吊花(ツリバナ)

ニシキギ科ニシキギ属の落葉低木。山地の林に生え、時に庭木にされる。ひし形の葉には細かい鋸歯が入り、波うつことが多い。芽は細く尖る。花期は5～6月。花は小さく、下垂する花序に数個つく。やや紫色を帯びた淡緑白色の花が平開する。本種は5数性で、花弁5枚、果実5裂の特徴がある。果実は蒴果。赤く熟すと5裂し、朱赤色の仮種皮に包まれた種子を出す。仮種皮を剥くと卵形の種子が出てくる。種子は光沢がある。果実に種子は2〜5個。蒴果は長い柄でぶら下がり、秋によく目立つ。

長い柄のある花序を下向きにつけ、初夏に花を吊り下げる。その姿が名前の由来。


よく似た近縁種との違いは次の通り。

ツリバナ
・花は5花弁で花色はやや淡紫色を帯びた淡緑白色、
・果実は5裂し、翼はない

オオツリバナ
・花は5花弁で花色は淡緑白色
・果実は5裂し、翼がある

ヒロハツリバナ
・花は4花弁で淡緑色
・果実は4裂する

サワダツ
・高さ約1mの低い木
・蒴果は径約1㎝で5裂する

出典『葉っぱで見わけ五感で楽しむ樹木図鑑』『樹木の事典 600種』『草木の種子と果実』『樹木の名前』『樹木 見分けのポイント図鑑』