姫紫蘇(ヒメジソ)

シソ科イヌコウジュ属の1年草。山野の林の縁や道端に生える。茎は四角形で稜には下向きに曲がった短毛があり、節にも白い毛が生える。葉は対生し、長さ2〜4㎝、幅1〜2.5㎝の卵形〜広卵形でやや薄い。縁には粗い鋸歯があり、裏面には腺点がある。花期は9～10月。枝先に長さ3〜7㎝の花穂を出し、淡紅紫色または白色の小さな唇形花をややまばらにつける。花冠は長さ約4㎜で、筒部は短く、上唇は3裂、下唇は先端がへこむ。萼は長さ2〜3㎜で、上下2唇に分かれ、上唇は3裂、下唇は2裂する。上唇の裂片の先は尖らない。果実は分果。宿存萼の中に4個できる。分果は卵円形で、果皮は粗い網目模様がある。

よく似た犬香需(イヌコウジュ)は上部の萼裂片が鋭いのが特徴。

全体に食用にするシソに似ているが、より小形なのでこの名がある。

出典『野に咲く花』『草木の種子と果実』『四季の野の花図鑑』『秋の野草』