ぼくは、あの時、なんにもわからなかったんだよ。
あの花のいうことなんか、とりあげずに、
することで品定めしなけりゃあ、いけなかったんだ。

ぼくは、あの花のおかげで、いいにおいに包まれていた。
明るい光の中にいた。だから、ぼくはどんなことになっても、
花からにげたりしちゃいけなかったんだ。

ずるそうなふるまいはしているけど、 根は、やさしいんだということを 汲み取らなきゃいけなかったんだ。

〜サン＝テグジュペリ【星の王子さま】より〜


あの花というのは王子さまの星に咲いていた赤いバラのことですね

我儘で見栄っ張りなバラでしたが、王子さまは口答えもせず大切に育てていました
しかし、それも限界がきて傷ついた王子さまはバラを残して 星を去っていきました

しかし旅をするうちにバラが枯れて消えてしまう儚い存在である事に気づき、バラを置いてきてしまった事を後悔します

「いちばんたいせつなことは、目に見えない。
君が君のバラのために失った時間こそが、君のバラをかけがえのないものにしているんだよ」　
とキツネに言われる王子。

いくらほかにたくさんのバラがあろうとも、自分が美しいと思い、一生懸命世話をしたバラはやはり愛おしく、自分にとって一番のバラなのだと

「言葉じゃなくて、
してくれたことで
あの花を見るべきだった。
あれこれいう陰には愛情があったことを
見ぬくべきだった」

切ない後悔の場面ですね
こういう事ってあるある

素直にならなくちゃ
星の王子さまを読み返して物思う昼下がり

※このバラのモデルはテグジュペリの妻だと言われています
お互いに愛人がいたり何度も破局の危機をむかえた結婚生活だったとか

でも　きっと気づいたのね
奥さんが、かけがえのない存在だったということを〜


〜捨てられない花殻たちを花瓶に集めて〜