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so・raの小さな物語の一覧
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so.ra
✨タンポポの小さな物語✨その4 雀が続けた。 君は誰のために生きてるんだい。 誰のために咲くんだい。 君は他の花と比べて不幸だって思ってるみたいだ。この先も同じ繰り返しなら、消えてしまいたいって思うのかもしれないけど。…忘れちゃいけない。 それでも、君は生き抜いてきた! 生きたいって思って種を飛ばしたんじゃないのかい? そう言うと、雀は空を見上げてしばらく黙った。 そして、ゆっくりと言葉を続けた。 僕には仲良しの友達がいた。 いつも2人で一緒にいたずらしたり、 親の眼を盗んで遠くまで出かけたりしてたんだ。 君は知らないかもしれないけど、僕らはみんなで助け合って、危険を知らせたり、餌の情報を伝えあったりしてるんだ。 そんな決まりが鬱陶しくて、 冒険してこそ一人前だ! なんて思ってたんだよ。 そして、いつもよりもっと先まで行ってみようって、僕らが遠出した日に、鳶に見つかってしまったんだ。 そこは生憎体を隠す草も木もない、広い畑の続く所で、もう力の限界で、友達より少し遅れた僕が鳶に攻撃されそうになった時、先をいっていた友達が引き返してきて、 ここは任せて逃げろ!!って 鳶に向かっていったんだ! そして、 まだ逃げずにぐずぐすしてる僕に 後から追いつくから、 構わず逃げろ! って叫んだんだ。 その声に押されるように 僕は後も見ず一目散に逃げて逃げて やっと見つけた茂みの中に逃げ込んだんだ。 友達はほんとに飛ぶのが早くて、アクロバット飛行も得意だったんだ。 だから、きっともう少ししたらいつものおどけた顔で、凄い冒険だったよ!って現れると思ってたんだ。 そして逃げてきた方の空を 友達が飛んでくるのを、震えながらずっとずっと待っていたんだ。 だけど… 何時間もたって 夜になって 星や月が出ても 友達は帰ってこなかった。 朝になって太陽が登った時、 僕は恐る恐る茂みから出て、 僕らが鳶に攻撃された場所まで 行ってみたんだ。 そこには、たくさんの羽が散らばっていて…。 僕は、もう二度と友達に会えないことを知った。 あの事があるまで、僕はみんなで助け合ってる仲間の姿を、臆病者とか情けないとか思っていたんだよ。 だけど、こんな風に襲われて…きっとこんな悲しみや悔しさを繰り返して、みんなであみだした知恵だったと悟ったんだ。愛で助け合ってたんだよ。 遅かったよ。 大切な友達を失うまで、そんなことにも氣づかなかったんだ。 君は、土に生きている。 今ここに咲いてるほとんどの花は生まれた場所に根をはっていつか終わってしまうのに、君たちは綿毛を飛ばして、遠く離れた場所まで飛んでいくことができる。 それって、すごいことだと思わないかい? 新しい土地で、また花開くことのできる君らを、羨ましいと思う花だってきっとたくさんあるさ。 その時、ポツンと雨粒が落ちてきた。 雀は、空を見上げると、 おっと!いけない。雨が来る! もう帰らなくちゃ! そう言って羽を広げると、嘴でちょんとタンポポを摘まむと、草の山から窪みになってる地面に落とした。 僕ができるのはここまで! あとは、君が自分の力で切り開くか、諦めるかだ。 恵みの雨だ! その根っこの根性に期待してるよ! そう言うと、雀は飛び立っていった。 雀が嘴で落としてくれた地面は、 ちょうど木陰になっていて、小さな雑草たちがあちこちに咲いていた。 良かったわね、あなた。 命拾いしたわね。 雀の頭の上で、カラスノエンドウがピンクの花に雨粒を受けて、花を揺らしながら言った。 雨が降ってきたわ。 チャンスは一度限り。 あなたの頭に小さな蕾が一つ残ってる!うまくいけばもう一度花をさかせられそうね。 カラスノエンドウの言葉を聞きながら、疲れはてたタンポポは眼を閉じた。 しとしと しとしと 雨は降り続き、雪柳やカラスノエンドウの枝の下には、小さな水溜まりができていた。 続く
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so.ra
