて笑った。 良い名前だ。 だが、大きくなったら売らねばならん。情をうつしすぎると辛くなるぞ。 分かってるよ。牛の世話も、今までより頑張るから! 一郎!僕が兄ちゃんだぞ。 元気で大きくなれよ。 牛の子を撫でながら喜ぶ健太を、父と獣医さんが優しく見守っていた。 その日の夕食は、お赤飯に母の心尽くしの手料理が並んだ。 なぁ、母さん、牛の子は、一郎だぞ。一郎。健太と一郎で健太郎だ!はっはっは! 久しぶりの晩酌に顔を赤らめながら陽気に笑う父に、 良かったですねぇ。 母も嬉しそうに笑い声をあげた。 父さんや母さんの笑い声を聞いたの、何年ぶりだろう。 そんなことを思いながら、健太は心のなかで小さな決心をした。 俺、獣医さんになる! けれど健太は知らなかった。 その夜、健太が寝たあと、父の怪我を母が手当てをしていた。 難産で牛の子を取り上げる時に、綱で引っ張った父の小指が骨折していたのだ。赤く腫れ上がった指を冷やしながら、母が尋ねた。 こんなに腫れて…痛いでしょう?骨が折れてるんじゃない?お医者さんに行った方が良いんじゃないかしら? 医者に行って、ギプスでも巻かれてみろ、仕事にならんぞ。それに、医者代もバカにならん。なぁに、そっとしとけばじきに治るさ。 健太の家の家計はギリギリだった。牛の出産で獣医さんの往診も依頼し予想外の費用もかかった。限られた収入のなかで、健太の中学進学に必要なお金に手をつけるわけには行かないと、父は結局医者には行かなかった。 折れた指に添え木を当て、絆創膏で固定して、父はいつもと変わらずに仕事を続け、健太は父の怪我に気づかず、それを知ったのはずっと後の事だった。 🏷️たぬき桜 🏷️健太の冒険 🏷️so・raの小さな物語 🏷️GSの繋がりに感謝♡
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✾夢遊歩Jin✰TOTORO✾
🌻庭からの 今朝の 向日葵 🕊🕊 アリス ♬ 走っておいでよ恋人よ❣ 🎼夢に やぶれ疲れた時 僕の胸の中で 心の傷を 癒やすのさ 全てを忘れて𓂃꙳⋆ ˖𓇬˖ ࣪⊹ 顔は見ないさ 恥ずかしいだろう 永久に貴方は そのままで そっと頬寄せ言ってみる 素敵な恋人✨ 谷村新司さん チンペイさん ゚・*.❆Thank you.❆.*・゚ やさしく 楽しく ありがとう𓇬˖ ࣪⊹🕊🕊 素敵な夢を˖⋆࿐໋₊ tororo GAO𓇬˖ ࣪⊹ ࣪⊹🐿️🍀 2023 ✨10月 16日🌈🕊🕊🕊🕊🕊🕊🕊🕊 いつも見て頂き感謝致します𓇬˖ ࣪⊹ Aliceの飛行船‧⁺ ⊹˚.‧⁺ ⊹˚.
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so.ra
自分を愛することを 避けているように まぼろしの中で 苦しんでいるあなた ずっと あなたが 受け入れてくれるのを 待っている贈り物 いつか 本当の自分に触れたとき きっと心の中の温もりを 思い出す あなたのなかで 紅いあかい実をつけた 愛の贈り物 🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱 🔴今日の花 ピラカンサ(ピラカンサス) 和名 常磐山査子(トキワサンザシ)その名はトゲのある枝に炎のような赤い実をつける姿からイメージしてつけられたと。 真っ赤なピラカンサの大木が、 溢れるほどの実をつけて 空一杯に広がっていました。 その風景は圧巻でした💖 辛いとき 苦しいとき 赤は心を奮い立たせ 自分の心の中の小さな何かに 火が灯るように感じます そんなとき 愛が贈り物として現れた 瞬間かもしれないと思うのです
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so.ra
小さな蟻が 花の中からごそごそと顔をだした おばさん ごちそうさま ヘクソカズラはふん!と言うと 少しだけ 花の紅が深くなった 蟻は満足げに枝を離れていった さわさわと 風が吹く きらきらと 光が降る 夏の終わりの気だるい空気に 汗をふきふき 蜂が飛んできた あっちの花 こっちの花と飛び回り 膨れたお腹を撫でながら 葉っぱの上で一休み なぁ お前さん 可愛い花をしてるのに こんなに臭いにおいを出して 一人ぼっちで寂しくないか? しばらく羽を休めると 蜂もどこかへ飛んでった ヘクソカズラは 空を見上げて 雨が来そうだと呟いた さっき花に訪れた 蟻も蜂も蝶も みんな無事に帰ったかしら ヘクソカズラは 小さな花のラッパで そっとそっと呟いた 雨がやってくる 急いでお帰り また明日 日が登ったら 蜜を作っておくからね 🌿今日の花 ヘクソカズラ (さおとめばな) 寂しい日もあった 臭いと嫌われて 孤独に涙した日もあった そうして月日が流れ 乙女と言われる日も過ぎた だけど 今は知っている 自分だけの花の喜びを 小さなものたちが 訪れる短い花の季節 ありがとう 有り難う 五月女花は喜びに 一日一日 頬を染めて ひっそりと 紅に染まります 花を眺めていたら たくさんの虫たちが訪れていました。臭いけど、みんなに愛されてる花なんだなって嬉しくなりました(*^.^*) 小さなヘクソカズラの物語💖
