エケベリア属、ピーチアンドクリーム。

まさしく桃のような色合い。
そう、今日は桃太郎について深く考えてみたいと思う。
多くの昔話は、当時起こった出来事を後世に残すために、あるいは多くの人々に伝達されるように実際にあった出来事を比喩したり、誇張したり、あるいは異なる事柄にすり替えて展開している。
なぜ、普通の人間、普通の犬、普通の猿、普通の雉が、屈強な鬼に勝ち得たのか。
そこには現在の物語にない隠された真実があるに違いない。
そういったことまで鑑みて桃太郎を書いていきたいと思う。


昔々あるところにおじいさんとおばあさんがいました。
ある日おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に出かけました。
おばあさんが川で洗濯していると大きな桃がどんぶらこ、どんぶらこと流れてくるではありませんか。
大きな桃を川から引きあげたおばあさんはすぐさま家に持ち帰りました。
家に帰ったおばあさんはおじいさんが帰宅するのを待ち、帰宅と同時に大きな桃の話を持ちかけた。
「山で洗濯をしていたら大きな桃が流れてきたんじゃ。さっそく切ってたらふく食べようじゃないか」
桃を切るとなんと中から赤ん坊が。
おじいさんとおばあさんはしこたま驚きました。
子供のいなかったおじいさんとおばあさんは赤ん坊を「桃太郎」と名付け大切に育てました。
大きくなった桃太郎は、当時そこら中の村を襲い、金品財宝を強奪する鬼の噂を聞き、鬼退治に出かけることを決意しました。
おじいさんおばあさんは強く止めましたが桃太郎の強い意思は変わりません。
とうとう諦めたおじいさんおばあさんはきびだんごを作りました。
きびだんごには怪我をしたときなどの痛みを止めたりするときに古くからその村で使われていた薬草が練り込まれました。

鬼は鬼ヶ島に住んでいるという情報を入手した桃太郎はすぐさま鬼ヶ島に向けて出発しました。
旅の道中、犬、猿、雉がそれぞれ仲間に加わり、それぞれにきびだんごを配りました。
きびだんごを食べた動物たちは、突然目が血走り、筋肉がムキムキになり、明らかな精神異常をきたしていました。
桃太郎的には、「あれ？なんかおかしいなぁ。思ったんと違うけど、みんなモチベーション高めなんかな？」と感じていたようですが、本当は村に伝わる薬草がちょっと危ないやつだったのです。
そんなことを知る由もない桃太郎はついに仲間たちと共に鬼ヶ島に上陸。
犬は狂ったように鬼に噛みつき、猿は常軌を逸した俊足で鬼の背後に周り関節を極め、雉は電光石火のごとく鬼の目を突きました。
桃太郎はそれを見ていました。
なんなく鬼達を撃破した桃太郎たちは鬼が強奪した金品財宝を村に持ち帰ったのだった。
動物たちは鬼退治の後もしばらくきびだんごを欲し、悶え苦しみましたが、事の原因が薬草だと知ったおじいさんとおばあさんはそれを止め、この話を広く伝えることで危険薬物の危険性を世に広めようと考えました。

おしまい



危険薬物の過量な摂取は鬼を圧倒してしまうほどの強い肉体的変容を促すので絶対に行ってはいけません。
この物語の後に、きびだんごに混ぜられた薬草は違法薬物と指定されました。桃太郎は善意無過失できびだんごを分け与えていたため、処罰の対象とはなっていません。
この出来事の後、伝承が後世に伝わる間に違法薬物の話は言及されないようになり、現在伝わる「桃太郎」の物語となりました。