パンジーの小さな物語🌸 そのさん お疲れさま。 仕事を終えてタクト君のママは、空を見上げた。キンと冷えきった空気に、一番星の青い光がキラキラと光っていた。 ねぇ、あなた。 頑張っても、頑張っても、楽にならないのよ。タクトの給食費を払ったら、また食費切り詰めなくちゃ。あの子もどんどん大きくなって、洋服もすぐに小さくなるし…。 だけど、わたしもあの子も、こうして元氣で生きている。あの子も、優しいいい子に育ってくれて、この幸せがずっと続くように、見守って下さいね。 そうして、あれこれ考えながらタクト君のお母さんが家につくと、ドアの前でタクト君が笑って待っていた。 まぁ!こんな寒いなか待っていてくれたの? 冷えたタクト君の腕をさすりながらママが声をかけると、 大丈夫! だって、ママの帰りはいつもおんなじ時間だから、ママの靴の音が聞こえたから、さっき出たばかりだよ。 それより、早く家に入って! タクト君に背中を押されるように家に入ると、うがいして手を洗ったら食卓にきてと促され、ママが食卓についた。 食卓には、小さなろうそくが灯され テーブルに手紙があった。 席について手紙を開くと、 お母さん おたんじょう日おめでとう🎁❤️ いつも いっしょうけんめい ぼくを育ててくれて ありがとう! ぼくは今日、とってもりっぱな子だねとほめられたよ。 お母さんがすばらしいからだねと、ほめられたよ。 だから ぼくもとってもうれしかったよ。 ぼくはお母さんのわらいがおが大好きです。だから、いっぱいお母さんのわらいがおを作れるような、大人になりたいです。 これからも 体を大事にして 元気でいてね。 大好きなお母さんへ タクトより そして笑顔のママの絵も添えられていました。 そうかぁ、今日わたしの誕生日だったのね。覚えていてくれてありがとう!子供にお祝いしてもらって氣づくなんてね。。。 涙声で言うママに、タクト君は、後ろにそっと隠し持っていた、パンジーの花を差し出した。 お母さん、お誕生日おめでとう❣️ これお誕生日のプレゼント✨🎁 お母さんが欲しいって見ていた、あのお花だよ。 照れたように差し出すタクト君から、お花を受けとると、ママは大切そうに胸に抱き締めて これ、ママが欲しかったパンジー フリフリのお花が可愛くて ありがとう❣️ 本当に嬉しい… あっ でも、このお花高くて買えなくて 諦めてたお花なのよ どうして買えたの? ビックリするやら 嬉しいやらで 涙でくちゃくちゃのママに はにかんだ笑顔を見せながら タクト君が答えた。 あのね、遠足のおやつのお金 使わないでお花にしたの。 せっかくママがおやつを買うようにくれたのに、ごめんね。 でも、大丈夫だよ。 僕が忘れたことにしたから、みんなからおやつを分けてもらっちゃった(^_^;)あはは。。 それから、タクト君は、 ヒロカちゃんとお花やさんに行ったこと。お花やさんのおじさんとの話を、嬉しそうにママに話した。 あのね、ぼく生まれてはじめて、大好きなママにプレゼントできてすごく嬉しかったんだ。ママの喜ぶ顔をいろいろ考えてるとき、すごく幸せだった。お花は天国のパパとぼくからだよ。 それからね、いつかたくさん花を買えるお金持ちになったら、あの花屋さんを喜ばせてあげるって男の約束もしたんだよ!素敵でしょ! ママは、嬉しくて 一回りもふた回りも 大きくなったような我が子を抱き締めて、あとからあとから 涙が止まらなかった。 2人の食卓の小さなろうそくの光に、 ピンクのリボンをかけられた パンジーの花がほんのり頬を染めて 優しく微笑んでいるようでした。 🌸今日のお花 パンジー🌸 パンジーの小さな物語 とりとめない物語を、読んででくれてありがとうございました。 お花の思い出は、人それぞれにあるのかなって思います。お花が咲くたび、お花に出会うたび、よみがえる幸せな思い出って素敵ですね💖 子供は、あっという間に大人になってしまうけど、その優しくて繊細な魂との時間は、かけがえのない素晴らしい贈り物だとあとから氣づいたりするものですね。 そして、その人生で、たったひとつの言葉や、たった一度の出来事が、 一生の宝物になることがあります そんな思いを もしも、もらってきたなら 強い強い愛で生きる力になるのかなって。 何度でも 大好きだよって 伝えあっていきたいですね 今日も素敵な夜を💖 お休みなさい✨
