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八ヶ岳南麓の一覧

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一筆狼
桐。(長文)桐は樹高10~15mにもなる高木のため、遠目に紫の花が上向きに咲いていると思い込んでいた。首相の記者会見の演題につけられている「五七の桐」の紋章も桐の葉三枚に桐花が上向きなっていたせいもある。左右の花が五で真ん中の蕾が七の意味らしいが、図案は花も蕾も同じに見える。 こんな間近で桐の鐘型の花を見たのは、初めて。たまたま渓流沿いの堤防脇から目線の高さに生えていたため、最初はすぐ桐の花とはわからなかったほど。思った以上に花が大きかった。強い芳香があるのに手が届かなかったので、嗅いでいない。 桐は日本の樹木の中で最も軽く(桐の比重が0.19〜0.30。杉=0.38、カラマツ=0.50、ケヤキ=0.69、黒檀=1.16。比重が1より小さいと水に浮く。)、また湿度の透過性、熱伝導率が極めて小さい。 タンスで考えると、湿気がある時はふくらんでタンスの機密性をよくし、乾燥時は隙間をつくり、通気がよくなる。木が呼吸するように乾湿調整をしてくれるので、衣類の保存には最適。 また熱伝導率が低いのは、着火点が高く燃えにくいことを意味する。金庫の中に桐を張るのは、火災などで外側の金属が熱くなっても内側は燃えにくく、自然発火しにくくするため。金庫内に札束が入っていてもまず燃えない。 もっとメリットもあるが、「キリ」がないのでこのくらいにする。ダジャレはさておき、「キリがない」は桐ではなく「切り」と書く。高温多湿の日本で桐は古来より重宝されてきた証しであろう。
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一筆狼
合田草。(長文)ルナリア、ギンセンソウ(銀扇草)、ギンカソウ(銀貨草)、オオバンソウ(大判草)とも。(別名は花後の実が、半透明なうちわのような形をしているところから、名付けられている。ルナリアもラテン語のルナ=月から来ている。) いつも通っている里山の荒れ地に、暗紫色の派手な色合いの花を見つけた。園芸種かと思ったが、野生化した帰化植物としていまでは道の辺に咲いているようだ。 合田草は人名から採られているが、これはめずらしい。寡聞にして平敦盛から採ったアツモリソウや熊谷直実のクマガイソウ、ムラサキシキブくらいしか思い出さない。 東京芸大の前身の東京美術大教授の合田清氏が花のパリから種子を1901年(明治34年)に持ち帰ったところから名付けられたようだ。合田教授は、もともと農学研究のため留学して、なぜか木口木版技術を習得したようで、パリで見つけたルナリアが日本にないことを知っていたのだろうか。 この先駆的な活動は評伝があれば、読んでみたいものだ。合田教授より24年遅れて生まれた画家の藤田嗣治(つぐはる)の「自画像」に雰囲気がよく似ている。日本の黎明期に持ち込まれた種子から広がった合田草の120年後。この花をあらためて感慨深く見てみよう。
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一筆狼
坐禅草。達磨草とも。(超長文)。 近くに「三分の一湧水」という日本名水百選の湧水公園がある。めずらしい名前の由来は、三つの村が湧水の水利権争いをしていたのを、石ひとつで平等に分配できるように円満解決したところからつけられた。正三角柱の石は流れにひとつの角が正対するように据えられている。これだけの知恵できちんと三方向の水路に同量の水が流れているのだ。 この知恵は武田信玄と言われているが、実際は地元の名主である。どうもなんでも信玄の功績にする眉唾ものが多いのは、当時信長も畏れていた最強の戦国大名だからやむを得ない。ともかく初めて見た人は、なるほどと大きくうなづいて、旨い水を飲んで帰る。 その公園の一画にあるのが坐禅草の保護自生地。暗紫褐色の仏炎苞が落葉のなかからいくつもにょきにょき出ている。(ちなみに水芭蕉は白い仏炎苞) たしかに岩穴で僧侶が坐禅を組んでいるような花序に見える。この時期、まだ訪花昆虫が少ないので、呼び込むために花を含めて全草に悪臭がするようだ。英語では露骨にスカンク・キャベツと命名されている。 もうひとつ大きな特徴は、花序が約25度まで発熱する。たとえ雪が積もっていても、樹木の「雪えくぼ」のように茎のまわりを溶かす。まだ解明されていないようだが、この発熱メカニズムによって、いち早く花を咲かせることができるらしい。 湧水に惹きつけられても、坐禅草をお見逃しなく。
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