真弓／檀(マユミ)

ニシキギ科ニシキギ属の落葉小高木。野山の明るい林や林内に生え、公園樹や庭木として植えられる。葉は長楕円形で対生する。雌雄異株だが両性株もある。花期は５～６月。淡緑色の４弁花が咲くが、小さな花で葉の色に溶け込んであまり目立たない。秋に熟す実は径１㎝の四角形で淡紅色、果皮が４裂し橙赤色の種子が吊り下がる。種子の表面に果肉状の仮種皮(かしゅひ💬種子の外側を被って種皮のように見えるもの。普通の種皮より柔らかく肉質)があり、これが鳥への報酬。春の新芽は山菜として利用されるが、実は有毒なので食べられない。

材は割れにくくしなりがあるため、昔は弓の材料に用いられたことが名の由来。象牙色をした材は緻密で堅く、将棋の駒やこけし、玩具などの材料にも使われる。

果皮が乳白色に熟すシロミノマユミもある。よく似た名前の子真弓(コマユミ)は錦木(ニシキギ)の変種であり、本種とは無関係。

出典『里山の植物ハンドブック』『季節を知らせる花』