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木の花の一覧

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醜男
紫式部(ムラサキシキブ) シソ科ムラサキシキブ属の落葉低木。野山の雑木林に生える。高さ3mほどに育ち、細身の枝を横方向に広げる。葉は対生し、尾状に先が尖った長楕円形で鋸歯がある。花期は6~8月。対生する葉の付け根に芳香のある淡紫色の小さな花が群れ咲く。筒形の先が4裂して平らに開き、4本の雄しべが突き出る。果期は9~12月。果実は核果。径約3.5㎜の球形で、葉が緑色の頃から紫に色づき、落葉後も枝に残る。園芸店でムラサキシキブといって販売されているものは、ほとんどが近縁種の小紫(コムラサキ)である。 ムラサキシキブの幹は真っすぐ伸びて強く、金槌などの道具の柄、杖、箸、傘の柄に用いられた。特殊な用途として、火縄銃の銃身掃除や弾丸込めの唐子棒に使われた。 江戸時代初期までは実紫(ミムラサキ)、玉紫(タマムラサキ)、山紫(ヤマムラサキ)といい、その語源は紫の実が敷きつめられた『紫敷き実』であったようで、このムラサキシキミが変化してムラサキシキブになった。また、紫色の実がたくさんなることから『紫繁実(むらさきしげみ)』の転訛ともいわれる。他にも、植木屋が源氏物語の筆者『紫式部』にあやかろうと、ミムラサキの実の色にかこつけて命名したのではないかともいわれる。 よく似た小紫(コムラサキ)、藪紫(ヤブムラサキ)との識別点は次の通り 紫式部 ・葉は無毛 ・花は葉柄の付け根につく ・果実は径3.5㎜でまばらにつく ・茎はまるい 小紫 ・紫式部より全体に小形 ・葉は小形で若葉に毛がある ・花は葉柄からやや離れてつく ・果実は径3㎜で葉の上側にまとまってびっしりとつく ・茎に稜の出ることがある 藪紫 ・葉は裏面に毛が密生する ・花は葉腋に数個つく ・果実は径4~5㎜で葉に隠れる部分もある ・果実の半分を毛のある萼が包む ・茎はまるい 出典『里山の植物 ハンドブック』『都会の木の花図鑑』『薬草の呟き』『樹木の名前』
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醜男
凌霄花(ノウゼンカズラ) ノウゼンカズラ科ノウゼンカズラ属の落葉つる性木本。中国原産で古い時代に渡来し、古くから観賞用に植えられる。茎はつる性で、気根と呼ばれる根を出して他の植物や塀などに吸着して生長する。葉は対生し小葉の縁に粗い鋸歯がある。花期は6~9月。枝先の円錐花序に濃いオレンジ色の花が対生して咲く。花はラッパ形で花筒は短い。萼は緑色、穂は長く伸びる。曇天が続いたり、過繁茂して光不足になると落花する。日本ではほとんど結実しないが、秋に実る果実は太い莢状。筋にそって裂けると、中からグライダー型の種子が飛び始め、風で遠くに運ばれる。 近縁種に花が小ぶりな北アメリカ原産のアメリカノウゼンカズラがあり、近年は本種とアメリカノウゼンカズラの交雑種のマダムガレンと推定されるものが多く栽培される。本種とそっくりだが、花の穂はあまり長くならず、萼の色も橙色。南アフリカ原産のピンクノウゼンカズラは別属。 漢字では『凌霄花』と書き、高いところまで生長することから『空をしのぐ花』という意味がある。日本では『凌霄花』を『りょうしょうか』と読み、やがて『のうしょう』から『のうぜん』に変化した。『かずら』はつるの意味。 出典『身近な樹木図鑑』『都会の木の実・草の実図鑑』『樹木の名前』
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醜男
木斛(モッコク) モッコク科モッコク属の常緑高木。温暖な地域の海岸近くに自生する。庭木や公園樹としても植えられる。幹は真っすぐ伸び、葉は適度な光沢ある濃い緑色が上品で、枝葉が密生して樹形が美しく整うことから、庭木の王様とも呼ばれ人気が高い。枝先に葉が集まって車輪状につき、シャリンバイやトベラに似るが、鋸歯がないこと、葉柄が赤いこと、葉が反り返らないこと、葉裏は明るい黄緑色で葉脈がほとんどが見えないことなどで見分けられる。花期は6~7月。葉の付け根に白い花をつける。花柄はやや上を向き、花は下向きで芳香を放つ。両性花をつける株と、雄花しかつけない株がある。果実は蒴果。球形で秋に赤く熟す。