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【ピンクッション物語 第31話】 🌱準備中 第31話の📍ピンのテーマは、 「想いを受けとめて」です。
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【ピンクッション物語】 第30話 その② それから、もし、君の学校で接種しないと仲間はずれになるような事があったら、泉大津市の南出市長さんのメッセージを参考に伝えるといいかもしれない。 市民のための相談窓口も設けて、市外の人からの相談も受け付けてくれるそうだ。 『南出賢一 泉大津市長から5歳〜11歳のお子さんをお持ちの親御さんへのお願い』で検索してみてくれ。 とてもわかりやすい動画だから、ご両親にも見てもらうといいと思う。 海外ではCDCが、子供の接種の副反応が多発してることを報告してる。『子供への接種後に副作用が多発』で検索できる。 もう一年前に、ロシアでは、国の公共放送で枠珍の衝撃の事実を国民に報道してたそうだよ。 『ロシア公共放送が衝撃の事実を公開!! 』で調べたら検索できるから、是非見て欲しい。 驚くべき内容だったよ。 国が国民に向けて発信した情報だから、それなりに確かめた内容だと思うんだけどね。ロシアは情報統制されてるってイメージがあったけど、日本の方が閉ざされてるのかもしれないと思ったよ。 接種後の死亡者のデータを見ると、枠珍を打って9カ月たつと1.5倍死にやすくなってしまうそうだ。そして、ついにアメリカでは、FDAがファイザーに枠珍の申請をやめるように言ったそうだ。なのに、日本でたくさんの人が死んだり苦しんでるのに、今だに中止にならないのは不思議だと思わないか? 親父が、政治もしっかり勉強して視野を広げろと言ってた意味が、最近の出来事を見てわかってきたよ。これから、外国の情報も見られるように語学をもっと勉強しなきゃって思ってるよ。 いろんな情報が錯綜してて、本当かどうかはわからないけど、その時じゃ手遅れだから、今動かなくちゃダメなんだってしみじみ思ったよ。 注射薬が超低温で保管され、振動を与えないように運ばれるのは、注射液の酸化グラフェンが結晶しないためだったのかも知れないね。以前、注射液に金属片混入とニュースがあったね。その注射薬で確か3人も亡くなった人がいたのに、説明も謝罪会見もなくてうやむやのまま終わったよね。食べ物なら全品回収して調査するのに、直接身体に入れる薬なのに一部回収しただけだ。そしてその後、筋肉注射のやり方まで変わったんだ。筋肉注射液を間違って血液にダイレクトに入れたら大変だから確認してたのに、確認なしで打つやり方が変わったんだよ。国民に説明もなしだ。今は賞味期限の切れた枠珍を、賞味期限を伸ばして打ってる事も知ってる?直接体に入るものなのに、おかしいと思わないか?大切なことだけど、みんな気がつかないんだ。 驚くような事ばかり書いて君を、暗い気持ちにさせちゃったかな。今はご両親も元気で信じて貰えないかも知れないけど。むしろ、この情報が嘘だったら、ずっと何も起こらなければ本当に嬉しいと思ってるけど。。 とりあえず打ってしまっても、解毒する方法もいろいろ紹介されてるし、免疫力強化にもなるらしいからこの後に書くよ。 一つでもご両親に取り入れて貰えたらって思うんだ。 そして、僕が見つけた希望を伝えたい。 (続く) 第30話の📍ピンのテーマは梅の花の花言葉から【忍耐】です。寒風が吹くなか、凛として咲き誇る梅の姿に希望を重ねて書きました。 (続く)
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【ピンクッション物語】第29話 ありがとう 君に出会えて良かった 不思議だね 僕らは傷つくたびに 乗り越える強さを 身につけていく 一人じゃないから 越えてこれた道がある 君との出会いに 運命を感じたよ 僕は医者をめざして 君は栄養士をめざして その先の道は 今はわからないけど 君と僕の道が 未来のどこかで 一緒に夢を追いかけて 行けたらと思うんだ 君が落ち着いた頃 手紙を書きたいと思ってる LINEや電話なら簡単だけど いろいろ思いを巡らせて 文字に書くのも 悪くないと思うんだ 君もそっちでの生活の事とか 教えてくれたら嬉しいな 僕らの新しい毎日は また、悩んだり辛いこともあるかもしれない そんな日も 本音を話せる人がいることで 乗り越える力に なれると思うんだ だから また いろいろ相談に 乗ってくれたら嬉しい これからもよろしく 卓 美幸が手紙を読み終えて、日記を開くと、背表紙のカバーにも 何かはさんであった。 一つは合格のお守り そして。。 (続く) 🌱アネモネが咲き出して 花壇を鮮やかに彩る季節になりましたね。たくさんの色のアネモネのなかで、寄り添って咲く2輪のピンクのアネモネがとっても素敵でした🎶💕 アネモネの花言葉から 29話の📍ピンのテーマは 【あなたを愛す】です🥰
