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けいちゃん
燃えつきたわ と、こだまちゃんが言った。 わたしは、こだまちゃんの言葉の続きを待つ。 わたしたちは暖かい土手の上に座って、並んで川面をみつめている。 だって、もう十八年… 追っかけだして十八年だよ あたしの推しは、もう、封印する こだまちゃんは、封印する、と語尾を強めた。 こだまちゃんの推しは、“グラスホッパー”という名前のロックバンドだ。 ネーミング通り、歌いながら、ぴょんぴょん飛び跳ねる。 こだまちゃんは、コンサートツアーが始まると、彼らを追っかけて、散々ぴょんぴょんしまくったあと、ゾンビのように疲れきった顔で帰ってくる。 それでも昔は、二日もすると復活して、わたしと遊んでくれていたのだけれど、年齢とともに体力回復に時間がかかるらしく、こだまちゃんの生活に支障をきたすようになってきた。 ツアー後は、わたしも気を遣ってそっと見守るだけの時間が長かったから、こだまちゃんの推し活終了宣言をきいて、内心ほっとしていた。 なんかさ 歳をかんじるよね、こういうの… こだまちゃんは少し寂しそうだ。 わたしは、こだまちゃんを元気づけようと、変顔をしてみる。 この前、鏡の前でやったら思わず吹きだしてしまったやつだ。 でも、こだまちゃんは、まっすぐ川をみつめて、こちらを見てくれない。 こだまちゃんの方を向いたまま、しばらく変顔を維持していたけれど、疲れてしまって諦めた。 あっ、そうだ 旦那が出張先で買ってきた美味しいお菓子があるんだった。 こだまちゃんと食べようと思って持ってきたお菓子。 鞄のなかを、ごそごそと探して、その小さな包みをこだまちゃんの膝の上に置いた。 栗だかさつま芋だかを潰してギュッと絞ったような可愛らしいお菓子。 こだまちゃんが、ニヤッてなった。 やった。 こだまちゃんが喜んでいる。 わたしたちはお菓子を食べながら、これからの楽しいことの話をした。 こだまちゃんは、時間ができたから、やりたい事やってしまうと言っている。 そうだね。 てか、こだまちゃん、ずっとやりたい事ばっかりやってるし。 おいしい小さなお菓子は、すぐになくなって、美味しい余韻だけが口の中でころがっていた。
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けいちゃん
くつ下を履かせてくれるという店に行った そんなの自分で履けばいいじゃない ほんと、その通りです でも行った 店があるのは、烏の森町三丁目0番地 新しくもない普通のビルの1階にドアだけの店 窓は、覗かれるのが嫌な客のために、ひとつも無い 上の階には、店主が住んでいて、窓の柵にヒラヒラと怪しげな洗濯物が干してある いつ着るの?どこで着るの?と問いたくなるような服ばかりだ ドアを開けると、夜のバーみたいにオレンジ色の灯りに照らされたカウンターがあった 店主だろうか、カウンターの下からニョキッと小さな顔が出てきた 「いらっしゃい」 痩せた小さなおっさんだった やはり、マジシャンのような怪しい格好をしていた 「くつ下ね」 変な格好のおっさんが、当たり前のような口調で言う 私が困惑して固まっていると 「あ、だいじょうぶ、女のお客さんには女性を付けるから」 そう言って「キミちゃん!」と叫んだ カウンターの奥から、そのキミちゃんらしき女性が顔をだした 「はいはい、まいど」 キミちゃんは、少しふくよかでお化粧がケバかったけど、愛想のいいおねえさんだった カバンの中から、お気に入りのくつ下を取り出すと、キミちゃんが「かわいー♡」と褒めてくれた 言っておくが、見たところキミちゃんと私は、さして年齢もかわらないはずだ もしかすると私の方が年上なのかもしれなかったが、キミちゃんは人を包み込むような、甘えさせてくれるような頼れるお母さん的雰囲気を醸し出していた キミちゃんが、案内してくれた椅子に座って、言われるがまま、オットマンのような箱に足をのせた 店主は、既にカウンターの中で、何か飲みながらテレビなんかを観ている 再放送の科捜研の女だなと思った わたしはドキドキしていた いよいよ、くつ下を履かされる… テレビの中の沢口靖子が「いいわね!!」