三角草(ミスミソウ)

キンポウゲ科スハマソウ属の多年草。落葉樹林内に生える。葉は根生し、長柄があり、葉身は3浅裂し、先は尖る。花期は3～4月。花は直径1〜1.5㎝、花弁状の萼片は6〜10個、長楕円状披針形で、白色、淡紫色、淡青紫色、淡紅色など変異が多く、特に日本海側のものは花が大きく色も濃い。

葉の形が三角形に近いが、それぞれの角が鋭く尖ることから、3つの角と書いて三角草という。この植物の中には、地域によって丸い葉を3つ重ねたタイプもある。弧状になった砂浜を『洲浜(すはま)』というが、それに見立てて丸い葉のタイプを『洲浜草』と呼んでいる。なお、このタイプの葉の形によく似た家紋を『洲浜紋』という。また、本種には雪割草(ユキワリソウ)という別名もある。サクラソウ科にも同じくユキワリソウという名前の花があるが、名前の由来は共通する。雪が解けてくる頃に花を咲かせる。植物のそばは暖かいとみえて雪解けが早い。日が差すと花が開き、あたかも雪を割るような姿で現れる。その様子から雪割草という。

出典『山に咲く花』『野草の名前 春』