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【ピンクッション物語】第28話 荷物が運び出された部屋はがらんとして、窓から伸びる光が部屋の中に射し込んでいた。 美幸は部屋の真ん中に大の字になって寝そべってみた。 こんなに小さな部屋だったっけ。 たくさんの思い出がつまった部屋は、一回り小さくなって記憶の箱に収まろうとしているようだった。 いつからだろう? 馬鹿にされたり、いじめられたり。自分の体に引け目を感じて、泣くようになったのは。 担任にまで苛められ、生きるのが辛かった。 泣いてばかりだったな。そう呟くと、床の小さな傷に触れた。 それは、悲しくて悲しくて、マグカップを床に叩きつけた傷。粉々に砕けたカップは、美幸の傷だらけの心。母さんが泣きながら片付けてくれたっけ。 さようなら。小さな私。 床の傷を優しく撫でると、美幸は立ち上がった。 卓くん。 最後に会いたかったなぁ。 下駄箱に入れた手紙に返事も貰えないまま、お別れになっちゃったな。そんな事を思いながら窓を開けると、そこに自転車に乗った卓が立っていた。 やあ! 卓が手を振っている。 夢?美幸は目をこすった。 確かに卓がそこにいた。 心臓の鼓動が聞こえるほど、ドキドキと打つのを感じて、美幸は言葉が出てこなかった。。 降りてこれる?と、足元を指差す仕草をする卓に頷くと、美幸は慌てて階段を降りて玄関の扉を開けた。 今日引越しだよね。 そう。 午後に出るの。 息を弾ませながら美幸が言った。 良かった! ギリギリセーフだね。 卓が笑っていった。 まったく、君は新しい住所しか書いてないから、君の家を探すのに苦労しちゃった。 えっ、どうやって調べたの?。 君の小学校の同級生から聞き出した。はは、何でだって問い詰められたよ。 今まで色々話せて楽しかった、ありがとう。 これ、餞別。 引越し先や新しい学校で出逢うことなんか、書くのもいいかなって、ノートなんだ。 卓はそういうと、包みをを美幸に渡した。 袋を開くと、ちょっと厚みのあるノートが入っていた。 ありがとう。 ノートを渡すと、美幸が次の言葉を話す前に じゃあな! と、自転車にまたがると卓は走り去っていった。 えっ!あっ、ちょっと卓くん! ありがとう~‼️ 慌てて叫んだ美幸に、 前を向いたまま手を高く挙げてバイバイと仕草をすると、卓の自転車は曲がり角に消えていった。 最後ぐらい、もっとドラマチックにお別れしたかったのに、まったく! そう言いながら、美幸が手帳を開くと、一枚の紙がはらりと落ちた。 (続く) 第28話の📍ピンのテーマは、パンジーの花言葉から【思い出】です。 パンジーの花言葉には、「私を思って」という花言葉もあるようです😊❣️
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【ピンクッション物語】第26話 ごめんね~、待った? 息を切らしてひながかけてきた。 ううん、私も来たばかり。 そう。 有難うね。 ひなは、美幸の隣に腰を下ろすと、大きな紙袋を差し出した。 あのね、これお爺ちゃんから。 えっ、元さん退院したの? 驚いて美幸が尋ねると、 そうなの。 満面の笑みでひなが答えた。 すごい回復って先生もびっくりするように回復して、先週退院したの。 お爺ちゃんたら、花が心配だって、もう杖をつきながら庭に出てるのよ。心配したけど、庭に出るようになったら食欲も出て、顔色も良くなってきたし、何よりもお爺ちゃんがあんまり嬉しそうにしてるから、私たちみんなお爺ちゃんがいいように見守っろうって決めたのよ。 それでね。 美幸ちゃんが引っ越しするって話をしたら、これを渡してくれって預かってきたの。 それからお爺ちゃんからの伝言。 『ひなから、両親を説得したって聞いたよ。 心は人それぞれだ。 想いも人それぞれよ。 どんな答えを選んでも、良いも悪いもないと思っとる。 ただ、大切な人に、生涯で一番と思える大切なときに、自分の気持ちを伝えずに後悔を残すのは、後々まで悲しいもんじゃ。 わしにもそんな痛みがあるんでな、勇気を出して心を伝えることができて良かったの。 よく頑張りなさったの。 みんな、自分の事だと考えておるがの、そんな心はいずれ生き方にも現れて、やがて世の中を作っていくんじゃ。 たとえうまくいかなんでも、 諦めちゃいかん。 頑張って行動を起こしたら、 成功も失敗も必ず一歩前に進んでおるからの。 あなたさんは、足の事で馬鹿にされたりいじめられたりと、 ずいぶんと辛い想いもしてきなさった。だから、とっても優しくて強い方になりなさった。 そんなあなたさんは、クリスマスローズの花のようだと思っとった。 寒さの中でも凛として、つぼみをつけて咲いていく。 この花は冬の女王とも呼ばれておるんじゃ。 あなたさんは、その綺麗な心のままで、生きていって下されよ。 これからも、辛いことや苦しいこともあるじゃろうが、応援しておりますぞ。』 以上、お爺ちゃんからの伝言。 お花はクリスマスローズなんだって。 お爺ちゃん、目が霞んで字が書けなくなっちやったから、代筆した手紙、これね。 