シロザ

ヒユ科アカザ属の一年草。ユーラシア原産で古い時代に広く帰化したと考えられる史前帰化植物。同じく古い時代に中国から渡来した藜(アカザ)より早く渡来したと考えられる。縄文、弥生時代の住居跡の土器の中から種子が見つかっているので大昔から食料として利用していたことが分かる。畑や道端、荒れ地など至るところに生える。若葉は食べられる。若葉は白い粉状物に覆われ白っぽく見える。これは、葉の表面の細胞が球状に飛び出したもの。茎の下部の葉は菱状卵形～卵形、上部の葉は細長い。縁には不揃いの歯牙がある。花期は9～10月。花は黄緑色で小さく、穂状に集まってつく。花披片は花の後も残って胞果を包む。果皮の中の種子は直径1～1.3㎜の扁平な広楕円形で、黒くて光沢がある。

本種はシロアカザの別名もある。アカザの名があり、それからシロアカザ、シロザになったと思われる。漢字名は、アカザの和名が漢名の『藜(れい)』を当てていることから本種は『白藜』とする説があるが、この説は間違いとする説もあり、正しい漢字名は不明。

出典『野に咲く花』『秋の野草』『形とくらしの雑草図鑑』『四季の野の花図鑑』