「コピアポア🏜️」

砂漠の朝日が昇るころ、コピアポアたちは灰銀色の肌をほんのり温めながら、ゆっくりと一日の呼吸を始める。

チリのアタカマ砂漠――世界で最も乾いた地に生まれた彼らは、霧（カマンチャカ）から水を集める名人で、丸い体の中にそっと蓄えて生きる。

黒ずんだ棘は強い日差しを和らげるための影となり、老成すると黄金色の刺や白い粉をまとう種もあって、砂漠の宝石のようだ。

成長はとてもゆっくりで、拳ほどの大きさになるまで何十年もかかることもある。

それでも彼らはあわてず、乾いた風に身をゆだね、夜の寒さに身を縮めながら、少しずつ少しずつ世界を味わっている。

もしあなたがそっと近づけば、長い時を超えて生きてきた小さな仙人のように、静かにこうささやくかもしれない。

「急がなくていいよ。砂漠にも、ちゃんとぬくもりはあるんだよ」と。

(ほっこりポエム)