そういってひなからの手紙と花を受けとる美幸は、思いがけない贈り物に、涙か止まらなかった。 有難う。 ずっとずっと大事にしますって、お伝えしてね。 美幸の言葉にひなが頷いた。 なんだか、ここでいつも泣いてきたね。 美幸ちゃんて、悲しいとき、いつもなんか食べるでしょ。 だから、これは私からのお餞別。昨日クッキー焼いたんだ。 2人で食べよ。 美幸が顔をあげると、ひなも涙を浮かべていた。 ひなと泣き笑いしながら食べるクッキーは甘くてしょっばかった。 寂しくなっちゃうな。 ポツリとひなが声にだし、空を見上げた。 頭の上には、早咲きの桜の花が空に灯りを灯すように、柔らかく揺れていた。 (続く) 桜の花言葉は、『精神美』『優美な女性』そして、ソメイヨシノより早い時期に咲く河津桜の花言葉は、『想いを託します』だそうです。 第26話の📍ピンのテーマは 【想いを託します】です。 🌸
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【ピンクッション物語】第25話 泣き疲れて頭痛だわ。 重い気持ちで階段を降りると、食卓で父と母がにこやかに迎えてくれた。 おはよう。 大丈夫? 昨日は有難うね。 美幸がテーブルにつくと、母が口を開いた。 あの後、父さんと相談してね。 ワクチンを打つのは延期することにしたわ。この後、どうなるかわからないし、仕事の事もあるし、今は結論を出せないけど、父さんとよく考えてみる事にしたのよ。 お前が言うことも考えてみた。 もしもの事なんて、父さんは考えなかったからな。お前にそんなに心配させてすまなかったな。 今日は母さんと休みができたから、2人でドライブにでも行ってくるよ。 父さんも笑って言った。 両親の言葉にほっとして、美幸は笑いながら泣いていた。 それから、一ヶ月が過ぎ、ワクチンを打たないと仕事ができないと父も母も会社を辞めることになった。 田舎の母さんが、もう田畑を世話ができないから、帰ってきてくれないかと言われてたんだ。 母さんと相談してね。2人で農業をすることにしようと思うんだ。 お前も、転校することになって申し訳ない。それに田舎の暮らしだがいいか? 父が尋ねた。 お義母さんに聞いたら、そちらはワクチン打たない人もけっこういるみたいだしね。 母が笑顔で続けた。 お父さん、お母さん、良かったね。もちろん、私は大丈夫。 自分の子供時代が終わる、そんなことを感じながら、父さんと母さんと生きる新しい時間を大切に生きようと、心に誓うのだった。 (続く) 第25話の📍ピンのテーマは モッコウバラ(木香薔薇)の花言葉から 【幼いころの幸せな時間】です ターニングポイントに咲いていた花は、とても印象深く思い出に残りますね。 それが名もない野の花の事もあるかもしれませんが、そこに花がある、その幸せを忘れないでいたいなと思ったりします。 今日のお花 モッコウバラ 4月のpicから
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【ピンクッション物語】第24話 実はね、中学校に行ってもいじめは続いてたの。 小学校の時よりもっと陰険ないじめだった。それでも用務員さんと仲良くなって、精神的にとても助けてもらったんだ。そうでなかったら、学校に行けなくってたかもしれない。 用務員さんは、とてもいろんな事を知っていて、初めて人生で尊敬できる人に出会って、話を聞くのが楽しみだったんだ。でも、仕事を続けるのに私たちに迷惑をかけられないってワクチンを打って、死にそうになっちゃったんだよ。 美幸は、声をつまらせて少し沈黙したあと、続けた。 ずっと、生死の境をさ迷って、やっと一ヶ月してもちなおしたけど、もう前みたいに仕事はできないんだって。。。 とても元気にしてたのに。。花壇もとても大切にしていて、いつも花で溢れてたのに、学校の仕事もできなくなって辞めちゃったんだよ。 打って死んでも、30分以内じゃないと因果関係を認められないんだって。重い後遺症が残っても、治療費も保証されない人がほとんどなんだって。 もし、お父さんやお母さんが死んじゃったら、私はどうやって生きていったら良いの? 後遺症は9ヶ月後に遅れてやってくるって聞いたよ。もしも、お父さんやお母さんが身体が動けなくなったり、働けなくなったら、私一人でどうやってみていったら良いの? 父が口を開いた。 ははは。美幸は心配しすぎだよ。見てごらん、テレビで偉い先生方がちゃんと根拠を言ってるし、何しろ怖い病気なんだ、かかったら大変なんだぞ。 お父さん、テレビや新聞は本当の事は言わないんだよ。だから、みんな知らなくて。自分が死ぬとか、重い後遺症が残るとか思いもしなかったって。3回目を打ったら、ずっと打ち続けないといけない身体になっちゃうって、今までのワクチンとは違うんだよ。だから、お願い、もう一度考え直して。 美幸は嗚咽して、先の言葉が続けられなかった。 美幸の気持ちはわかったわ。 あとは、お父さんとお母さんで、話し合ってみるから。 有難う。もう、休みなさい。 母は美幸の背中をさすって優しく言った。 美幸は、頷くと部屋へと上がっていった。