青桐(アオギリ)

アオイ科アオギリ属の落葉高木。日本南部から東南アジアに自生し、並木や公園にも植えられ、野生化もしている。広島の被爆アオギリは有名。樹皮は灰緑色であるが、古くなると緑色は淡くなる。葉は互生、大型で先は尖り3～5つに分かれ、長い柄がある。花期は5～6月。枝先の円錐花序に花弁のない小さな緑白色の花を多数つける。反り返った5枚の萼が花弁の役割を果たす。花は直径約1㎝で、雄花と雌花が混じる。果実は蒴果、花後すぐに5つに分かれ、それぞれ袋状に膨れて成長する。袋の内部には水がたまり、種子は水の中で育つ。夏に袋は上部から縦に裂けて開き、5艘のボートができる。その縁にグリーンピース大の緑色の種子が2～4粒つく。種子は後に茶色になり、水に浸かっていたため表面はしわとなる。種子を乗せたボートは風に乗って宙を舞う。種子が重心の軸となり、くるくると回転し、ゆっくりと落下する。種子は炒って食用もしくはコーヒーの代用になる。

白樺(シラカバ)、姫沙羅(ヒメシャラ)と並び三大美幹樹とされる。

昔は緑色のことを青といった。アオギリは樹皮が緑色なとで青がつき、葉が桐の葉に似るのでついた名前。

出典『身近な草木の実とタネ ハンドブック』『原寸で楽しむ身近な木の実・タネ』