錦木(ニシキギ)

ニシキギ科ニシキギ属の落葉低木。野山の落葉樹林や林縁に生え、庭や生垣に植えられる。枝にコルク質の翼が矢羽のように張り出すのが特徴で、翼のない品種を『小真弓(コマユミ)』といい野生の個体に多い。葉は倒卵形で対生し鋸歯がある。花期は５～６月。葉腋に目立たない黄緑色の４弁花をつける。果期は１０～１２月。楕円形の果実は暗紫色に熟すと裂け、中から朱色の種子が現れて吊り下がる。種子の表面は仮種皮(かしゅひ💬種子の外側を被って種皮のように見えるもの。普通の種皮より柔らかく肉質)に覆われていて、鳥はこれを目当てについばみ種子を運ぶ。ツリバナと同じく、昔は果実をシラミ駆除に利用した。

秋の紅葉が錦(絹の織物)のように美しいことからついた名前で、日向では真っ赤に、日陰ではピンク～淡いレモンイエローに染まる。『錦を飾る』の祝意から学校に植えられることもある。

出典『里山の花木 ハンドブック』『里山の植物 ハンドブック』