ベットに横になっても後から後から涙が止まらなかった。でも、ちゃんと想いを伝えることができた、これでいいんだ。美幸は、泣きながらいつの間にか眠っていた。 (続く) 第24話の📍ピンのテーマは プリムラの花言葉から I can’t live without you【あなたなしでは生きられない】です。 大切な人に、反対されるかもしれないと知りながら、言葉を伝えることはとても勇気のいることですね。 何が正しいか正しくないかなんて、誰にもわからないものだと思います。 でも、深く傷ついても嫌われても、大切に大切に思う人に生きていて欲しいから、一生に一度の勇気をふりしぼっても、伝えずにはいられない時もあるって思うんです。 🎀写真は外出先の花壇で出会った真っ赤なリボンが可愛い寄せ植えと、パンジーのコラボ。 パンジーに、こっちへ来る?って、話しかけてるように見えませんか🥰
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【ピンクッション物語】第23話 大切なことは、いつだって言葉にするのがもどかしい。 両親がいなくなってしまったら、自分はどうやって生きていったら良いだろう。 後遺症は遅れてやってくる。 3ヶ月先、半年後、こんなはずじゃなかったとネットにはたくさんの涙が溢れていた。 国の認定も保証もなく、もしも両親が身体が動けず働けなくなったら、自分一人でどうやってみていったら良いんだろう。 愛しさと悲しみが溢れて、 美幸は涙が止まらなかった。 神様、一生に一度のお願いです。 どうぞ言葉が届くよう力を下さい。最後の最後のチャンス。 そう呟くと、 美幸は涙をぬぐって階下へ降りていった。 ねぇ、ちょっと聞いて欲しい事があるんだ。 今いい? なぁに?改まって。 いいわよ。 父と母は夕食を終わりリビングでくつろいでいた。珍しく早く帰宅した父がお笑い番組を見て笑っていた。 有難う。 父さんの笑い声聞いたのどれくらいぶりだろう? そんなことを思いながら、美幸は両親の向かいの椅子に座った。 でも、明日は注射だから、今日は早めに寝るつもりなの。 込み入った話なら、また今度ね。 母は、そう付け加えた。 うん。わかった。 短く話すようにするよ。 あのね、最初に、父さんと母さんにお礼を伝えたいの。 私を産んでくれて、今日まで愛して育ててくれて、本当に有難う。私は父さんと母さんの子に産まれて、本当に幸せだったよ。 美幸はそう言うと、両親に深々と頭を下げた。 おいおい、なんか別れの言葉みたいだな。 どうしたんだ、急に? テレビを見て笑っていた父が、美幸に視線を移すと怪訝そうに尋ねた。 うん。 別れの言葉かもしれない。 人の命なんて、ほんとは誰も明日なんてわからないものだもの。 私、足が不自由で、小さな頃からみんなにいじめられて育ったでしょ。醜いアヒルの子なら、白鳥になれるのに、私はこのまま大人になるのかって、この体を恨んだこともあった。 でも、いろんな事があったけど、父さんと母さんが一緒にいてくれて、私の心の痛みをわかってくれてた。 本当は、父さんや母さんに話した以上にひどいいじめにもあったんだ。死にたいと思ったことさえあったけど、生きてこれた。今までを振りかえったら味方がいる事にいつも支えられてきたなって、改めてありがたいなって思ったんだ。 だから、後悔しないように伝えたいなって。本当に有難う。 そう話す美幸の頬を涙が伝った。 どうしたの? 学校で、またいじめとかあったの? 母が心配して尋ねた。 ううん。違うの。 明日、父さんと母さんはワクチンを打つでしょう? 昨日、母さんと話した後、改めて調べたんだ。今はワクチンで死んだ人は1474人もいるんだよ。その数もワクチンを打って間もない人で、お医者さんが注射が原因の可能性があるって、診断書を書いてくれた人だけなんだよ。実際はその10倍はいるだろうって言われてる。そして、今も増え続けてるけど、それでも安全って言ってるんだよ。安全じゃないって何人死んだら言われるの?最初から何千人も何万人も死ぬ注射って知ってても、父さんや母さんは注射を打ったの? 溢れる涙をぬぐおうともせずに話す美幸の顔を、両親は黙って見つめていた。 (続く) 🌱ユーフォルビア・フロステッドフレーム パープレアと同じアミグダロイデス種で、新しい斑入りタイプです。 気温が低い時期に葉色が濃くなり、斑もピンクを帯びて見事です💕 気温が高い時期は斑は白く、葉色は深緑に変化します。花は淡い黄色。 冬季常緑〜半常緑。 第23話の📍ピンのテーマは、 ユーフォルビアの花言葉 『明るく照らして』です💖 親が子を思う心 子が親を思う心 時にすれ違うこともありますが、遥か遠い旅から帰る船の航路を照らす灯台のように、 それは消えることのない 明るくあたたかく、 力強く灯りですね✨ どんなに辛いときも 嵐の吹き荒れるようなときも 互いの心に寄り添い合って 心深くの愛を照らしあって、 その絆を紡いでいけたらと、 願いをユーフォルビアに託して投稿します。 🍀