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so.ra
🌸パンジーの小さな物語🌸 そのに お花やさんには、色とりどりのパンジーが並んでいた。 タクト君はヒロカちゃんとママへの贈り物を探しながら、お店の中をあちこち歩いた。 みんな結構するね。 ヒロカちゃんがため息をついた。 うん。 ママが欲しいって言ってたのは、あのヒラヒラのパンジーなんだ。 だけど、高くて買えそうにないや。 タクト君もため息をついた。 そんな様子を見ていた花屋のおじさんが、2人に声をかけてきた。 坊やたち2人でお買い物? どんな花を探しているの? あのね、 ママにお誕生日のプレゼントに お花をあげたいなって。 いつも、ママが欲しいなって見ていたあのお花を買えたらいいなって。でも、持ってるお金はこれだけなの。 そう言うと、タクト君は、ポケット中でぎゅっと握りしめていた300円をおじさんに見せた。 なるほど。そのお金じゃ、このお花は買えないね。このお花を買うのには、あと200円はようなんだよ。 おじさんがそう言うのを聞いた、タクト君の目から涙がこぼれそうになり、あわててタクト君は袖で目をぬぐってニッコリした。 ありがとう、おじさん!子供なのに、ちゃんと大人の人に話すみたいに、僕に話してくれて。 僕は今このお金しかないの。 今日の遠足のおやつを買わないでとっといたお金なんだ。 だから、少ないかもしれないけど、このお金で買えるお花を教えて下さい。そう言ってタクト君は頭を下げた。 そんなタクト君の言葉を、黙って聞いていたおじさんは、タクト君の話が終わるとニッコリ微笑んで言った。 坊や!小さいのにしっかりした話ができて偉いね。 君のお母さんのお気に入りは、このパンジーの花なんだね。それなら、この花を特別に300円で売ってあげよう。なあに、坊やの心意気に先行投資だ! そのかわり約束だ!坊やがお金を稼ぐようになったら、うちの花屋でバンバン花を買ってくれよ。 そう言うと、おじさんは顔中をシワシワにしてニッコリと微笑んだ。 おじさんの言葉に、タクヤ君とヒロカちゃんは、にっこり顔を見合わせると、ありがとうございますと、深々とお辞儀をした。 タクヤ君からお金を受けとると、『おお、ほかほかしとる』と笑いながら、おじさんは、特別大々サービスだよと、パンジーの鉢にラッピングしてリボンをかけてくれた。 良かったね 嬉しいね お母さん、どんな顔するかなぁ お花やさん、素敵だね。 わたしもあんな大人になりたいなぁ そんな話をしながら、家へと帰る道。 タクヤ君の腕の中で、パンジーの花がキラキラ輝いていた。 続く 🌸今日のお花 パンジー🌸
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so.ra
🌸パンジーの小さな物語🌸 そのいち 久しぶりのお天気 公園では子供たちが 鬼ごっこやボール蹴りをして 楽しそうに遊んでいた 公園の小さな花壇の前には 少し古くなったブランコもあって 遊び疲れた子供たちが ブランコでお喋りしながら 一休みしていた ねぇ 明後日の遠足のおやつ買った? ヒロカちゃんが、ブランコを軽くこぎながらタクト君に訪ねると タクト君は首をふった。 そっかあ わたしもまだなんだ。 じゃあ、明日一緒に買いにいかない? うん、いいね! タクト君も嬉しそうに頷いた。 タクト君たち小学生3年生は、 今度近くの動物園に社会科の見学にいく予定だった。 小さな動物園だが、小動物とのふれあいもできるので、子供たちはとっても楽しみにしていた。 300円以内のおやつも持って行っていいことになっていたので、どんなおやつを買おうかと子供たちはワクワクしていた。 『ママ、お弁当つくるの大変だから、おにぎりだけでいいよって言ったんだ』タクト君がポツリと言った。 タクト君のママ、いつも忙しそうで大変だね。ヒロカちゃんのことばにタクト君が頷いた。 パパが死んじゃってから、ママは日曜日も休まないで働いてるんだ。 ママ働きすぎだよって言うんだけど、うちは貧乏だから、働かないと大変なのよって…。そういうと、タクト君はため息をついてうつむいた。 そっかぁ。 大変なんだね。 うちも、パパは遅くまで働いてて、お休みの日は寝てるんだ。だから、お料理の本を見て、わたしがご飯の支度をするの。