あまり良い花が咲いてないのですが、その中でもわりとマシなものを…

食虫植物のイビセラ・ルテアです。


南米原産のネバネバ系食虫植物。

ツノゴマ科の一年草で、タヌキモ科と同じシソ目に属する植物です。

ビジュアル的にはカボチャの苗みたいな感じの姿で、粘液を分泌する腺毛で葉茎が覆われており主に小さな羽虫やアブラムシなどを粘り付けて捕獲します。

ドロセラなどに比べると粘着力はあまり強くなく、実力的には大体ムシトリスミレ類と同じくらいのものでしょうか。

粘着力は弱いけど捕虫部の面積が広いため実際にはかなり多くの獲物を捕獲することが出来るようです。

粘液には何とも言えない独特の異臭があり、これにより獲物となる昆虫を誘引していると言われていますね。

巷では栗の花のニオイとか言われているようですが、個人的にはトマトとかペチュニアみたいなナス科のニオイを濃くしたような感じかな？と思っております。

僕的にはそんなに嫌いなニオイではないんですけど人によっては受け付けないこともあるみたいですね。

人間からすると嫌なニオイでも、昆虫にとっては魅力的な香りだってことなんでしょう。
特にアブラムシとかにはたまらないニオイなんじゃないでしょうか。

株が成長すると美しい黄色の大輪花を咲かせ、開花後には「悪魔の爪」と呼ばれる特徴的な実を付けます。

乾燥した実には非常に鋭く硬い二本の鉤爪が備わっており、これを道行く動物達に引っ掛けることにより種子を広範囲に拡散させるらしいですね。

しかしあまりに鋭く強力な鉤爪なため家畜などに危害を加えることがあるらしく、脚を傷付けて歩行困難にさせたり誤食した家畜の内臓を傷付けて死に至らしめたりと結構な悪さをはたらいているらしいです。

原因は分かりませんが世界各地の熱帯域に帰化しているらしく、その有害性から国によっては栽培を禁止している所もあるとかないとか。

まぁたしかに、こんなクサくて凶暴なデカイ草が野生化したら嫌でしょうからねー。花は綺麗なんですけど。


ちなみに消化酵素の分泌が確認されていないということで食虫植物として疑問視する考えもあるようですが、個人的にはロリデュラと同じようにある種の昆虫と共生することで獲物を養分として利用しているって可能性も十分にあるんじゃないかなー、とか思っております。