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【ピンクッション物語】22話 最近は、節約のため卓が食卓のテーブルで勉強することが多くなった。その卓のわきで、父も何やら勉強を始めた様子だった。 親父、何か資格に挑戦してるの? ある日、卓が切り出した。 ははは。 仕事で関わるお客様に、住宅関連の仕事をしている人がいてな、私にアドバイスを求められる事があるんだよ。今は経理の仕事見習いだからって遠慮させてもらってたが、社長から、できたら社員向けに話をして欲しいと頼まれてね。 まぁ、コンサルタントのような事なんだが。知ってることと話をすることは別だからね。勉強を始めたところだよ。 すごいね、父さん! いつかコンサルタントになって独立したりして。 そうさな。偉くなろうとは思わんが、どこにいようと役に立てる仕事ができることはありがたいことだ。 金儲けや地位をモチベーションに仕事を頑張る人をたくさん見てきたが、その先が果てがなくて、頑張り続ける人生も辛いもんだ。そんなことより、自分の持ってる力を役に立てることの方が、仲間にも恵まれて楽しいしなと思ってね。 それに、私は田舎育ちだから、どうも合理主義は肌に合わんで苦労する。 そう言って父は苦笑した。 そうか、俺も親父の考えに賛成だよ。俺が出会った大人は、あまり尊敬できる人はいなかったな。 あっ、でも、俺の学校の用務員さんは、無限実行で芯の通った人だなって密かに尊敬してたんだ。今は体を壊して辞めちゃったけど。。 ほぉ、尊敬できる人に出会えるのは貴重だ。つかの間でもそんな人に会えて良かったな。 誰にも良心があるもんだが、それを理解して実践することはなかなか難しい世の中だ。正直者が馬鹿を見るとか、言われるだろう。みんな馬鹿を見る事を繰り返して、だんだん自分らしくいることを諦めてしまうんだ。 確かに、ただ真っすぐなだけでは大切な人も守れない世の中だ。 賢く生きろと、お前にいつか話したな。 お前も何が真実で何が嘘かわからなくなることもあるだろう。私のように、自分がどっちの立場をとるか迫られるときもあるだろう。その時とっさには判断できないものだから、日頃から考えておくことだ。 信じた人に陥れられて、倒産してしまった会社もたくさん見てきた。社長も社員もいい人だったから、本当に残念でな。その時は私も一緒に泣いたよ。 だから、相手を見抜く眼を養うことは大切だ。それには、相手の態度や言葉の背景を考えるんだ。金の流れを見ると人の繋がりも見えてくる。 お前は、医者をめざしているが、医学の他に哲学も金融も歴史もしっかり学べ、そして、流されないように心の眼を開いて物事をよく見る事だ。 自分の欲を満たすために、人やものを道具のように使う人は、どんなにいいことを言っても偽物だと私は思う。力関係で、自分の考えが通らず無力感におそわれる事もあるだろう。だけど私は、世渡りは上手くなくても、自分の道を精一杯生きることで役に立つことなら、できるかもしれないと思ってるんだ。 まあ、ボチボチやるさ。 そんなことを言って、父は笑った。 そうだね、 自分がどう生きたいか、もう一度よく考えてみるよ。 仲間と繋がって、楽しみながら生きられる道があるなら、そんな道を生きてみたいな。 親父の仕事も、うまく行くように応援してるよ! 食卓に飾った菜の花に眼をやると、昨日まで蕾だった花が二輪開いていた。 春かぁ、新しい季節が始まっていくみたいだな。卓はポツリと呟いた。 (続く) 今日の花 アイリス 花言葉は『希望』『信じる心』『メッセージ』 第22話の📍のテーマは『希望』です。 写真は、横浜洋館の5月のpicから、お気に入りの一枚です。 写真を投稿しなおしました。せっかくいいね👍️をくださった皆様ごめんなさい💦🙏😫 有難うございました。
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【ピンクッション物語】第21話 お爺ちゃんの病室からの帰り道、ひなは土手に座り茜に染まっていく雲を眺めていた。 思えば、短い間にいろんな事があった。 そんなことを思い返していると、 ひなさん? 声をかけられて振り向くと美幸が立っていた。 良かった。 たそがれて、泣いてるのかなぁなんて心配しちゃった。 美幸は笑うとひなの隣に並んで座った。 さっき買ってきたの。食べる? そういって美幸が差し出したのは焼き芋だった。 うわぁ、美味しそう! 2人は焼き芋を半分に分けて頬張ると、どちらともなく笑った。 ここで、大泣きしたっけね。 ついこの間なのに、すごくいろんな事があって、もう、1年前ぐらいの気持ちよ。 美幸が話すと、ひなも頷いた。 うん。今日は嬉しい報告があるの。 お爺ちゃんがだいぶ良くなって一般病室に移ったの。それで、今日お見舞いに行った帰り。 ほんとう!! 良かったね!! 美幸も満面の笑みで喜んだ。 うん。まだ、十分じゃないけど、これから少しずつ快復するだろうって。 お爺ちゃんね、わたしと弟が書いた絵をすごく喜んでくれてて、その絵を見ながら治りたい!治ろう!って思って甦ってきたって。。 それで、わたし改めて絵本作家をめざそうって思ったんだ。 そうなの。 