藪茗荷(ヤブミョウガ)

ツユクサ科ヤブミョウガ属の多年草。林内など湿気の多い日陰に生える。葉はショウガ科のミョウガに似ていて、６～７枚が車輪状に集まってつく。花期は夏、茎の先に花弁も萼も同じ形の白い花が輪生状に数段つき、同じ株に両性花と雄花が混じる。花はその日のうちにしぼむ１日花。秋につく果実は直径約５㎜の球形の液果で藍紫色に熟す。この色がベリーを装って鳥を騙すが、鳥はあまり食べず、枯れ茎に春まで残る。この果実はうっすら青白く光るが、この部分は紫外線を反射し、紫外線領域まで見ることができる鳥の目には輝いて見える。

葉がミョウガに似ていて、薮に生えることから付いた名前。ミョウガの仲間ではないので食べられないし、葉を揉んで香りを嗅いでもミョウガの葉のような香りもない。

出典『野に咲く花』『身近な草木の実とタネ ハンドブック』