果皮はかたく肉厚で不規則に割れて種子を出す。種子は赤く先端がしぼむ。果実に種子は3〜4個。種子の先に糸状物が残る。果実が全裂開する頃、種子はこの糸状物でぶら下がる。 新年の縁起物として、センリョウ、マンリョウ、アリドオシをモッコクとあわせて箱庭をつくり縁起を担ぐ風習があった。『千両、万両、お金が木の斛(ます)でかき集められ、いつもお金が有り通し』と洒落たもの。モチノキ、キンモクセイと合わせて庭木御三家といわれる。材は緻密で赤色。沖縄県では重要な建築材とされ、首里城正殿に使われた。 名前の由来は、白い花がラン科の石斛(セッコク)に似ているためとも、香りが似ているためともいわれる。木のセッコクなのでモッコクとされた。種子が樹上で赤く色づくことからアカミノキの名もある。 出典『葉っぱで見わけ五感で楽しむ樹木図鑑』『樹木の事典 600種』『都会の木の花図鑑』『草木の種子と果実』『樹木の名前』
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南天(ナンテン) メギ科ナンテン属の常緑低木。温暖な山野に自生するが、中国からの渡来植物ともいわれる。庭や公園に植えられる。小さな葉が3枚ずつついているように見えるが大きな葉の一部で、1枚の葉は50㎝にもなる。これは、3回3出複葉(💬3出複葉が3回繰り返し生え羽状になったもの)と呼ばれる珍しい形。常緑だが冬に紅葉することもある。花期は5~7月。白い小さな花が円錐状にたくさん咲く。黄色い雄しべが6本ある。果実は液果。径約7㎜の球形で、晩秋に赤く熟す。果実がなった枝は翌年開花しない。 『難を転じて福をもたらす』との縁起担ぎで玄関に植えられる。敷地の鬼門に災難から免れるようにという意味を込めて植えられる。冬の庭を彩る赤い果実は、正月の床の間に飾られたり雪ウサギの目になったりする。果実や枝は有毒な一方で薬や消毒に使われ、手水に浮かべたり料理に添えたりする。食あたりを防いで長寿になるという意味で南天の箸が使われる。葉に含まれる毒素が熱い赤飯の上で熱と水分により腐敗防止作用のあるチアン水素に分解されるため、熱い赤飯などの上に置いて飾りと同時に腐るのを防ぐのに使われる。赤い果実を乾燥させ生薬にしたものを鎮咳剤に用いる。乳白色の白実南天(シロミナンテン)や薄紫色の藤南天(フジナンテン)、橙色に熟すウルミナンテン、支那南天(シナナンテン)などの園芸種がある。 中国の中部以南に産するので南天といい、株立ちの姿が竹に似るから南天竹という。中国名が南天竹で、乾燥果実の薬名が南天実。名前はこれを和音読みしたもの。 正月を飾る赤い果実といえば千両、万両、南天だが、他にも猿捕茨、黒鉄黐、黐の木、藪柑子(十両)、青木、飯桐、七竈、野茨、ピラカンサなど、冬は赤い果実が目につく。これらの植物は鳥に向けて信号を送っている。鳥の視力は鋭い。その目は人間と同様、赤い色を最も刺激的に捉える。鳥に食べてほしい果実は競って赤い色で装う。次いで多いのは黒い果実だが、鳥には紫外線領域も見えているので、人の目に黒く見える果実の中には、紫外線を反射して鳥には色付いて見えるものも含まれる。 これらの果実は、鳥の口にぴったりの飲み込みやすい形に作られている。果実を丸ごと飲み込んでもらい種子を運ばせようという魂胆。赤い果実の内部には柔らかな果肉にくるまれてこっそり種子が仕込まれている。種子は硬くて丈夫な材質に包まれていて、鳥の消化管を通過しても消化されないよう工夫されており、そのまま糞の中に出される。植物は動けないが、果実を食べた鳥が移動した後で糞をしてくれれば、種子は親植物から遠く離れた場所で芽を出せる。 香りに乏しいのも共通の特徴。鳥は嗅覚が鈍いため香りで誘ってもほとんど意味がない。また、冬に多いのは、虫が少ないため食べられる心配がないから、あえて冬に果実をぶつけて誘惑する。 これらの果実は苦かったり渋かったりしてまずく、毒を含むものもあるが、それにも理由がある。もしも果実が美味しければ、鳥がその場で食べ続けてしまい、種子があちこちにばらまかれない。植物は果実をわざとまずくしたり毒を含むことによって鳥が1回に食べる量を制限している。こうして種子は何度かに分けて少しずつあちこちに運ばれる。 冬の赤い果実には植物の思惑が隠されている。 出典『身近な木の実・タネ』『日本有用樹木誌』
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