旱蓮木(カンレンボク)

ミズキ科カンレンボク属の落葉高木。中国中南部原産で大正時代に渡来した。庭や公園に植えられる。花期は７～８月、枝先に頭状花序を３～５個つける。黄白色の小花が球状につき花柱が目立つ。果期は９～１１月。果実は痩果で、バナナ形の果実が球状に集まり淡黄褐色に熟す。果実のひとつひとつに翼があり角ばっている。根、果実などにアルカロイドを含む毒性の強い成分がある。中でもカンプトテシンの毒性反応が強く、肝臓に強く毒性が及ぶという報告がある。抗がん剤や抗白血病薬に用いられ、胃がんや直腸がんなどに効果があるともいわれる。

高木になることから中国では千丈樹、旱蓮木の名があり、和名のカンレンボクは中国名に由来する。また、キク科の高三郎(タカサブロウ)の別名にカンレンソウ(タカサブロウを乾燥させた生薬名)があり、本種の花が似ていることから、カンレンソウに似た木でカンレンボクの名がついたという説もある。別名の喜樹(キジュ)は生長が早くすくすく伸びることを喜んだ名前。

出典『都会の木の花図鑑』『樹に咲く花』