パパはこげた卵焼きも美味しいって、すごく喜んでくれるから、もっとお料理がうまくなりたいなって思うんだ。 少し恥ずかしそうにヒロカちゃんが話すのを、タクト君は聞きながら何か考えてる風だった。 ヒロカちゃんは、えらいね。 僕は洗濯をこんだり、茶碗を運ぶくらいしかできなくて…。僕も何かできたらいいなって思うけど、ママはちゃちゃっとできるからいいよって言うんだ。 タクト君がため息をつきながら言うと、ヒロカちゃんが笑っていった。 じゃあ、何かママが嬉しくなるような事を考えたら? 例えば? お誕生日のお祝いとか? ヒロカちゃんの言葉に、タクト君は顔を上げてにっこりした。 明後日!ママの誕生日なんだ! そっかあ(^ー^) 何かビックリさせるようなお祝いしたいなぁ タクト君がそう言うと ヒロカちゃんもニッコリした。 うん!それいいかも! それで、何が言いかなぁ? 2人であれこれ考えて、プレゼントをあげようって事になった。 タクト君のママは何が好きなの? 好きなのは?…しばらく考えて、タクト君がポン!!とブランコから飛び降りると『お花だ!』 大きな声をあげた。 その声に、周りで遊んでた子達が一斉に振り向いたけど、そんなことお構いなしにタクト君は、ヒロカちゃんの方を振り向くと続けた。 僕、知ってる! ママが欲しいもの! お花! 僕と買い物の帰りに、いつも角の花屋さんをのぞくんだ。そして、今度安くなったら買いたいなって、お花をながめてるんだ。 僕、お花をプレゼントするよ! パパが生きてた時、ママに花をプレゼントするのを見たことある!ママ、すごく喜んでた。だから、今度は僕があげるんだ! ねぇ、いい考えだと思わない? ヒロカちゃんも、うんうんと頷きながら嬉しそうに聞いていた。 うん!すごくいい考えだと思う! それで、お金はどうするの? 遠足のおやつを買うおかね貰ったから、そのお金で花を買うよ。 えーっ!本当に?みんなおやつ食べてる時おやつなしだよ、いいの? ヒロカちゃんが心配して言うと、 みんなには忘れたって言うよ。 男に二言はない!そう言うと あっ!だけどみんなには内緒だよ。 と、シーッと動作をして笑った。 わかった。 内緒にする(*^^*) ヒロカちゃんと顔を見合わせて、タクト君は嬉しそうだった。 そして、明後日一緒にお花を買いにいこうと約束して、2人は帰っていった。 続く 🌸今日のお花 パンジー
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冬に咲く花に 生まれてきたわけをきいたら 花は何と答えるだろう ✨🌱✨ 🌸山茶花の小さな物語🌸 冬は厳しい寒さだ そんな中に咲く花に お前はなって生まれるのだぞ 本当にそれでいいのか? 山茶花に生まれて 人の世界にやって来ると 決めた一つの魂に 神様が聞きました それで いいんです あの古い家で 和多志の残した小さな庭の 花を育てるあの人のそばに 花になって降りていきたいのです。 冬に花が枯れてしまって おじいさんが寂しくないように あの庭の片隅で たくさん花を咲かせて おじいさんを 喜ばせてあげたいのです そうして 魂は愛しいおじさんの庭の 山茶花の花になりました ある朝目覚めたお爺さんは おや こんなところに 山茶花の花があったかと 不思議に思いました それから 庭の片隅で 毎日蕾を開く 山茶花の花を見るのが嬉しくて 朝が楽しみになりました 時々 花の蜜を吸いに 小鳥たちもやって来るようになりました 婆さんや 山茶花にお前さんの 笑顔が浮かぶんだよ 不思議だなぁ わしも もう少し 頑張るかのう そういって おじいさんは 目を細めて にっこり微笑むのでした 🌸山茶花の花が、 枝一面に満開でした 🌸 今日も 皆さまが 素敵な花と たくさん出愛ますように(⌒‐⌒)💖
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so.ra
