セネシオ属、サギナータ。

「ちょっと待ちたまえ。サギナータスくん」
「見た目からしていつ注意しようかと思っていたところだか、やっちまったな。現行犯だ。」
「なんなんすか。先生に注意されることなんてなんもしてないっすけど。」
「頭だよ、頭。」
「地毛っす」
「みんなそう言うんだよ。お前の場合、もはやニョロニョロしてるじゃないか。」
「なんか突然頭から生えてきたんす。オシャレじゃないっすか？」
「先生を舐めきってるな！取れ！その頭に付けてるアクセサリーみたいの取れ！」
「いてーよ！いて、痛い。」
「取れ、この、この、あれ？」
「あれれ？先生？あれれ〜？(ニヤニヤ)」
「は、生えてるな、ほんとに。すごいね」
「痛かったなー。暴行って罪なんじゃないかな〜。疑われた精神的苦痛で立ち直れないかもな〜。いーけないんだ、いけないんだ、こーちょー先生に言ってやろー」


先生は悟っていた。
今、自分は人生においての重要な岐路に立たされていると。
判断を一つ間違えば、サギナータスくんが校長先生にチクってしまう。
モンスターペアレンツが横行し、教師の人権なんてないに等しいこの時代。
悪いのはたしかに自分だ。
あのヘンテコなやつ、たしかに生えてた。
しかしだ、おれにだってプライドがある。
大丈夫。
校長にはバレやしない。

「先生にその言葉遣いはなんだゴルァァァ！校長に言ったらどうなるか分かってるんだろうなァァァァ！」

「やっちまったな、先生」

ベリベリ。バリバリ！

「こ、校長！」



今日の多肉様からの教訓。
悪いことをしたら素直に謝ろう。