人を勇気づけられるものがあるってすごいよね。 そうかぁ、絵が心を支えてくれたんだね。 わたしも、そんな生き方ができたら素敵だなぁ。 今日は、まだ体力が戻ってないから長話はダメって、看護婦さんから言われたから、あまり話せなかったけど。。春になったらお爺ちゃんに見せられるように花壇に花を植えようかなって思ってるの。 それは素敵ね。 わたし、今日は落ち込んでたから嬉しい話を聞いて救われたなぁ。 えっ、何かあったの? 美幸の言葉にひなが尋ねた。 美幸は昨夜の出来事を話した。 父さんと母さんをどうしたら止められるかな?生活のために仕事が大事で、それなら注射を打たなくちゃいけなくて。それはわかるけど、死んだり後遺症が残ったりしたらって考えたら、悲しくて辛くて夕べは眠れなかったの。 健康のためって言いながら、命をまでかけて打つ注射なんておかしいよね。その上、注射を打たないと仕事をさせて貰えないなんて、おかしいよね。 美幸の目からは、また涙が溢れた。 止められないかもしれない。 止めようとして話すことで、美幸ちゃんがたくさん傷つくかもしれない。でも、わたしなら、言わないで後悔するより、足にしがみついても止めたいって思うかも。大切なのは、大事な人に悔いのないようにちゃんと気持ちを伝えることだと思う。もしも、本当に注射で死んじゃったら、もう何も伝えることもできないんだって。。わたしもお婆ちゃんも、お爺ちゃんの事で、その事が身に染みたから。 ひなの言葉を聞いて、美幸はしばらく考えていたが、 そうだね。 もう一回、本気で話してみる。 きっと心が届くって信じてみるよ。 そういって涙を抜ぐった。 2人を包むように広がっていた柔らかな茜の空が、少しずつ藍色に変わり、家路を急ぐ鳥の群れが渡っていった。 🌱今日の花 アイリス 花言葉は『信じる心』『メッセージ』 第21話の📍ピンのテーマは『信じる心』です。 写真は、横浜洋館の5月のpicから、お気に入りの一枚です💖
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【ピンクッション物語】第20話 ひなが帰宅すると、お婆ちゃんがニコニコして出迎えた。 お爺ちゃんが一般病室にうつったよ。短い時間なら面会もできる。明日、婆ちゃんの代わりに行ってくるかね!? ほんとうに! やったぁ!! ひなは飛び上がって喜んだ。 翌日はよく晴れて青空がのぞいていた。 ひなが病室につくと、顔なじみの看護婦さんが検温を終えて部屋から出ていくところだった。 良かったわね。お話もできるわよ。 でも、疲れさせないように短時間でね。 看護婦さんにお辞儀をして病室にはいると、窓際のベットに一回り小さくなったお爺ちゃんが寝ていた。 お爺ちゃんはひなを見つけると、優しく微笑んだ。 久しぶりだねぇ。 来てくれて有難う。 心配かけたね。 その声を聞いただけで、ひなの目から涙が溢れた。 ほんとうに心配したよ。 一生分心配したんだから。 ベットの隣に置かれた椅子に腰をかけて、お爺ちゃんの胸に顔を埋めたひなの頭を、お爺ちゃん手がそっとふれた。 なぁに、わしはしぶといからのぅ。もう一度やってこいと追い返えされたんじゃ。 もう、大丈夫だよ。 ひなは頷くと涙を拭って言った。 もう、誰かのためなんてやめてね。お爺ちゃんは世界でたった一人のひなの大事なお爺ちゃんなんだから。 ひなの言葉を聞くと、お爺ちゃんはベットの横を指さした。そこにはひなと弟がお見舞いに書いた何枚もの絵が飾ってあった。 あの絵を見て元気をもらってたよ。元気になって花壇の世話をして、お前たちと花に囲まれて笑って過ごす夢を何度も見たんじゃ。有難う。元氣になったら続きの絵が見られなくて残念だがなぁ。。 お爺ちゃんは、ゆっくりゆっくり話をすると、ひなの方を見て嬉しそうに笑った。 大丈夫だよ。 何枚だって、ひなが婆ちゃんになったって書いてあげる。 だから、元気なっていっしょに花壇を作ろうね。 2人が見つめる窓の外では、桜の枝に蕾が膨らんでいた。 嬉しい気持ちと安心が入り交じったこそばゆい気持ちで、ひなは窓から空を見上げた。 病室から見下ろす桜の足元には、小さなパンジーが嬉しそうに花びらをゆすりながら、風にキラキラと光っていた✨✨✨ 黄色のパンジーの花言葉は「つつましい幸せ」 第20話の📍のテーマは『つつましい幸せ』です 🌱ビオラ タイガーアイ 印象的な格好いい花ですね🎶。 蝶の羽の模様のような花びら🦋🦋🦋午後の光が当たって、風の中を飛び立っていきそうでした🥰