秋の庭は どこかで優しく響き合っている 🌿🍊藤袴とみかんの小さな物語 🌱みかん 今年も 私の枝で たくさん蝶が育っていったよ 暑かった夏の間も せっせと枝を伸ばしたけれど 見てよ。大きくなった子どもたちの食欲が旺盛なこと。もう、葉っぱもすっからかんさ。 🌱藤袴 本当ね まるまると大きくなったこと あなたの栄養が良かったのね 🌱みかん もう少ししたら 蛹になるだろうさ 寒くなってきたからね 蝶になるのは この子達が最後かもね 無事に蝶になっても 花が終わっていたら お腹ペコペコで エサを探すのも大変だろうさ 🌱藤袴 そうねぇ ずっと見てきた子たちだから 元気に飛んでいって欲しいわね 今年は もう花を咲かせるのはやめようって思ってたけど、この子達の巣立ちにあわせて、花をつけてあげようかしら そんな 話をしながら 今日も みかんの木と藤袴は 蝶の子どもたちを見守ってます 🌱 蜜柑の枝で すくすく育つ アゲハの子供たち 何匹も巣立って みかんの葉っぱもうボロボロ😂 寒いのか今日は動かずじっとしてます 咲くことを 躊躇っていた 藤袴も 小さな蕾をつけて もう少しで咲きそうです✨🥰 🍁今日は肌寒いですね 風邪をひかれませんよう 暖かくしてお過ごしくださいね😊
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so.ra
一つだけ 残った実は 秋のみやげ 小さなりんご りんごを揺らして ふく風に あわてて枝を 掴んだりんご からかうように 風がきいた 何をそんなにしがみつく 夏の日に 小鳥と友達になったんだよ 毎日花に遊びに来て いろんな話を 聞かせてくれた 可愛い花 君はどんな実がなるの? わたしはね 真っ赤なりんご 小さいけれど 綺麗なりんご 君にも一度 見せたいな それなら 君の実がなる頃に 君のりんごを 見に来よう 約束したんだ あの鳥と だから 毎日待っている ばかだな 小鳥はもういない 遠い国へ飛んでった りんごは 少し悲しくなって ぶらんと揺れて考えた それでもいいんだ あの鳥を 待ってるわたしの心には ぽかぽかあの日の思い出が 今もとっても あたたかい その夜 小鳥は夢を見た 夏の日遊んだあの枝に 小さな真っ赤なりんごが1つ 楽しげに揺れていた 枝の回りをぐるぐると 小鳥は何度も飛びながら 綺麗だね 可愛いね また会えたね また会えた 🐦️ 🍎たわわに実っていた姫りんごも、最後の一つ🥰 いつか、庭に姫りんごを、植えるのが夢です💖
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so.ra
小さな蟻が 花の中からごそごそと顔をだした おばさん ごちそうさま ヘクソカズラはふん!と言うと 少しだけ 花の紅が深くなった 蟻は満足げに枝を離れていった さわさわと 風が吹く きらきらと 光が降る 夏の終わりの気だるい空気に 汗をふきふき 蜂が飛んできた あっちの花 こっちの花と飛び回り 膨れたお腹を撫でながら 葉っぱの上で一休み なぁ お前さん 可愛い花をしてるのに こんなに臭いにおいを出して 一人ぼっちで寂しくないか? しばらく羽を休めると 蜂もどこかへ飛んでった ヘクソカズラは 空を見上げて 雨が来そうだと呟いた さっき花に訪れた 蟻も蜂も蝶も みんな無事に帰ったかしら ヘクソカズラは 小さな花のラッパで そっとそっと呟いた 雨がやってくる 急いでお帰り また明日 日が登ったら 蜜を作っておくからね 🌿今日の花 ヘクソカズラ (さおとめばな) 寂しい日もあった 臭いと嫌われて 孤独に涙した日もあった そうして月日が流れ 乙女と言われる日も過ぎた だけど 今は知っている 自分だけの花の喜びを 小さなものたちが 訪れる短い花の季節 ありがとう 有り難う 五月女花は喜びに 一日一日 頬を染めて ひっそりと 紅に染まります 花を眺めていたら たくさんの虫たちが訪れていました。臭いけど、みんなに愛されてる花なんだなって嬉しくなりました(*^.^*) 小さなヘクソカズラの物語💖
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so.ra
