大金鶏菊(オオキンケイギク)

キク科キンケイギク属の多年草。明治時代中期に観賞用で移入され、その後野生化した北アメリカ原産の帰化植物。痩せた土地でも丈夫に育ち、寒さに強く葉姿も美しいため、観賞用のほかに道路の法面や堤防などの緑化にも利用された。しかし、繁殖力が強いため河川敷や道路沿いなどで手に負えないほど殖えてしばしば大群落をつくる。現在では特定外来生物に指定され、栽培、保管及び運搬、輸入、野外へ放つといった行為が禁止されている。

草丈は３０～７０㎝、茎葉は狭倒披針形、根生葉は花時にも残る。花茎の先に頭花を単生する。つぼみは球形で、総苞に囲まれて星のような形に見える。花期は４～７月。花の直径は５～７㎝、頭花の中心部に筒状花が多数集まり外側に舌状花が並ぶ。筒状花、舌状花ともに橙黄色。花冠の先は４～５裂する。痩果は扁平、暗褐色で半透明の薄い翼がある。

和名の由来になった金鶏とは中国に生息するキジの仲間で、このオスの羽色に似ているというのでこの名がある。近縁のキンケイギクは、栽培されるが野生化することはほとんどない。よく似た近縁種のキバナコスモスは葉が羽状に細かく切れ込むので区別が可能。

出典『植調雑草大鑑』『散歩の草花図鑑』『四季の野の花図鑑』