万 葉 集 令和２年 ８月の うた
８月の草花 ： 桔 梗 ( キキョウ )
作 ： 作 者 未 詳

読 ： あさがお は あさつゆ おいて
さくと いえど ゆうかげに こそ
さき まさり けれ

訳 ： 朝顔の花は 朝露を 花びらに
のせて 咲くと いうけれど、
むしろ 夕べの 光の中で こそ、
より一層 美しく 咲くのだ なあ 。

解 説 ： この歌で 詠まれている
🌄朝顔は、現在でいう 桔梗という
説が有力だが、昼顔、或いは木槿と
いう説も有り、定まらない 。
『 影 』は 古語では 『 光 』の意味 。
夕日の華やかな光✴️に 咲き勝るのは、
やはり桔梗( キキョウ )の、凛とした
気品のある姿と 紫色で あろう 。

中世には 現在の 朝顔が 広まって
いたらしく、一日で しおれる🥀
儚さが 仏教の 無常感と 結びついた 。
有名な『 方 丈 記 』の 冒頭部分
にも 『 朝顔の露 』の叙述が有る 。