柊物語 その4 一方、華さんの家は、村一番の金持ちと鼻高々だったのに、今では馬鹿にしていた静さんの家が一番の金持ちで、村人らからも、それはそれは大切にされるもんだから、華さんもその姑さんも、面白くないと思っておったんじゃ。 そこで、姑さんが華さんに言ったそうな。 お前さん、あんな貧乏娘に先を超されて悔しいじゃないか。 あの川に、福虹魚がいることは確かなんだから、明日から私らで水汲みにいって、魚をたんと捕まえよう。 そうね、お母さん。 それなら、静さんが川に出かける前に、先を越していかなくちゃ。 そうだね。それに、魚がたくさんいたら、一人じゃもったいないから、わたしも行くよ。 そういって、次の朝からは、静さんを待たずに、日の出と共に、華さんと姑さんは川へ水汲みに出かけるようになったと。 2人が通っても通っても、川には魚一匹現れなんだが、明日こそ、今度こそと、2人は通い続けたと。 そうして、春が過ぎ、夏が過ぎ、秋が過ぎ、冬が来る頃、 早起きは2人の習慣になり、 金持ちを鼻にかけて、ぐうたらしていた2人は、毎日川へと歩くうち、体もどんどんと丈夫になっていったし、気性も優しくなっていったんじゃ。 それにの、重い桶を担いで、道々話もするもんだから、だんだんに仲良くなっていったそうな。 汲んだ水が余ったものを野菜にもやるもんだから、野菜も良く育って、華さんの家も少しずつ金がたまって、幸せになっていったそうじゃ。 静さんとと華さんの幸せな話は、やがて周りの村にも伝わって、 2人の通った川は、福虹川と呼ばれ、そこの水を飲むと幸せになると、今では遠くの町からも水を汲みに来るそうじゃ。 めでたし、めでたし。 🍁新春ですので、福の神様のお話にしてみました😊💖 ヒイラギの葉は年数が経つにつれて、葉のトゲがなくなり丸みを帯びた葉になっていくそうです。 幸せも苦労のなかに丸みを帯びて、生まれてくるのかも知れませんね。 ヒイラギのキンモクセイに似た甘い香り、春にこの芳香が全てを歓迎しているようだとして「歓迎」という花言葉になったそうです。 真っ白な花も、赤い可愛い実も、ヒイラギの花に出会ったら、この話を思い出していただけると嬉しいです😊❣️
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so.ra
柊物語 その3 娘は川につくと、まずはじっさまの桶から水汲みを始めたそうな。 すると不思議なことに、見たこともない虹色の魚が、やまのように集まってきて、娘の汲む桶に吸い寄せられるように入ってくるんじゃと。 2つ目の桶も、3つ目の桶も、四つ目の桶も。 娘はあまりの不思議に、川の神様に手を合わせて祈ったと。 たくさんの恵みを有り難うございます。じっさまの分も、大切にいただいて帰ります。 娘は、4つの桶を棹で支えて歩いたが、水の重さに加えて魚もたんと入っておったから、ふらふらしながら、やっと思いでじっさまのところまでやって来たんじゃ。 お待たせしちゃって、ごめんなさい。足のお加減はいかがですか? 娘が尋ねると、じっさまは嬉しそうに答えたそうな。 お陰さんで、痛みが軽くなりもうした。これなら家まで歩いて帰れそうじゃ。水汲みをすまんのう。あとは、わしが担いでいきますからの。 いえいえ、無理をしてはいけません。おじいさんの家まで運んで参ります。それに、ほら、魚がこんなに‼️ 娘に事の始終を聞いて、じっさまは笑いだした!いつか、わしも聞いたことがある。あんたはあの川の福の神様に会いなすったんじゃろう。その魚は福虹魚と言って、食べればたちまち病を治す不思議な魚じゃ。 どれ、一匹、いただこうかの。 そういってじっさまが魚を食べると、不思議なことに、足の怪我はみるみる癒えて、じっさまはすっくと立ち上がり、元通りに歩けるようになったんじゃ。 娘さん、あんたの綺麗な心に川の神様がくれた褒美じゃ。 その魚を持って町で売れば、豊かにくらしていけるじゃろう。 わしの分も持ってお行きなされ。 そう言って楽しそうに笑うと、じっさまの姿は突然見えなくなったと。 あんれ、 不思議なこともあるもんだ。 娘が桶を見ると桶は4つ並んだまんま。魚は4つの桶に元気に泳いでおったんじゃ。 周りを見回して、じっさまを探してもおらなんだから、娘は4つの桶を担いで家へと帰っていったんじゃ。 そして、やっとの思いで帰ると、家族に、今日の不思議な話を聞かせたんだと。 お前さんは、良いことをなさったのぉ。 わしも、一度だけ聞いたことがある。おとぎ話と思っておったが、 本当にあるとはのう。 どれ、わしも一匹いただいて見ようかの。 静さんの姑さんは、腰を患って寝たり起きたりしておったが、魚を食べたらすぐにしゃんとして、動けるようになったんじゃ。姑さんは、それはそれは喜んで、娘を誉めたそうな。 これは本物じゃと、娘は村中を回って病を持った人たちに魚を配って歩いたと。魚を食うとたちどころに病が治るもんだから、みんなにそれは感謝されたんじゃと。 静さんと婿さんは、残った魚を町に売りにいったら、それはそれは高い値で売れたもんだから、娘の家は、たちまちに村一番の金持ちになったんじゃ。 🌿続く