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【ピンクッション物語】第19話 ねえ 、お母さん お母さんはどうして今の仕事を選んだの? 今日は、珍しく帰りが早かった母と、こたつでみかんを食べながら美幸が聞いた。 美幸の母は老人ホームで働いており、いつも帰りが遅かったが、その日は用事があって半日休をとったので、久しぶりにのんぴりしていた。 どうしたの、急に? それって、学校の宿題のインタビュー? やだぁ、違うよ。 毎日会ってるのに、仕事の話をちゃんと聞いたことがなかったなって。 そうねぇ、ほんとは、人の役に立つためとか格好いいことを言うと、母親として尊敬されるのかも知れないけど。。 笑いなが母は続けた。 たまたま家の近くに求人があったのよ。そこに『ゆったりとお年寄りのお話し相手』なんて書いてあるから、ゆっくり楽しくできそうな仕事で良さそうって思っちゃったのよ。 それに、職場が近いから、お昼を家に食べに帰れるかもなんて思ったのよね。あなたは、小さい頃体が弱くてよく熱を出してたしねぇ。 そうなの? それで、実際は? 募集要項の話しは、最高のエサで、母さんはまんまと食いついちゃったと言うわけ😁でも、入ったら結構激務だったのよ。 ほんと。しんどい、しんどい。 こんなに肉体労働とは思わなかったわ。それに、人間関係もいろいろとあるしね。 そうなんだ。 お母さんよく長い間続けてこれたね。 そりゃあ、やめたいと思ったことは一度や二度じゃないわよ。でも、家の近くで働ける所なんてそうそうないしね。職場の同僚は恵まれたしね。女性が多い職場だからね、人間関係が良くないと噂を聞くホームもあるけど、うちは家族的で恵まれてるかな。それに、入所者さんがくれる笑顔は励みになるしね。 そうかぁ。じゃあ、お母さんはまずまず幸せな職場で働けてるんだね。老人ホームなら、職場が倒産することもないから安心だね。 すると、母がため息をついた。 どうかねぇ。 最近、具合の悪い人が増えてきて、今日は誰かが急変しないかってヒヤヒヤだよ。流行りの病のせいか、注射のせいかわからないけどね。 どこも大変なんだね。 うちの学校の用務員さん、友達のひなちゃんのお爺ちゃんなんだけど。この前、注射のあと入院しちゃって大変だったみたい。それで、ひなちゃんから、注射は受けないでっていろいろ教えてもらったの。 母さんは、もう二回打ったから 注射をしなくても大丈夫なんでしょう? いや、それがね、施設長から3回目も全員受けるように言われてねぇ。3回目は、後遺症も酷いらしいしね。母さんは2回目の時に、熱が出て寝込んじゃったから『今度はやりません』って言ったんだけどね。職員が全員申し込んでいて、『一人やらないでうつったらどうするの?』ってみんなから言われて、受ける羽目になっちゃったよ。 注射は明後日だから、その日はご飯の支度を頼んだよ。 えっ!もうすぐじゃない! ダメだよ。中に入ってる成分が劇薬なんだよ。ちゃんと説明書に書いてあるよ。打ったら自分の免疫も攻撃するから、3回目からは免疫が限界で、激落ちしてエイズみたいになっちゃうらしいよ!ねぇ、キャンセルできるんでしょ、キャンセルしてよ! 美幸は必死に母を説得したが、母は『それは陰謀論よ』ととりあわなかった。 偉いお医者さんも大丈夫って言ってるし、それに、受けなかったらやめなくちゃならなくなるでしょ。そしたら、明日からどうやって食べていくのよ。 このご時世で、次の仕事なんか見つからないわよ。 父さんも同じ考えなのよ。 だったら、打った後1444人も亡くなってるし、重い後遺症で今も苦しんでる人が6349人もいるんだよ。ものすごい数でしょう。ひっきりなしの救急車の音、母さんも聞いてるでしょう? 美幸が必死で説得したが、母は、みんな受けるし、私は丈夫だから。と笑って受け付けなかった。 それどころか、 あっそうそう。 実はね、お父さんもおんなじ日に予約したのよ。父さんの会社も全員打つように勧められたって。2人で行った方が、何かあっても心強いねって一緒に打つことにしたんだよ。 え~っ!ダメだよ! 何かあってからじゃ遅いんだよ。治療薬も、後遺症を戻す方法もないんだよ。死んでも注射のせいだって認められた人は一人もいないんだよ。異物混入の注射液で死んだ人もいるのに、謝罪も中止にもならないんだよ。賞味期限の切れた注射を、賞味期限を伸ばして打ってるんだよ。しかも、ひとつ前のウイルス用に作った注射を打ってるんだよ。おかしいでしょ。だからお願い、キャンセルして! 美幸は必死で説得したが、 母は大丈夫よ、心配しすぎ。 と笑って席をたってしまった。 どうして声が届かないんだろう。どうして、ちゃんと聞いてくれないんだろう。 美幸は、母を説得できなかった事が悲しくて涙が止まらなかった。重い足取りで階段を登り部屋へ入ると、ベットにたおれこんだ。 みんななんで命がけで注射をするの!命より重い仕事なんてあるの!みんなを苦しめて、家族もバラバラにして、こんなの間違ってる!美幸は一晩中泣き続けて、その晩は一睡もできなかった。 (続く) 19話の📍ピンは 「エリカ」の花言葉「孤独」です。 🌱エリカは、別名「ヒース」と呼ばれ、英語で「荒野」という意味を表すそうです。ヨーロッパの広い荒野に自生するエリカ、圧巻の風景なんでしょうね。花言葉「孤独」や「寂しさ」は、たくさんの花を咲かせるエリカの花からは想像がつかない花言葉です。寒風の中、ピンクの透き通るような優しく美しい花を咲かせていたエリカの花に、荒野に咲くエリカの姿を重ねました。白に紅をさしたようなエリカがとても綺麗でした。 🌱
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