と叫んだ (いいのかしら…自分で履かないなんて…) 少し、後ろめたさを感じたが、今ここでストップ!とは言えない 科捜研の女に見守られながら、私はくつ下を履かされた キミちゃんは手際よく、くつ下を履き口からつま先に手繰り寄せ、私の足のつま先にかぶせた 丁寧に上まで伸ばしたあと、つま先が痛くならないように、くつ下の先を自分のほうに少しだけ引っ張った 伸ばし方といい、踵の収まり具合といい、つま先のゆとり感といい、それは完璧だった そして最後に、魔法をかけるみたいに両手でポンポンポンと軽く、足の側面から甲にかけてリズミカルに叩いてくれた 本当に素晴らしかった 「キミちゃん、ありがとう」 思わず言葉がでた 店主にお代を払って、店から出ると暖かい陽光がわたしを照らし、スポットライトを浴びたように眩しかった 下校中の小学生の群れが目の前を横切っていった お喋りをしながら楽しそうだ 私も愉しい気分で口笛を吹きたいくらいだった 傘さえあれば、メリーポピンズみたいに踵をあわせて飛んでいけそうな気がした あまりに嬉しくなったので、久しぶりに高級そうな方のスーパーでお魚を買って帰ろうと思った
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けいちゃん
ラジオでよく宣伝している漢方薬の『強活腎散』が恐喝爺さんにしか聞こえなくなり、遠くの草むらに転がっている白いコンビニ袋が猫にしか見えなくなった頃、私は独りで生きていくのが怖くなり、一緒に暮らす誰かを探しだした。 結婚だ!!結婚! いきりたって地元の結婚相談所に入会したけれど、私は独りを愛しすぎていた…。 紹介された男達が全員宇宙人に見えた。 宇宙人となんて一緒に暮らせるわけない‥。 相談所のコンシェルジュは、「お話が続かないと思っても、一度目でお断りされないでくださいね。最初は、お相手も緊張されてますから‥」と言う。 しかしながら宇宙人と何を話せばよい? 私は三人の男と会い、全員からお断りされたのち、結婚相談所を去った。 (ひとりは嫌だがひとりがいい…) 思考の原理に則ったとして、この主張は矛盾律に他ならず、成り立たないはずなのに、「ひとりは嫌だがひとりがいい❓そんなの当たり前だよッ🗯」と華麗にはまちをさばいている魚屋のおばちゃんが言う。 隣の子だくさんの奥さんも言う。 向かいのアパートの学生さんも言う。 気がつくと皆んなが言っている。 子供のように駄々をこねて叫ぶ。 ひとりがいいけど、ひとりは嫌なんだよ〜うよ〜ぅょ〜ぅ こだまが神様のところまで届くが却下される。 これだけの人達が願っているにもかかわらず、叶っている人にお目にかかったことがない。 皆んなも却下されているのだろう。 まあ、当然。 だから私は考えた。 そうだ!空気のような男を探そう。いるのかどうかも気づかせない、私に何も求めず、期待もせず、頼みごともしない、怒ることもなければ、説教されることもない、無駄口もたたかず、自分のことは全部自分でやって、なんなら私の仕事までやってくれる… さあ今年の抱負ができたぞ!と私は生き甲斐をみつけ、新年早々、マッチングアプリに登録した。
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kemuriradio
気付いた時にはもう鉢に収まっているという状態がベストです。 ※ご注意ください。暴れてしまいますと、過剰に乳酸が分泌されますので植え替え後に影響を及ぼす恐れがあります。 今回は結局終始暴れることもなくストレスフリーでの鉢上げとなりました。
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