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so.ra
柊物語 その2 2人にはそれぞれ姑様がいて、気性はそれぞれの娘によく似ておったそうな。 物静かな娘は、静さんと呼ばれ 華やかな事が好きな娘は華さんと呼ばれておったんじゃ。 村には井戸がなかったから、娘らは朝早くから、近くの川まで水を汲みに行くのが日課じゃった。 静さんは、朝早くに起きて、水汲み前に家の掃除を済ませ、朝飯の準備をして、姑さまの履き物を整えておくんだと。 一方、華さんは、のんびり起きて、まずは鏡で丹念に支度をするうち時が過ぎ、姑さんに急かされて水汲みに出掛けるんだと。 おはよう 2人は声をかけあい、川に向かって歩く途中に、1人の年老いたじっさまが、苦しそうに草に腰を下ろしてるところに、出会ったんじゃと。 あれまぁ、どうなさったの? 辛そうだけど、どこかお具合でも悪いの? 静さんが声をかけた。 いやいや 水汲みに来たんじゃが、どうも足をくじいてしまったようで、痛くて歩けずにおったんじゃ。 なぁに、しばらく休んでおればなおるじゃろうて、心配してくれてかたじけない。 するとか、華さんが言ったんじゃ そうなの? それじゃぁ、ゆっくり休んでね。私らは、先を急ぐから。 さぁさぁ、いきましょう! そういって、静さんを急かしたそうな。 静さんが心配して、じっさまの足を見てみるとそれは腫れておったそうな。 華さん、先に行っててね。わたしはすぐに追い付くわ。 華さんは そう。 それなら、あとからおいで。 そういうと、さっさと歩いていった。 静さんは、被っていた手拭いを裂いて、近くの木の枝を添えて、じっさまの足をまいて、持っていた水筒の水で冷やしたと。 足を折ってるかも知れないから、大事にした方がいいわ。 その入れ物にわたしが水を汲んでくるから、ここで静かにしていてね。 すまんのうというじっさまの水桶を預かると、4つの桶を肩にかついで、川へと向かっていったんだと。 その日は風が強い日じゃたから、娘はあおられて、よろよろしながらも、踏ん張って川へと向かったそうな。 あらぁ、遅かったじゃない。 華さんが水汲みを終えて、こちらへ歩いてきた。 まあ、呆れた。おひとよしね。人の分まで水汲みなんて。 悪いけど、わたしは自分で精一杯よ。じゃあ、先に行くわね。 華さんに別れると、娘は川へと急いでいった。 🌿続く
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so.ra
柊物語~短編~ あるところに2人の娘がいた。 1人は優しく物静かで、争い事はせず、誰かが競おうとすれば、譲って微笑んでいる娘だった。 もう一人は、美しく華やかに自分を飾ることが好きで,なんでも一番でないと気にいらない娘だった。 2人は同じ村にすみ、年も近かったこともあり、姉妹のように仲良く過ごしておった。 大人しい娘は、華やかさが好きな娘に召し使いのように使われていたが、嫌な顔をせず、いつも楽しげににこにこと過ごしておったそうな。 そんな二人が大人になって、それぞれに美しく成長したものだから、村の男達から嫁に来ないかと乞われるようになった。 華やかなことの好きな娘は、村一番の金持ちと、大人しい娘は素朴で貧しいが、娘を大切にして働き者の若者と家庭を持って、それぞれ幸せに暮らし始めたと。 🌿セイヨウヒイラギは春に白い花を咲かせ、初冬に赤い果実を実らせます。 柊(ヒイラギ)は初冬に白い花を咲かせて、初夏に黒紫色の果実を実らせます。 冬に白い花が咲いていたら柊(ヒイラギ) 赤い実が付いていたらセイヨウヒイラギなんですね。 どちらも素敵なヒイラギですね🎵 これは、そんな2つの花にちなんて、2つのヒイラギのような娘の物語です♥️
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so.ra
