エケベリア、イードンスノー。
良い天気で雲一つない青空が広がっています。

あの大空を飛んでみたい。
誰もが一度は願ったことがあるんじゃないでしょうか。
だからそこ、ドラえもんのタケコプターだったり、ドラゴンボールの舞空術だったり、ジブリの魔女の宅急便のように、空を飛ぶ憧れを描写したアニメや漫画が多数生まれるんだと思うのです。

しかし、現実は甘くはありません。

タケコプターに人間を持ち上げるだけの動力があるとしても、その尋常じゃない回転速度に私の頭は胴体からもぎ取られることになるでしょう。

舞空術とかそもそも無理だし。仮に飛べたとして風圧で目とか開いてられないし。

魔女になっても、どんだけ体幹を鍛えたらあんな細いホウキに安定して座ってられるのだろうか。そもそも股関節がもたない。


幼い頃、私も皆と同じくして、空を飛びたいと夢見たが、タケコプターや舞空術といった非科学的なことは鼻から信じてやいなかった。
むしろ、皆の幼稚な発想を卑下して見ていた節さえある。

いやいやいや。
そんなんじゃ飛べないし( ^ω^ )

もっと、現実的に。
夢は実現させるもの。

今考えてみると人類初の有人動力飛行を成し遂げたライト兄弟の考え方に近いかな？



私が着目したのは忍者の身体訓練だ。
「麻の苗木を毎朝飛び越える」ことで、高く飛べる説だ。

ちょっとづつ成長する植物で毎日少しづつ訓練すれば空だって飛べる。
努力はいつか報われる、的な発想にも結びつくしごくそれらしいアイデアだ。
1日1ミリづつ高く飛ぶ、簡単なことじゃないか！

月に3センチ、年に30センチ。
10年後には3メートル。
まあまあいい感じじゃないか！


私は母親に頼み麻の苗木を植えた。

私はきちんと毎日麻の苗木を飛んだ。
ワクワクしていた。
夢見るだけのみんなとは違う。
こんなに早くから夢の実現に向けて始動した自分を誇らしく思った。

まさにそんな矢先。
葉先が私の足に触れる。
え、まだ飛びはじめて数週間だけど？
けっこう木の成長早いじゃん。

少しだけやる気を削がれた私は数週間、麻の苗木を飛ぶのをやめた。

しかし夢の実現に貪欲な私はまた気持ちを奮い立たせ、麻の苗木の前にたった。

そこには私の身長を超えるような麻の苗木、否、麻の木が立ちはだかっていた。

私は尋常じゃない麻の木の成長に驚愕すると共に、夢なんて描くまいと子供心に誓った。


今日の植物からの学び。
自然の偉大な力の前では人間なんて無力なり。