【やまぶきの物語】最終話 刈っても刈っても終わりが見えず、草の葉やシノ棒やらで手足が切れ、虫に刺されて体はあっちもこっちも痛いやら痒いやら。鎌を持つ手はまめが割れて皮がむけたが休まずに働くもんで、それは痛くって、夜になると娘は泣いてばかりおったんじゃ。鎌の使い方も知らずに育ったからの。 だかな、嫌で嫌でしかなかった草刈りじゃたが、野良に出て小鳥や花や木々も生きてとることに気づいていったんじゃよ。小さな虫たちも踏ん張って生きとることに気づいてな。そしての、小さな花を見つけて喜んだりするようになっていったんじゃ。 だいぶ時が経ったがなぁ、お日様にあたって緑の中にいるうちに、誰も一人ぼっちじゃないことに気がついていったんじゃ。そうして、だんだんに仕事も楽しくなっていったそうな。 一日の山仕事、畑仕事が終わると、娘は村外れのお堂にいって手を合わせるのが日課じゃった。 『おらぁ、いいも悪いも何にも知らなかったなぁ。いつの間にか、自分の事しか見えなくなってたんだ。許してくれろ。 狐の母さんにゃ、取り返しのつかないことをしちまった。痛かったべなぁ、辛かったべなぁ。 おらぁ、謝っても謝りきれねぇ。狐さんさぁ、たくさん子宝に恵まれるよう、神様狐さんを守ってくれろ。 神様、おらを可愛がってくれたばっさまは、今も元気でおられるかのう?。大切なばっさまに、最後の別れすら言えず、おらは心配かけて悲しませて、何も恩返しできなんだ。 だからよ、神様。 おらが山をさらうときは、ばっさまの体を洗うと思ってやるべぇ。田畑の畔の草を刈るときゃ、ばっさまの足を洗ってやると思ってやるべぇ。ばっさまを大切にするように、心を込めてさせていただくべぇ。 今は、どこにおいでか知らんけど、どうぞばっさまが達者で暮らしてくれるよう、神様守ってくれろ。』 いつも機嫌悪そうに下を向いて歩いてた娘は、5年経ち10年経つうちに、真っ黒に日焼けして頑丈な体になった。手も足もヒビ割れてガサガサになったけど、それは幸せそうににこにこと笑顔を見せるようになっていったそうじゃ。 そうしていつの間にか、娘の体からポロポロとキノコがとれていったが、娘はそんなことは気づかぬ風で、変わらずに、朝から晩まで草苅を続けたんじゃと。 それから、長い月日が経って、村の山も畦道も、それはそれは綺麗になった。 最初は娘を避けていた村人たちも、いつも黙々と仕事をしてくれる娘に、すれ違うと1人2人と頭を下げるようになっていったそうじゃ。 そうして、村では、誰からともなく、意地悪娘の事を白やまぶきさんと呼ぶようになったんだと。畦道を帰る娘の後ろを、子供らが草を運んで手伝うと、娘はみんなの頭を撫でて、めんこいのうと言うんだと。 聞こえるかのう、村の田んぼの畦道を娘と子供らが、手を繋いで歌っとるやまぶきの歌。その歌を聞いたなら、誰もがにっこりするそうな。 2人の不思議なやまぶきの娘がなくなったあと、村外れに小さなお堂ができたそうじゃ。 やまぶき様と呼ばれてな、黄色のやまぶきと、白のやまぶきを備えてみんなの幸せを祈るそうな。 (完) 🌱やまぶきの物語 これで終わりです。 やまぶきの花を見たときに、この小さな物語も、思い出してもらえたら嬉しいです。最後まで、見ていただき、有り難うございました❣️
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so.ra
【やまぶきの物語】 むかしむかし あるところに 一人の娘がおったと。 娘の親は早くに死んで じっさまと2人で暮らしておった それは春だと言うのに、冬が戻って来たように、寒い日が続いておった年じゃった。 あまりの寒さに、2人が細々育てている小さな畑は、作物がみんな枯れてしもうた。 じっさま、もう食べるもんがない。おらぁ、山さ出かけて、食べるもん探してくるからな。 娘はそういうと、ぼろぼろの手拭いをほっかむりして、山へと出かけていった。 おりしも雨が降ってきて、それは時雨のように冷たい雨の朝じゃった。 ほぅほぅ、寒い。 なぁに、山んなかさ入れば、枝が雨風よけて、あったかくなろう。娘は、体をさすりながら、山へとかけていった。 続く 🌺今日の花 やまぶき 今日の花ヤマブキと昨日の今日の花ユキヤナギです(笑) 短編昔話風、書いてみようかと😊
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